乱高下の末、ダウ平均は大幅続落 米国で初のオミクロン感染を確認=米国株概況
NY株式1日(NY時間16:21)
ダウ平均 34022.04(-461.68 -1.34%)
ナスダック 15254.05(-283.64 -1.83%)
CME日経平均先物 27465(大証終比:-715 -2.60%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅続落。きょうの市場は乱高下した。序盤は買い戻しが先行し、ダウ平均は一時500ドル超上昇する場面も見られた。高インフレとオミクロンに対する懸念は根強いものの、前日の下げで値ごろ感の買い戻しが出ている模様。FDAの顧問委員会がメルク<MRK>のウイルス向け経口薬の承認を推奨したことも安心感につながった模様。
ただ、終盤に入ってダウ平均は急速に下げに転じた。米疾病対策予防センター(CDC)が米国で初のオミクロン感染を確認したと伝わったことで米株が上げを失っている。CDCは声明で、感染が確認されたのはカルフォルニア州に住む市民で11月22日に旅行先の南アフリカから帰国したという。オミクロンについては、欧州や日本でもすでに感染が確認されており、驚くほどのニュースでもないが、市場は敏感に反応しているようだ。
モデルナ<MRNA>のホーグ社長が、オミクロン株を標的とするブースター接種のワクチンについて、3月より前には準備できず、4-6月期になる可能性のほうが高いと述べたことも圧迫。引けにかけて下げが加速し、ダウ平均は400ドル超続落している。
オミクロンの景気への影響が気掛かりとなっている中、前日のパウエルFRB議長のタカ派発言でFRBの早期金融引き締めへの警戒感も広がっている。きょうから師走相場入りとなるが、年末に向けてのロングポジション調整や、ファンド勢のリバランスが出ることも予想され、株式市場は上値に慎重になっている気配も見られる。
個別にセールスフォース<CRM>が大幅安となり、ダウ平均を圧迫。前日引け後に決算を発表し、第4四半期のガイダンスが予想を下回ったことが嫌気されている。そのガイダンスはオミクロンの出現で同社の一部顧客が新プロジェクトへの支払いに消極的な可能性があることを示唆。市場からは為替の逆風と統合プラットホームのミュールソフト事業の成長の頭打ちが指摘されていた。
IT・ハイテクも戻り売りが強まり、ナスダックも下げに転じた。テスラ<TSLA>やアマゾン<AMZN>、メタ・プラットフォームズ<FB>など主力株は概ね下落。
ドーナツのクリスピー・クリーム<DNUT>が下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価を14ドルとした。
GM<GM>が小幅高。同社のジャコブソンCFOが証券会社主催のイベントに参加しており、2021年通期のガイダンスを上方修正した。
住宅建設のレナー<LEN>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価も140ドルに引き上げた。
メルク<MRK> 74.44(-0.47 -0.63%)
セールスフォース<CRM> 251.50(-33.46 -11.74%)
クリスピー・クリーム<DNUT> 13.19(-1.36 -9.35%)
GM<GM> 58.06(+0.19 +0.33%)
レナー<LEN> 108.57(+3.52 +3.35%)
アップル<AAPL> 164.77(-0.53 -0.32%)
マイクロソフト<MSFT> 330.08(-0.51 -0.15%)
アマゾン<AMZN> 3443.72(-63.35 -1.81%)
アルファベットC<GOOG> 2832.36(-16.68 -0.59%)
テスラ<TSLA> 1095.00(-49.76 -4.35%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 310.60(-13.86 -4.27%)
AMD<AMD> 149.11(-9.26 -5.85%)
エヌビディア<NVDA> 314.35(-12.37 -3.79%)
ツイッター<TWTR> 42.82(-1.12 -2.55%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。