ナイキが決算受け上昇 サプライチェーン問題の克服示す＝米国株個別

　ナイキ＜NKE＞が上昇しておりダウ平均をサポート。前日引け後に９－１１月期決算（第２四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。北米や欧州での販売が好調だった一方、中華圏は予想を下回った。ホリデーシーズンを前に在庫水準が拡大しており、サプライチェーン問題克服を今回の決算は示した。感染拡大の行動制限に伴うベトナム工場での生産や、港湾混乱を背景とした数週間に渡る製品滞留を受け、同社は何カ月も前から生産や輸送を懸念していた。粗利益率も予想を上回ったが、値引きが減る半面、販売が増加し、収益性が改善した。

　一方、中華圏での売上高の落ち込みが続いているが、新疆ウイグル自治区の労働に関するナイキの方針を巡って不買運動が起きており、不安定な状況に見舞われている。

　今回の決算はアナリストからも概ね好評で、同社の見通しは保守的である可能性が高いとの指摘も出ている。ただ、中国の行き過ぎた評価がテーブルから外れる可能性は低いとも述べた。同アナリストは自身の１株利益予測を２２年度は従来３．５０ドルから３．７０ドル、２３年度は４．６４ドルから４．７０ドルにそれぞれ上方修正した。

（９－１１月・第２四半期）
・1株利益（調整後）：0.83ドル（予想：0.63ドル）
・売上高：113.6億ドル（予想：112.6億ドル）
　　北米：44.8億ドル（予想：41.8億ドル）
　　ＥＭＥＡ：31.4億ドル（予想：30.1億ドル）
　　中華圏：18.4億ドル（予想：21.4億ドル）
　　アジア太平洋・中南米：13.5億ドル（予想：14.3億ドル）
・粗利益率（調整後）：45.9％（予想：44.2％）
・在庫：65.1億ドル（予想：66.7億ドル）
・当座資産：107.5億ドル（予想：103.2億ドル）

（NY時間09:35）
ナイキ＜NKE＞　167.72（+10.74　+6.84%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美