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ドル円107円台を付ける動き、リスク選好の円売りから、米債利回り上昇のドル買い

見通し 

ドル円107円台を付ける動き、リスク選好の円売りから、米債利回り上昇のドル買い

欧州時間は株高を支えにした円売りで107円台、
NY時間は米債利回り上昇を支えにしたドル買いで107円台

【東京市場】ドル円106円台後半もみ合い

 ドル円は106円台後半でのもみ合いに。
昨日の海外市場で一時106円96銭までと107円手前まで上値を伸ばしたものの、
その後米債利回りの上昇が一服したこともあってやや調整が入って迎えた東京市場。
ドル円は106円68銭から89銭の21銭レンジでのもみ合いに。
下値はしっかりも、昨日の高値にも届かずと、上下ともに動きが出ない展開となった。

 ユーロドルに至っては朝から10ポイントレンジにとどまっており、
主要通貨は様子見ムード。週末の米雇用統計をにらんで、今晩のADP雇用者数やISM非製造業景気指数待ちの展開となっており、
東京市場で積極的な動きにはならず。

 第4四半期GDPが予想を上回る好結果となったことで、午前中はしっかりとなった豪ドルも、午後は調整が入る展開。
対ドルで0.7838まで一時上昇も、その後0.7810台に値を落としている。
83円70銭前後まで上昇した豪ドル円は83円台半ば割れに。

【ロンドン市場】ドル円107円台を付ける

 ドル円が107円台を付ける動きに。
株高の動きが強まり、リスク選好の円売りが広がった。
NY原油先物が買われるなど、市場全体のリスク選好ムードにドル円もしっかり。
いったんは106円97銭前後で抑えられる格好も、その後は107円台に。

 ユーロドルは1.2110台まで一時上昇。ユーロ円の買いが支えとなる展開で、
ドル高ではなく円安が主導する格好。ユーロ円は東京市場朝の129円ばさみから129円46銭まで。

【NY市場】ドル円107円15銭近辺まで上昇

 ドル円はもう一段の上昇に。ロンドン市場での107円トライ後いったんは106円80銭割れまで調整も、
その後再び107円台をつけ、上値を更新。
米債利回りが1.5%近くまで上昇しドル円を支える展開に。
その後106円85銭前後まで値を落としたが、
夕方にかけて107円ちょうど前後まで上昇するなどしっかりの展開が続いた。

 NY朝は米債利回り上昇を受けたドル高が主導する展開で、
ロンドン午前に1.2113を付けたユーロドルが1.2043まで値を落とすなどの動きに。
ユーロドルはその後調整も1.2080前後までにとどまっている。

【本日の見通し】ドル高基調継続

 ドル円は107円台での買いにやや慎重も、押し目は限定的で基調はまだ上方向。
株高の際には円安からしっかり、その後は債券利回り上昇でドル高でしっかりという展開。
昨日発表のADP雇用者数やISM非製造業景気指数が予想を下回ったものの
インフレ期待が継続して米債利回りが押し上げられており、
ドル円に関しては上方向の意識が相当に強い。
107円台での推移になれると、雇用統計までにもう一段の上昇もありそう。

 米債利回りが1.5%をしっかり超えてくる流れになると、ドル全面高からユーロドルなどでのドル買いが強まり
ドル円の高値警戒感では上値進行が止まらない可能性も。

【本日の戦略】ドル円は押し目買い

 ドル円は押し目を拾いたいところ。
107円割れでは買いが入る流れに見えるだけに、
デイトレは早めの買いを意識。
スウィングは難しいが106円台後半は買い下がりか。
106円台半ば割れでいったんストップで様子を見たい。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《3/3 水曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  106.69  1.2091  129.01
高値  107.15  1.2113  129.46
安値  106.68  1.2043  128.74
終値  107.01  1.2063  129.09
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/3 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  29559.10 +150.93
DOW   31270.09 -121.43
S&P    3819.72 -50.57
Nasdaq  12997.75 -361.04
FTSE   6675.47 +61.72
DAX   14080.03 +40.23
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/3 水曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=61.28(+1.53 +2.56%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1715.80(-17.80 -1.03%)
+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《3/3 水曜日に発表された主な経済指標》

【豪州】
実質GDP(2020年第4四半期)09:30
結果 3.1%
予想 2.5% 前回 3.4%(3.3%から修正)(前期比)
結果 -1.1%
予想 -1.9% 前回 -3.7%(-3.8%から修正)(前年比)

【トルコ】
消費者物価指数(2月)16:00
結果 0.91%
予想 0.7% 前回 1.68%(前月比)
結果 15.61%
予想 15.4% 前回 14.97%(前年比)

【スイス】
消費者物価指数(2月)16:30
結果 0.2%
予想 0.4% 前回 0.1%(前月比)
結果 -0.5%
予想 -0.3% 前回 -0.5%(前年比)

【香港】
小売売上高(1月)17:30
結果 -13.6%
予想 -11.7% 前回 -13.3%(-13.2%から修正)(価額ベース)
結果 -14.5%
予想 -12.5% 前回 -14.0%(数量ベース)

【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI・確報値(2月)17:55
結果 45.7
予想 45.9 前回 45.9

非製造業PMI・確報値(2月)18:00
結果 45.7
予想 44.7 前回 44.7

ユーロ圏生産者物価指数(1月)19:00
結果 1.4%
予想 1.5% 前回 0.9%(0.8%から修正)(前月比)
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 -1.1%(前年比)

【英国】
CIPS非製造業PMI・確報値(2月)18:30
結果 49.5
予想 49.7 前回 49.7

【ブラジル】
実質GDP(2020年第4四半期)21:00
結果 3.2%
予想 2.8% 前回 7.7%(前期比)
結果 -1.1%
予想 -1.6% 前回 -3.9%(前年比)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(02/20 – 02/26)21:00
結果 0.5%
予想 N/A 前回 -11.4%(前週比)
 
ADP雇用者数(2月)22:15
結果 11.7万人
予想 20.0万人 前回 19.5万人(17.4万人から修正)(前月比)

ISM非製造業景気指数(2月)00:00
結果 55.3
予想 58.7 前回 58.7

【カナダ】
住宅建設許可(1月)22:30
結果 8.2%
予想 2.5% 前回 -4.4%(-4.1%から修正)(前月比)

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《3/3 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*関係者
ECB、債券利回り抑制で劇的な行動の必要はないとの見方。

*バイトマン独連銀総裁
2021年の独インフレは予想よりわずかに強含むだろう。
パンデミック後は健全な財政政策に戻らなければならない。
債券利回り上昇について、極めて注意深く分析しなければならない。
金融環境は引き続き良好。
PEPP購入のペースの調整について柔軟に対応できる。
ECBはまだリバーサルレートに達してはいない。

*デコス・スペイン中銀総裁
ECBは必要であればあらゆる措置を調整する用意。
ECBは大規模な金融刺激策を維持しなければならない。
為替相場の動向を監視し続けるべき。
時期尚早な名目金利の上昇を避けるべき。
2%のシンメトリックなインフレ目標の達成を望んでいる。

*デギンドスECB副総裁
今年後半の経済はかなり力強い。
今年の成長は12月予測に近い可能性。
下半期の成長がサプライズになる確率を割り引くことはできない。
ECBは必要に応じて手段を変更する可能性。
ECBがイールドカーブコントロールを導入する可能性はない。
ECBはいつでも購入ペースを拡大することができる。

*バイトマン独連銀総裁
利回りの動きは特に懸念していない。
ECBは国債利回りの背後にある状況を見ている。
正当化されない緊張には対応の用意。
パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)は柔軟。
中銀預金金利の引き下げはECBの手段の1つ。

【英国】
*スナク英財務相
英経済は来年央にはコロナ禍以前のGDP水準を回復する見込み。
付加価値税の減免を9月30日まで延長。
コロナ対策パッケージは総額3520億ポンド規模。
コロナ対策の追加支援で今年と来年に650億ポンド拠出。
2023年に法人税率を25%に引き上げ。

*英政府
2021年GDP成長率予想を4%に引き下げ(11月時点5.5%)
2022年GDP成長率予想は7.3%
失業率は6.5%がピークと予想。
2021-22年の国債発行予定額は2959億ポンド(従来2495億ポンド)
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》

【韓国】
実質GDP・確報値(第4四半期)8:00
予想 1.1% 前回 1.1%(前期比)
予想 -1.4% 前回 -1.4%(前年比)

消費者物価指数(2月)8:00
予想 0.4% 前回 0.8%(前月比)
予想 1.0% 前回 0.6%(前年比)

【豪州】
小売売上高・確報値(1月)9:30
予想 0.6% 前回 0.6%(前月比)

貿易収支(1月)9:30
予想 68.50億豪ドル 前回 67.85億豪ドル

【ユーロ圏】
ユーロ圏小売売上高(1月)19:00
予想 -1.4% 前回 2.0%(前月比)
予想 -1.2% 前回 0.6%(前年比)

ユーロ圏失業率(1月)19:00
予想 8.3% 前回 8.3%

【米国】
新規失業保険申請件数(27までの週)22:30
予想 75.5万件 前回 73.0万件(前週比)

耐久財受注・確報値(1月)5日0:00
予想 3.4% 前回 3.4%(前月比)
予想 1.4% 前回 1.4%(輸送除くコア・前月比)

製造業新規受注(1月)5日0:00
予想 2.1% 前回 1.1%(前月比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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