ドル円一時106円台回復も続かず、ユーロは堅調
ドル円一時106円台回復も続かず
ドル安円安でユーロドルしっかり、一時1.1960台、1.20意識
【東京市場】ドル円もみ合い
週明け31日の東京市場でドル円は105円台でのもみ合い。前週末に安倍首相の辞任表明を受けて107円手前から105円20銭前後まで急落。その後105円30銭台で週の取引を終えた。週明けは、先週末終値近辺で始まり、朝方はいったんドル買い円売りが優勢に。週末に菅官房長官が出馬意向を示したことで、政治的空白の回避、アベノミクス終焉懸念の後退などが見られ、いったん金曜日の動きに対する調整が入る格好に。
しかし、上昇一服後はドル売りが入る展開に。ユーロドルが前週末の高値を超えて1.1930前後と19日以来の高値(ユーロ高ドル安)を付ける動きに。ユーロドル主導でドル全面安の動きとなり、ドル円は105円29銭と朝の上昇分をすべて解消する動きを見せた。
その後は105円台半ば前後でのもみ合いが中心に。今週は明日の米ISM製造業景気指数、、2日の米ADP雇用者数、3日のISM非製造業景気指数、4日の米雇用統計と重要指標が目白押しとなっており、上下ともにやや動きにくさも。
朝に1.1930前後まで上昇したユーロドルは、、上値から調整が入ったものの1.1900前後での破壊が入る展開。下値しっかり感が継続している。
豪ドル円は午前中にドル円の高値からの下げにつれ安となった後、いったん戻したが、午後に入って対ドル、対円ともに豪ドル売りが入り若干頭が重い。米中関係の緊張に加え、豪中関係の緊張が重石。中国が豪州産ワインについて補助金で不当な安値を付けているのではとの制裁関税調査を行うとの報道などが重石。明日の豪中銀理事かい、明後日の豪GDPなどを前にした調整売りも。
【ロンドン市場】円売り優勢
ロンドン市場で円売りが優勢。週明けの米株先物時間外取引が堅調地合いとなりドル円、クロス円を押し上げている。
NY原油も堅調でリスク選好の流れに。
先週末の円買いに対する調整の動きも広がっている。
菅官房長官が出馬意向を示したことが政策継続への期待感に。
【NY市場】ドル円は一時106円台回復
ドル円はロンドン市場からの円安の流れが継続し、午前中に一時106円台に乗せる動き。
もっとも、106円台での買いには慎重姿勢が見られ、少し調整が入った後、
105円台後半でのもみ合いが続いている。
米株に調整が入ったことで、上値を抑えられた面も。
ユーロドルは一時1.1966を付けた。
1.20の心理的節目を前に上値追いには慎重姿勢も見られ、
高値からは少し売りが入ったものの、押し目は限定的。
【本日の見通し】もみ合いの中で次の流れ探る
ドル円は105円台後半を中心としたもみ合いの中で次の流れを探る展開。
安倍首相の辞任表明を受けた影響は、菅官房長官の出馬見込みで一服。
再び米景気動向などを中心とした展開に戻りそう。
今晩のISM製造業景気指数は、前回からの改善が見込まれている。
内訳の中で冴えない数字が続く雇用部門の数字が改善するようだと、ドル買いの安心感につながる可能性も。
【本日の戦略】押し目買い
ドル円はISM製造業景気指数待ちか。
金曜日の雇用統計も重要だが、ここにきての新型コロナウイルスからの経済再生が注目される中で
ISMの動きにも要注意。
8月21日に発表された製造業PMI速報値は予想よりも強めに出ており、
ISM製造業が強めに出てくる可能性が十分ありそう。
同じく本日発表のPMI確報値も含め、しっかりした数字が出てくるとドル買いにつながる可能性も。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《8/31 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.46 1.1899 125.78
高値 106.10 1.1966 126.85
安値 105.30 1.1884 125.40
終値 105.91 1.1936 126.41
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《8/31 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23139.76 +257.11
DOW 28430.05 -223.82
S&P 3500.31 -7.70
Nasdaq 11775.46 +79.83
FTSE 休み
DAX 12945.38 -87.82
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《8/31 月曜日の商品市場》
NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=42.61(-0.36 -0.84%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1978.60(+3.70 +0.19%)
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《8/31 月曜日に発表された主な経済指標》
【韓国】
鉱工業生産指数(7月)08:00
結果 1.6%
予想 2.5% 前回 7.2%(前月比)
【日本】
鉱工業生産(速報値)(7月)08:50
結果 8.0%
予想 5.0% 前回 1.9%(前月比)
結果 -16.1%
予想 -17.5% 前回 -18.2%(前年比)
【中国】
製造業PMI(購買担当者景気指数)(8月)10:00
結果 51.0
予想 51.2 前回 51.1(製造業PMI(購買担当者指数))
【スイス】
小売売上高(7月)15:30
結果 4.1%
予想 N/A 前回 3.3%(1.1%から修正)(前年比)
【トルコ】
GDP(第2四半期) 16:00
結果 -9.9%
予想 -10.7% 前回 4.5%(前年比)
【インド】
実質GDP(2020年第2四半期)21:00
結果 -23.9%
予想 -18.0% 前回 3.1%(前年比)
【ユーロ圏】
消費者物価指数(速報)(8月)21:00
結果 -0.1%
予想 0.0% 前回 -0.5%(前月比)
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 -0.1%(前年比)
調和消費者物価指数(速報)(8月)21:00
結果 -0.2%
予想 0.0% 前回 -0.5%(前月比)
結果 -0.1%
予想 0.1% 前回 0.0%(前年比)
【南アフリカ】
貿易収支(7月)21:00
結果 374.0億ランド
予想 125.0億ランド 前回 457.3億ランド(466.0億ランドから修正)(貿易収支)
【カナダ】
鉱工業製品価格(7月)21:30
結果 0.7%
予想 N/A 前回 0.2%(0.4%から修正)(鉱工業製品価格・前月比)
結果 3.0%
予想 N/A 前回 7.5%(原材料価格指数・前月比)
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《8/31 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*シュナーベルECB理事
金融政策のスタンスを調整する理由は見当たらない。
為替レートについてはそれほど心配していない。
政策金利の階層化についてはまだ議論していない。
ECBは物価安定の定義を調整することにオープン。
*クラリダFRB副議長
イールドカーブコントロール(YCC)は可能性としてはある。
利回りの上限設定はFRBの手段の一部。
環境に変化があれば検討。
ただ、複雑になる可能性。
マイナス金利に魅力はない。
12月までのコミュニケーション変更を模索。
財政政策は重要な役割を果たす。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
経済に対する財政支援が弱まるのを懸念。
現在の主な焦点は経済安定。
公衆衛生の危機が長引く中で企業は再考している。
FRBはインフレが2%目標に戻るよう行動する
安定的である限り、2%超のインフレ受け入れ可能。
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
実質GDP・確報値(第2四半期)8:00
予想 -3.3% 前回 -3.3%(前期比)
予想 -2.9% 前回 -2.9%(前年比)
【日本】
失業率(7月)8:30
予想 3.0% 前回 2.8%
有効求人倍率(7月)8:30
予想 1.08 前回 1.11
【豪州】
経常収支(第2四半期)10:30
予想 130.0億豪ドル 前回 84.0億豪ドル
豪中銀政策金利 13:30
予想 0.25% 現行 0.25%
【スイス】
SVME購買担当者景況指数(8月)16:30
予想 51.6 前回 49.2
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI・確報値(8月)16:55
予想 53.0 前回 53.0
ドイツ失業率(8月)16:55
予想 6.4% 前回 6.4%
ドイツ失業者数(8月)16:55
予想 -0.25万人 前回 -1.8万人
ユーロ圏製造業PMI・確報値(8月)17:00
予想 51.7 前回 51.7
ユーロ圏失業率(7月)18:00
予想 8.0% 前回 7.8%
ユーロ圏消費者物価指数・速報値 (8月)18:00
予想 -0.1% 前回 -0.4%(前月比)
予想 0.2% 前回 0.4%(前年比)
予想 0.9% 前回 1.2%(コア・前年比)
【英国】
CIPS製造業PMI・確報値(8月)17:30
予想 55.3 前回 55.3
【香港】
小売売上高指数(7月)17:30
予想 -24.1% 前回 -25.4%(数量ベース・前年比)
予想 -24.7% 前回 -24.8%(価額ベース・前年比)
【ブラジル】
GDP(第2四半期)21:00
予想 -9.5% 前回 -1.5%(前期比)
予想 -11.1% 前回 -0.3%(前年比)
【米国】
建設支出(7月)23:00
予想 1.0% 前回 -0.7%(前月比)
ISM製造業景気指数(8月)23:00
予想 54.5 前回 54.2
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員