株安がリスク警戒誘う展開に
株安がリスク警戒誘う展開に
ドル円は振幅も、クロス円に押される
【東京市場】米中関係警戒でややドル高円高
ドル円は110円台前半でのもみ合いから、午後に一時大台割れの場面も。
日銀金融政策決定会合への反応は限定的。
午後に入って米連邦通信委員会(FCC)が中国企業5社の通信機器の認証を禁じる規制案を発表したことなどが
米中関係への警戒感につながりドル高円高の流れに。豪ドル円なども売りが出ていた。
【ロンドン市場】ポンド安
ポンドの売りが目立つ展開に。
ポンドドルは東京午前の1.3940台からロンドン序盤に1.39をしっかりわりこむと、1.3850台まで。
英小売りの弱さなどが重石。
英国とEUとの北アイルランド問題での警戒感などもポンド売りを誘っている。
【NY市場】米2年債利回り上昇などがドル買い誘うも午後は株安からの円高
ドル円は朝方に米債利回りの上昇などを受けて110円48銭まで上値を伸ばす場面が見られた。
その後、米株の大幅安などを嫌気した円買いが入り、一転して110円04銭までと、
110円ちょうどを試す展開に。大台を何とか維持した後は110円台前半での推移が続いた。
ロンドン市場で1.39台から1.38台半ばへ値を落としたポンドドルは、
NY市場でさらに売りが強まり、午前に1.38割れ。その後1.3830前後を回復も、
引けにかけて1.38を再び割り込みほぼ安値引け。
【本日の見通し】リスク警戒の動き
株安からのリスク警戒感が重石となっている。
海外市場で110円割れからいったん110円台半ば手前に戻すなど
ドル円に関しては下がると買いが出る流れだが
米中関係への警戒感もありクロス円が重く、上値を抑える展開に。
ポンドの重さも警戒感に。
英国とEUとの北アイルランド問題などでの対立が強まっており
リスク警戒の流れにつながっている。
今日はクロス円の重さを確認しながら、下値リスクを意識する展開と見られる。
【本日の戦略】戻り売り
流れ的には戻り売りか。
リスク警戒の円高を意識。
下がると買いが出る流れが続いているだけに、
戻りを待って丁寧に売りに回りたいところ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《6/18 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 110.21 1.1907 131.22
高値 110.48 1.1925 131.43
安値 109.94 1.1848 130.61
終値 110.21 1.1864 130.74
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《6/18 金曜日の主要株式指数》
ダウ平均 33290.08(-533.37 -1.58%)
ナスダック 14030.38(-130.97 -0.92%)
CME日経平均先物 28455(大証終比:-475 -1.67%)
英FT100 7017.47(-135.96 -1.90%)
独DAX 15448.04(-279.63 -1.78%)
仏CAC40 6569.16(-97.10 -1.46%)
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《6/18 金曜日の商品市場》
NY原油先物7 月限(WTI)(終値)
1バレル=71.64(+0.60 +0.84%)
ブレント先物8 月限(ICE)(終値)
1バレル=73.51(+0.43 +0.59%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1769.00(-5.80 -0.33%)
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《6/18 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
消費者物価指数(5月)08:30
結果 -0.1%
予想 -0.2% 前回 -0.4%(前年比)
結果 0.1%
予想 0.0% 前回 -0.1%(生鮮食料品除くコア・前年比)
日銀政策金利(6月)12:30
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(日銀政策金利)
【英国】
小売売上高(5月)15:00
結果 -1.4%
予想 1.5% 前回 9.2%(前月比)
結果 24.6%
予想 29.3% 前回 42.4%(前年比)
結果 -2.1%
予想 1.4% 前回 9.1%(9.0%から修正)(除自動車燃料・前月比)
結果 21.7%
予想 27.1% 前回 37.7%(除自動車燃料・前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(5月)15:00
結果 1.5%
予想 0.7% 前回 0.8%(前月比)
結果 7.2%
予想 6.4% 前回 5.2%(前年比)
ユーロ圏経常収支(4月)17:00
結果 228.0億ユーロ
予想 N/A 前回 178.0億ユーロ(季調済)
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《6/18 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*日銀金融政策決定会合
政策金利を-0.1%に据え置き
10年物国債金利目標を0%程度に据え置き
新型コロナ対応策を従来の21年9月末までから22年3月末まで半年延長することを決定
2%の物価安定の目標実現を目指し、
安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的質的金融緩和を継続する
引き続き新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム
国債買入れやドルオペなどによる円貨および外貨の上限を設けない潤沢な供給
それぞれ約12兆円および約1800億円の年間増加ペースの上限のもとでの
ETFおよびJ-REITの買入れにより、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていく
当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる
政策金利、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している
*黒田日銀総裁
企業の資金繰り改善も、感染症でストレスかかる状況継続へ。
景気は厳しい状態にあるが基調として持ち直している。
海外経済、ばらつきを伴いつつ総じて見れば回復している。
個人消費、飲食・宿泊などで下押し圧力が強く足踏み状態。
当面の経済活動水準、感染症拡大前に比べて低めに推移。
輸出は着実なペースで増加。
生鮮除く消費者物価の前年比、目先0%程度で推移と予想。
政策金利、現在の長短金利水準または下回る推移を想定。
新型コロナの帰すうや内外経済への影響、不確実性大きい。
感染症の影響収束まで金融仲介機能が円滑に発揮されるか注意。
企業の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていく。
感染症の影響注視、必要あれば躊躇なく追加緩和措置講じる。
感染症の影響の収束にはしばらく時間がかかる。
引き続き企業の資金繰り支援が日本経済支えるのに必要。
気候変動対応は経済物価金融情勢に大きな影響及ぼしうる。
気候変動への日銀の取り組み方針、7月会合で公表へ。
気候変動で、年内めどに実際の資金供給を開始したい。
一次産品価格の上昇、世界経済の回復反映しプラス面大きい。
一次産品価格の上昇、外需増加など日本経済にプラス面大きい。
一次産品価格の上昇、企業物価の上昇を招いている。
一次産品価格の上昇、CPI転嫁できないと企業収益が減少。
一時的要因除けばCPIはプラス幅拡大、好ましいこと。
ワクチン接種が一定レベルに達すれば、対面消費起こる。
現在はワクチン接種十分でなく、安心して対面消費できない。
企業物価の上昇が消費者物価に転嫁しやすくなる可能性。
経済回復しっかりしていけば、消費者物価は徐々に上昇へ。
欧米の一部で景気回復とともに物価上昇率は急速に上昇。
米欧の急速な物価上昇、一時的なものが大きい。
米欧、本格的にインフレになるとは考えにくい。
FRBとの金融政策の違い、国の状況の違いであり当然。
米国のインフレなき持続的成長は世界・日本に好ましい。
先進国の利上げ、新興国からの資金流出懸念に配慮必要。
コロナ収束後も物価2%目指して金融緩和を当分続ける。
米テーパリング観測、日銀緩和継続で市場はドル高の可能性とみている。
ETFの買入停止や売却は考えていない、買入はより弾力的に。
【米国】
*ブラード・セントルイス連銀総裁
最初の利上げは2022年後半に。
FEDは必要であれば政策調整の準備すべき。
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《本日予定されている主な経済指標》
【英国】
ライトムーブ住宅価格(6月)8:01
予想 N/A 前回 1.8%(前月比)
【豪州】
小売売上高・速報値(5月)10:30
予想 0.5% 前回 1.1%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員