米失業率予想以上の急落、NFPはほぼ予想通り
米失業率予想以上の急落、NFPはほぼ予想通り
ドル買いの動きも、動き続かず
月曜日が米国休場で突っ込んだ取引を手控える動きも
【東京市場】雇用統計にらみ狭いレンジでもみ合い
106円台前半の狭いレンジでもみ合いとなった。この後21時半に発表される8月の米雇用統計を前に様子見ムードが強い展開となった。
昨日のロンドン市場午前に一時1.18割れを付けたユーロドルはNY夕方に1.1865近辺まで買い戻しが入り、1.18台半ば前後で東京朝を迎えると、東京市場は1.1650前後でのもみ合いに終始した。ドル円同様に雇用統計を前に突っ込んだ売り買いを避ける格好に。
【ロンドン市場】やや円安
基本的に雇用統計待ち。クロス円が若干しっかりでポンド円が141円台半ばを試す動きも
ユーロ円もしっかりも。
ドル円は106円台前半での推移。
【NY市場】雇用統計、失業率などが予想外上の大きな低下
注目された米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)はほぼ予想通りも
失業率が8.4%までの大きな低下となり、全般に好結果という印象を与えた。
家計調査ベースと事業所調査ベースでの雇用者数の差が背景に。
ドル円は106円台半ばを付ける動きも、上値は重く
上昇分を解消する形となった。
木曜日の高値にも届いておらず、上値トライに慎重姿勢も。
ユーロドルでのドル高が進み一時1.17台を付ける動きも、
木曜日同様に1.17台での売りに慎重で1.18台を回復。
【本日の見通し】雇用統計をクリアし一服感
雇用統計をクリアしたことで、やや一服感が出ている。7:28 2020/09/07
米国およびカナダが本日は休場となることもあり、
積極的な取引を手控える動きに。
明日以降に関しては、ドル売りの流れに復するのか、
ユーロドルの1.20超えなどを節目として、いったんドル売りに回るのかがポイントに。
ECB理事会を前に突っ込んだユーロ買いがやりにくいことを考えると
ユーロ売りドル買いからのドル高基調をすこし意識。
【本日の戦略】押し目買い
106.50前後が重いものの、下がると買いが入る流れ。
ドル円は下値しっかり感の強い展開に。
米国が休場ということもあり、スウィングは無理をせず、押し目を丁寧に待ちたい。
デイトレは回転を意識。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《9/4 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.19 1.1852 125.85
高値 106.51 1.1865 125.99
安値 106.06 1.1781 125.30
終値 106.24 1.1838 125.77
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《9/4 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23205.43 -260.10
DOW 28133.31 -159.42
S&P 3426.96 -28.10
Nasdaq 11313.13 -144.97
FTSE 5799.08 -51.78
DAX 12842.66 -215.11
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《9/4 金曜日の商品市場》
NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=39.77(-1.60 -3.87%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1934.30(-3.50 -0.18%)
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《9/4 金曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
小売売上高(7月)10:30
結果 3.2%
予想 3.3% 前回 2.7%(前月比)
【シンガポール】
小売売上高(7月)14:00
結果 27.4%
予想 20.9% 前回 50.7%(51.1%から修正)(前月比)
結果 -8.5%
予想 -15.0% 前回 -27.7%(-27.8%から修正)(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業新規受注(7月)15:00
結果 2.8%
予想 5.0% 前回 28.8%(27.9%から修正)(前月比)
結果 -7.3%
予想 -6.0% 前回 -10.6%(-11.3%から修正)(前年比)
【カナダ】
失業率(8月)21:30
結果 10.2%
予想 10.2% 前回 10.9%
雇用者数(8月)21:30
結果 24.58万人
予想 25.0万人 前回 41.85万人
Ivey購買担当者景況感指数(8月)23:00
結果 67.8
予想 N/A 前回 68.5
【米国】
雇用統計(8月)21:30
結果 137.1万人
予想 135.0万人 前回 173.4万人(176.3万人から修正)(非農業部門雇用者数)
結果 8.4%
予想 9.8% 前回 10.2%(失業率)
結果 0.4%
予想 0.0% 前回 0.1%(0.2%から修正)(平均時給(前月比))
結果 4.7%
予想 4.5% 前回 4.7%(4.8%から修正)(平均時給(前年比))
民間部門雇用者数
結果 102.7万人
予想 132.5万人 前回 148.1万人(146.2万人から修正)
製造業雇用者数
結果 2.9万人
予想 6.5万人 前回 4.1万人(2.6万人から修正)
週平均労働時間
結果 34.6
予想 34.5 前回 34.5
労働参加率
結果 61.7%
予想 61.8% 前回 61.4%
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《9/4 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*メドウズ米大統領首席補佐官
脅威巡り他の中国アプリも調べている
*パウエルFRB議長
米公共ラジオ局でのインタビュー。
経済には低金利が何年も必要となるだろう。
雇用の増加は多くの予想より速いペース。
マスク着用と社会的距離から大きな経済的メリット。
現在の回復ペースは初夏と同じ。
*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
追加経済対策の協議は継続している。
スマートで的を絞った、小規模の対策が好ましい。
航空業界を支援する用意。
航空会社とはコミュニケーションを続けている。
*バイデン氏
K字回復が見られている。
雇用統計は懸念に対する真の原因を示唆。
パンデミックで経済的不平等が最悪となった。
トランプ大統領は新型ウイルス感染の対応をしくじった。
【NZ】
*アーダーン首相
オークランドの警戒レベル「レベル2.5」を9月16日まで維持する。
9月14日に再び検証、レベルを引き下げるかどうかを決定する。
オークランド以外の地域では「レベル2」を維持。
【日本】
*関係者
日銀、9月会合で景気判断の上方修正を検討する公算大きい。
新型コロナウイルス感染症の影響によって日本経済が厳しい状態にあるとの認識は変わらない。
経済活動が徐々に再開されている中で、景気が持ち直しに向かっている現状を判断に反映させる可能性。
*菅官房長官
消費税率引き下げは考えるべきではない。
【英国】
*ソーンダース英中銀委員
追加緩和が適切になる公算大きい。
失業がかなり増加する可能性。
新型コロナの影響で中立金利水準が低下するだろう。
成長に対するリスクは下向き。
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《本日予定されている主な経済指標》
【中国】
貿易収支(8月)時刻未定
予想 492.0億ドル 前回 623.3億ドル(ドル建てベース)
予想 3860.0億元 前回 4422.3億元(元建てベース)
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産(7月)15:00
予想 4.5% 前回 8.9%(前月比)
予想 -6.3% 前回 -11.7%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員