ヴァージン・ギャラクティック、「噂で買ってニュースで売る」展開 ５億ドルの増資計画を発表も＝米国株個別

　宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック＜SPCE＞は同社の創業者でヴァージン・グループ会長のブランソン氏が搭乗した有人宇宙船の試験飛行に成功した。来年予定している商業宇宙旅行の開始に向けて大きく前進した格好。乗組員を乗せた宇宙船「ＶＳＳユニティ」は米ニューメキシコ州の滑走路から飛行機に抱えられて離陸。上空で母船から切り離された後にロケットエンジンを噴射し、高度約２８万２０００フィート（約８万６０００メートル）まで上昇。離陸から約１時間後、滑走路に無事帰還した。

　アマゾンのベゾスＣＥＯも２０日に、自ら創設した宇宙ベンチャー企業ブルーオリジンが打ち上げる有人宇宙船「ニュー・シェパード」への搭乗を予定しており、宇宙旅行の分野への期待が一層高まりそうだ。

　ただ、ヴァージン・ギャラクティックの株価は取引開始直後は買いが膨らんだものの、その後は戻り売りに押されている。テスト飛行の成功を期待して事前に買っていた投資家からの売りが出ている模様。「噂で買ってニュースで売る」展開。また、今回の成功を受けて５億ドルの増資計画を発表したことが嫌気されている面もあるようだ。

　同社株は６月に一時５７ドル台半ばまで上昇したものの、その後は５０ドルを下回る水準に伸び悩んでいる。直近のアナリストの評価は５１ドルというのがあった。まだ、収益はほぼ計上されていない状況ではあるが、今後有望な分野なだけに、期待感がどの程度株価を押し上げるか注目される。

（NY時間09:48）
ヴァージン・ギャラ＜SPCE＞　44.25（-4.95　-10.06%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美