為替相場まとめ3月1日から3月5日の週

為替 

 1日からの週は、ドル買いが強まった。米債利回り上昇がドル高圧力となるとともに、株式市場に調整の動きが広がったことがリスク警戒のドル買いにもつながった。米債利回り上昇の背景には、新型コロナウイルスに対するワクチン接種の進展、ロックダウン措置の緩和とともに今後の経済回復が期待されていることがある。インフレ期待の高まりとともに長期債利回りが上昇した。焦点は、急ピッチな利回り上昇に対する中銀の姿勢に集まった。市場では長期債購入の積極化やツイストオペなどが期待された。その一方で、中銀からは、現時点では状況を見極めたいとの慎重な姿勢もみてとれた。ECBでは対応策について意見がまとまっていないもよう。また、パウエルFRB議長も新たな施策についての態度を保留している。議長発言後に一段と米債利回り上昇、ドル高が勢いづいた。ドル円は108円付近へと上昇。ユーロドルは再び1.20台割れ、ポンドドルは1.38台、豪ドル/ドルは0.76台までドル高が進行した。


(1日)
 東京市場は、ドル円が堅調に推移。朝方の調整売りは106.37レベルまで、その後はドル買い・円売りが優勢となり、106.70レベルと、先週末高値をわずかながら更新した。午後には106円台半ばでの揉み合いに。ユーロドルは朝方のドル売り局面で1.21台を回復も、大台は維持できず午後には1.2070台まで下落した。米債利回りをにらんでドル相場が振幅した。10年債利回りは朝方に1.37%台に低下したあと、1.42%台へと上昇。ただ、先週後半の1.6%台と比べると低い水準で推移している。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。欧州株や米株先物が堅調に推移しリスク動向が落ち着くなかで、米債利回りが再び上昇したことが背景。加えて、ドイツ債や英国債の利回りが逆に低下したことから、ユーロドルやポンドドルへの売り圧力に。ユーロドルは1.21台手前水準から1.2030近辺へ、ポンドドルは1.40台手前水準から1.39台前半へと軟化。しかし、英国では中銀がマイナス金利導入に慎重姿勢を示していることもあって、ポンドは対ユーロで堅調に推移している。ポンドドルは1.39台後半へと買い戻されているが、ユーロドルの戻りは1.20台半ばまでと限定的。ユーロ圏や英国の2月製造業PMI確報値はいずれも速報値から上方改定されたが、発表後の反応は鈍かった。もっぱら金利動向をにらみながらの展開。ドル円は106.50付近から106.70台へと上昇。対ユーロでのドル買いの動きに連れ高の動き。

 NY市場で、ドル円は5日続伸。106円台後半での揉み合いから、取引後半には106.90付近まで上昇。3月相場入りで日本企業の為替ヘッジ観測もあるが、米インフレ期待と米国債利回り上昇を背景としたドル買いの勢いが強く、売りは吸収されているようだ。週末のバーキン・リッチモンド連銀総裁の発言からも、景気回復への楽観、米債利回り上昇をさほど懸念していないとの考えが示されていた。インフレについても問題視される水準には達していないとしていた。ユーロドルは戻り売りが続き、1.2060近辺に上値抑えられると、取引後半には再び1.20台前半に下落した。ビルドワドガロー仏中銀総裁の発言が伝わっていたが「ECBは過度な緊張に対し対応することができ、また、対応しなければならない」と述べていた。FRBは直近の長期金利の急上昇に対して静観する姿勢を示しているが、ECBは看過できないようだ。ポンドドルは1.39台割れをうかがう動き。これまでのポンド高もひとまずピークアウトしたとの指摘もあった。今週はスナク英財務相が予算案を提出するが、増税と財政赤字をパンデミック前の水準に戻す動きが急速に見られた場合、それは英中銀の金融緩和維持への圧力となり、ポンドの重しとなるとの指摘も。

(2日)
 東京市場では、ドルが底堅く推移。ドル円は午前に106.93レベルまで上昇、米債利回り上昇傾向がドル高圧力に。その後は一時106.73レベルまで反落も、106円台後半での取引が続いた。ユーロドルは朝方の1.2040台から一時1.2010台までドル高が進行。その後も1.20台前半で上値重く推移。一方、豪ドルは買いの動き。豪中銀金融政策理事会では、政策金利、量的緩和は現状維持。注目された豪ドル高牽制が目立たなかったことが豪ドル買いを誘った。債券購入プログラムについて、状況によっては債券購入さらなる調整行う用意あるとして、債券利回りが急上昇する動きもあった。

 ロンドン市場は、ドル相場が振幅。序盤は前日の大幅高の反動で米株先物が下落したことや、欧州株が不安定に売買交錯となったことを受けて、ドル買いの動きが先行した。ユーロドルは一時1.20台割れ、ポンドドルは1.38台後半で軟調な動き。クロス円も上値重く推移した。ユーロにとってはドイツの小売売上高や雇用統計が弱含んだことも重石となったようだ。しかし、米株先物が次第に下げ幅を縮小、欧州株は揉み合いから再び上昇したことで、ドル買いは一服。リスク選好的な円安の動きが加わった。ユーロドルは1.20台前半へ、ポンドドルは1.39付近へと買い戻し。ユーロ円は128円台前半から半ばへ、ポンド円は148円台前半から半ばはと反発。欧州通貨が振幅するなかで、ドル円は106円台後半でじり高の動き。東京市場の高値106.93レベルへ再び接近している。107円台が近づいた。

 NY市場では、ドル高一服し揉み合いに。NY時間に入って米国債利回りが上げ幅を縮小したことや、米株が利益確定売りに押されたことがドル円を圧迫した模様。しかし、下値での押し目買い意欲も強く、106円台後半の水準は堅持。ドル円は6日続伸。米債利回り上昇の流れがこのまま続くのか、それをFRBがどこまで容認するのかが今後の焦点に。ユーロドルは1.20台後半まで反発。ロンドン序盤に一時1.20台割れとなったあとは短期的な達成感がでたようだ。先週のECBによるPEPP買入ペースは減速していた。2月ユーロ圏消費者物価指数は前年比+0.9%と前回から変わらず、予想とも一致していた。市場からは今年の残りの期間はコストプッシュによるインフレ上昇との見通しがあった。パンデミック行動制限の緩和も後押しに。ただ、持続性には疑問も呈されていた。ポンドドルも1.39台後半まで反発した。英国におけるワクチン接種と感染状況に関する明るいデータは引き続き、早期景気回復への期待とともにポンドの下値を支えるとの指摘も。 

(3日)
 東京市場は、揉み合い商状。ドル円は前日海外市場で106.96レベルまで買われたあとは、米債利回り上昇でやや調整された。東京市場では106.68-89の21銭レンジで揉み合った。ユーロドルは1.2080-90レベルに膠着。末の米雇用統計をにらんで、今晩のADP雇用者数やISM非製造業景気指数待ちの展開となっており、東京市場で積極的な動きにはならず。主要通貨は様子見ムード。豪ドルは第4四半期GDPが予想を上回ったことで、買いに反応しつぁが、午後には値動きが落ち着いた。対ドルは0.78台前半、対円は83円台半ばから後半での上下動に。

 ロンドン市場は、ドル円が107円に接近。欧州株や米株先物が上昇、NY原油先物が買われるなかで為替市場ではリスク選好の円安とドル安の圧力が働いた。一方で、米10年債利回りが1.45%台に上昇しており、ドル高圧力もみられた。ドル円は両サイドからの支援材料で前日高値をわずかに更新、106.97レベルまで上昇。ユーロドルはドル売り先行で高値を1.2113レベルに更新。その後は上値を抑えられての揉み合いに。ユーロ円は高値を129.46レベルまで伸ばした。ユーロ買いには、ECB関係者が債券利回り抑制で劇的な行動の必要はないとの見方を示したとの報道も。ポンドドルは一時1.4006レベル、ポンド円は149.70レベルまで高値を伸ばした。2月ユーロ圏非製造業PMI確報値は速報値から上方改定された。一方、英非製造業PMI確報値は小幅に下方改定だった。しかし、ユーロポンドはやや売り優勢。

 NY市場は、ドル買いが優勢。米債利回りが連日の上昇で、10年債は1.5%近くまで上昇。米株式市場ではITハイテク株主導で戻り売りが続いた。ドル円は107.15付近に高値を伸ばした。ただ、株安もあってその後は106円台へと上昇一服。ユーロドルは序盤のドル買いで1.2030台まで下落、その後は1.2080近辺まで上昇と振幅した。ECBの債券利回り上昇への対応について、当局者間で見方が分かれているもよう。ユーロ相場は神経質な値動きに。ポンドドルは1.39台半ばで上下動。21日線を上回っており、上昇トレンドはかろうじて維持されている。スナク英財務相が議会に2021年度予算案を提出した。市場の反応は強弱まちまち。一時帰休労働者向けの支援策や付加価値税(VAT)減税は9月末まで半年間延長された。また、来年の成長見通しを7.3%と、昨年11月の6.6%から上方修正。一方、市場が懸念していた増税計画も打ち出された。

(4日)
 東京市場は、揉み合い。ドル円は107円ちょうど付近を中心とした推移。前日高値107.15レベルを超えられず107円付近で高止まり。ユーロドルは1.2050前後で狭いレンジ取引が続いた。ユーロ円も109円付近で動意薄。1月の豪貿易収支が好結果だったことで、豪ドルは比較的しっかりの値動き。豪ドル円83円近辺から83.60台まで上昇。NY原油先物や銅先物など商品市場が堅調なことも豪ドル買いに。原油相場にとっては今晩のOPECプラス会合が注目されている。

 ロンドン市場では、ドル高の動き。ドル円は一時107.36レベルまで上昇。直近高値を上回り、昨年7月23日以来の高値水準となった。東京、アジア株が大幅安となったことで、欧州株も下落。リスク警戒のドル買いが強まったようだ。ドルが全面高となるなかで、ユーロドルも当面のサポート水準1.2040レベルを割り込んで、1.2020台まで下落。その後の戻るも1.2050手前が重くなった。ユーロ円はドル円の上昇とともに129.30台まで上昇、その後も底堅く推移。ポンドドルは振幅。ロンドン朝方には1.3970付近まで買われたが、その後はドル高の動きで1.3916レベルに安値を広げた。ポンド円は149円台で下に往って来い。

 NY市場は、ドル買いが強まった。パウエルFRB議長講演を受けた動き。議長は「市場が秩序のない状況になれば問題視する。最近の債券市場のボラティリティは自身の注目を引いた」などと述べていた。金融市場が著しくタイトな状態になれば、FRBが介入する可能性はあるが、現状はそのしきい値を満たしていないことを示唆していると受け止められた模様。市場の一部には議長は最近の米国債利回りの急上昇について、より大きな懸念を表明し、長期債購入を増やすことにオープンな姿勢を示すかもしれないとの期待もあったようだ。それが無かったことで、米国債と株式に失望売りが出ている。米10年債利回りは1.54%まで一時上昇。米株は売りを強めた。ドル円は108円手前まで上げ幅を伸ばした。ユーロドルは心理的節目の1.20台を再び割り込んだ。ポンドドルは朝方に1.40台まで上昇する場面があったが、パウエル議長発言後は1.38台まで下落。21日線を再び下回った。

(5日)
 東京市場で、ドル円は108円台をつけた。108円手前まで上昇した前日の海外市場から一段高となっている。下値は107.82レベルまでにとどまり、午後に入って米債利回りの上昇傾向とともに108.10レベルまで高値を伸ばした。日経平均やアジア株はマイナス圏で推移したが、次第に下げ幅を縮小したことも円売りに作用した。クロス円も総じてしっかりとした展開に。米10年債利回りは1.57%付近と、前日のパウエル議長発言後の高水準を維持している。ユーロドルは1.19台半ばと上値重く推移している。ユーロ円は一時129円台を割り込んだが、午後には買い戻された。黒田日銀総裁が「長期金利の変動幅、拡大必要とは考えていない」と発言したことが円売りを誘った面も。

 ロンドン市場は、ドル買いが継続している。欧州株や米株先物が下落し、リスク警戒のドル買いとなった。米10年債利回りは1.54%近辺で落ち着いており、前日のパウエルFRB議長発言後の上昇からはやや低下している。足元では株安の動きも一服しているが、ドル高の勢いには目立った変化はなく、ドル高の流れには慣性がついているようだ。ドル円は108円近辺から一方通行で買われ、高値を105.55近辺に伸ばしている。ユーロドルは1.1950レベルを下回り、一時1.1914レベルまで安値を広げた。ポンドドルは1.38台後半から1.3792レベルまで下落。豪ドル/ドルも0.77台割れから0.7656レベルに安値を広げている。いずれも前日から一段とドル高が進行しており、ドル指数は昨年11月末以来の92台に乗せた。

 NY市場は米国債にらみの展開が続いている。朝方発表された米雇用統計は予想を上回る強い内容となり、非農業部門雇用者数(NFP)は37.9万人増加し、失業率も6.2%に低下した。NFPは娯楽や観光といったパンデミックで落ち込んでいたセクターの増加がけん引し、明るい兆しではある。指標発表直後は米国債利回りの上昇とともにドル買いが加速し、ドル円も一時108.65付近まで上昇。米10年債利回りは2月25日以来の1.62%台に上昇した。しかし、その後は米国債利回りが上げ幅を縮小したことからドル円も108円台前半に伸び悩んだものの、下値も底堅く108円台はしっかりと維持している。

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執筆者 : MINKABU PRESS

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