ダウ平均は下げ渋るも500ドル超の大幅安=米国株後半
NY株式30日(NY時間15:39)
ダウ平均 34520.03(-615.91 -1.75%)
ナスダック 15538.88(-243.95 -1.55%)
CME日経平均先物 27625(大証終比:+155 +0.56%)
NY時間の終盤に入ってダウ平均は下げ渋っているものの、500ドル超の大幅安で推移している。きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅反落。前日はひとまず落ち着いていたものの、きょうの市場はオミクロン株への警戒感が再び強まっている。モデルナ<MRNA>のバンセルCEOがメディアとのインタビューで、「オミクロンに既存のワクチンの効果は薄い」との発言をきっかけに、市場には再びリスク回避の雰囲気が広がった。
きょうの米株式市場の下げは、オミクロンよりもむしろ、パウエルFRB議長の議会証言の影響が大きかったのかもしれない。議長は「インフレに関する『一過性』の表現を止める時が来た。数カ月早い資産購入ペース縮小終了の検討は可能で、次回FOMCで協議する」と述べた。
オミクロン株への警戒感で議長も慎重姿勢を堅持すると思われていたが、意外にもタカ派にシフトした印象が強い。この証言で幅広い銘柄に売りが強まり、ダウ平均の下げ幅は一時679ドルを超えた。
ほぼ全面安の中、銀行やエネルギーが下落したほか、旅行レジャー、産業も下落。IT・ハイテク株は、アップルは上昇しているものの、大半の主力株は揃って下落し、ナスダックの下げ幅は一時2%超に達した。
銀行株については、米国債の動きに敏感に反応している模様。パウエルFRB議長の証言を受けて、短期ゾーンはプラスに転じているものの、長期ゾーンはマイナス圏での推移が続いている。イールドカーブはフラット化が大幅に進んでおり、銀行の金利収入にとってはネガティブな一面もある。
一部からは、オミクロンが世界の株価上昇を頓挫させることはないとの強気な見方も出ている。オミクロン株のような散発的な後退は、自然免疫およびワクチンによる獲得免疫の広がりと死亡率の大幅な低下、および新しい抗ウイルス治療の普及という背景に照らして見るべきだという。パンデミック後の正常化が2022年には進展すると予想しており、相場上昇は緩やかなものの、持続するとの見方を示している。
会計ソフトウエア開発のインテュイット<INTU>が下落。買収したメール広告サービスのメールチンプを手掛けるロケットサイエンス社の共同創業者クルジウス氏の関連会社が154.87万株を1株668.95ドルで売り出すと発表。
バイオ医薬品のMEIファーマ<MEIP>が上昇。ろう胞性リンパ腫治療薬「ザンデリシブ」の第2フェーズの臨床試験の結果が有効性と安全性を示したことが好感されている。
1ドルショップのダラー・ツリー<DLTR>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。
太陽光発電のソーラーエッジ・テクノロジーズ<SEDG>が反落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。
JPモルガン<JPM> 158.77(-2.46 -1.53%)
バンカメ<BAC> 44.55(-1.05 -2.29%)
シティグループ<C> 63.87(-1.17 -1.81%)
インテュイット<INTU> 652.80(-41.86 -6.03%)
MEIファーマ<MEIP> 3.43(+0.98 +40.08%)
ダラー・ツリー<DLTR> 135.07(-6.29 -4.45%)
ソーラーエッジ<SEDG> 327.59(-19.62 -5.65%)
アップル<AAPL> 163.60(+3.36 +2.10%)
マイクロソフト<MSFT> 331.00(-5.63 -1.67%)
アマゾン<AMZN> 3500.83(-60.74 -1.71%)
アルファベットC<GOOG> 2858.49(-63.79 -2.18%)
テスラ<TSLA> 1136.82(-0.17 -0.01%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 326.50(-11.53 -3.41%)
AMD<AMD> 156.96(-4.95 -3.06%)
エヌビディア<NVDA> 323.06(-10.71 -3.21%)
ツイッター<TWTR> 43.87(-1.91 -4.17%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。