今後のユーロを占う上で「戦略見直し」が重要との指摘も=NY為替
ユーロドルはNY時間に入ってやや買いが出ているものの、全体的に1.21ドル台後半の狭い範囲での振幅が続いている。今週は10日にECB理事会が開催されるが、その結果待ちの雰囲気も強まっている。ECBが出口戦略を示唆する可能性は低いと予想されている。慎重なインフレ見通しと短期的な景気回復ににらんだリスクから、ECBが出口戦略に転じるのは時期尚早と見られているようだ。
また、今後のユーロの動向を占う上でECBの戦略見直しの動向が重要と指摘する向きもいる。秋から年末にかけて本格的な議論に発展するとみられることから、今回の理事会では具体的なものは何も出ないことが想定される。ただ、ラガルドECB総裁が何らかの形で進捗状況に触れる可能性はあるのかもしれない。
現在のECBのインフレ目標は「2%を若干下回る水準」となっているが、ECBの金融政策調査部門責任者から、厳密な数字よりもレンジで設定した方がインフレ期待をうまく制御できるとの研究結果が公表されていたが、戦略見直しに影響を及ぼす可能性もある。
FRBは「平均2%」という目標に変更し、これまでよりもバッファを設けたが、ECBも同様の変更を与える可能性があるという。ECBがインフレ目標達成に向けて、見直した政策目標を利用する意思を明確に市場に納得させることができれば、ユーロはそれに応じて下落するはずだという。一方、何らかの妥協をすれば、早期正常化につながり、ユーロは上昇が予想される。しかし、結果的に政策は誤りとなる可能性があるという。
また、経済指標に対して、ECBが選択する金融政策手段を導く反応関数を明確できない場合は、ユーロへの影響が混同する危険性も指摘している。
EUR/USD 1.2185 EUR/JPY 133.41 EUR/GBP 0.8620
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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