ジャクソンホール会議にらみドル売り
ジャクソンホール会議にらみドル売り
米耐久財受注は強め、一時ドル買いも
【東京市場】高値圏もみ合い
ドル円は106円台でのもみ合い。前日のNY市場で円売り主導でドル円は106円58銭まで上昇。その後少し調整が入って迎えた東京市場。東京勢が本格参加する午前9時すぐに円安の動きが強まり、106円56銭を付ける動きを見せたが、NY高値に届かず調整が入り、その後は106円34銭まで。
朝の円安進行でNY市場の高値を超えて126円14銭を付けたユーロ円は125円58銭まで大きく売りが出る流れ。ユーロは対ドルでも売られ朝の1.1839近辺から1.1807を付ける動きとなった。米10年債利回りが朝の0.6850%前後から0.7150%近くまで上昇し、ユーロドルでのユーロ売りドル買いを誘った面も。
【ロンドン市場】調整売り
調整売りの動きが広がり、ドル円は106円台前半での推移に。
じりじりと106円10銭台まで値を落とす格好となった。
前日NY市場からの動きにいったん調整が入った格好。
【NY市場】米耐久財受注強めも、その後ドル売り
米耐久財受注が強めに出たことでいったんはドルの買い戻しに。
ドル円は106円10銭台から106円台半ば手前まで上昇した。
しかしその後はドル売りの動きが優勢に。
パウエルFRB議長講演で金融政策の枠組み変更の示唆があるのではとの期待感がドル売りにつながっている面も。
ドル円は105円台後半まで値を落としている。
米耐久財受注でいったん下落(ユーロ売りドル買い)したユーロドルも1.1830台を回復。
【本日の見通し】ジャクソンホールにらむ
本日・明日と行われるジャクソンホール会議(オンライン開催)。日本時間22時10分から行われるパウエル議長の基調講演を前にドル売りの動きが広がっている。米FRBは金融政策の枠組み変更を本格化しており、9月のFOMCで発表がある見込み。その前哨戦として講演の中で何らかの示唆が行われるとの期待感が広がっている。枠組み変更は、インフレ目標について、ターゲットの2%を一時的に上回る状況を許容するなどの姿勢が示されるとみられ、超緩和的政策の長期維持に向かうことでドル売り材料として期待されている。
講演前に105円割れを試すような大きな動きは難しいと思われるが、少し頭の重い展開が続きそう。
【本日の戦略】戻り売り
頭の重い展開が続きそう。
ドル円は106円ちょうど前後が重くなる可能性も。
もっともパウエル講演内容次第では一気に上昇もありうる。
やや期待感先行で昨日海外市場にドル売りが進んだ感もあり、
上下ともにリスクを警戒。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《8/26 水曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.39 1.1835 125.90
高値 106.56 1.1839 126.14
安値 105.96 1.1772 125.26
終値 105.99 1.1830 125.38
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《8/26 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23290.86 -5.91
DOW 28331.92 +83.48
S&P 3478.73 +35.11
Nasdaq 11665.06 +198.59
FTSE 6045.60 +8.59
DAX 13190.15 +128.53
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《8/26 水曜日の商品市場》
NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=43.39(+0.04 +0.09%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1952.50(+29.40 +1.53%)
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《8/26 水曜日に発表された主な経済指標》
【NZ】
貿易収支(7月)07:45
結果 2.82億NZドル
予想 2.93億NZドル 前回 4.75億NZドル(4.26億NZドルから修正)
【シンガポール】
鉱工業生産指数(7月)14:00
結果 1.6%
予想 3.7% 前回 0.6%(0.2%から修正)(前月比)
結果 -8.4%
予想 -7.0% 前回 -6.5%(-6.7%から修正)(前年比)
【南アフリカ】
消費者物価指数(7月) 17:00
結果 1.3%
予想 1.2% 前回 0.5%(前月比)
結果 3.2%
予想 3.0% 前回 2.2%(前年比)
【香港】
貿易収支(7月)17:30
結果 -298.0億香港ドル
予想 -208.0億香港ドル 前回 -333.0億香港ドル
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(08/15 – 08/21)20:00
結果 -6.5%
予想 N/A 前回 -3.3%(前週比)
耐久財受注(速報値)(7月)21:30
結果 11.2%
予想 4.7% 前回 7.7%(7.6%から修正)(前月比)
結果 2.4%
予想 2.0% 前回 4.0%(3.6%から修正)(コア・前月比)
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 -468.9万(5億0776万)
ガソリン -458.3万(2億3918万)
留出油 +138.8万(1億7920万)
(クッシング地区)
原油 -27.9万(5240万)
*()は在庫総量
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《8/26 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ】
*ドイツ財務相
2021年末もしくは2022年初頭にはコロナ危機前の経済に戻るとの経済予測を信じる。
数週間前よりは経済がより良き形になっている。
*カステクス仏首相
仏政府は9月3日に経済支援計画を公表する。
*シュナーベルECB理事
マイナス金利政策は成功している。
マイナス金利は銀行の収益性やリスクテイク行動などに副作用となる可能性。
ここ数年間ではポジティブな効果が支配的であること示された。
副作用はマイナス金利がより長期化したときに顕在化する可能性。
パンデミックは政府に対してイノベーション、成長を促す効果。
リバーサル・レートの正確な水準について慎重に判断すべき。
【米国】
*ジョージ・カンザスシティー連銀総裁
インフレ率、2%を上限と考えたこと決してない。
何がインフレ期待を安定的につなぎ留めるかだけに集中的に取り組んでいる。
コミュニケーションの観点から、当局の目標達成に向けもっと成果を上げるのに役立つ話をするだろう。
(27、28日に同連銀主催の年次シンポジウム、ジャクソンホール会合を前に)
*バーキン・リッチモンド連銀総裁
きょうの耐久財受注の結果は良好。
大手テクノロジー企業は好調で株価に反映している。
バリュエーションは明らかにリスクがある。
ウイルス感染が過ぎ去らない限り、十分な回復はない。
ウイルス感染にもかかわらず、住宅建設はブームに。
*バウマンFRB理事
経済は回復が見られるものの、正常には程遠い。
回復の道筋やタイミングは依然不透明。
*米5年債入札結果
最高落札利回り 0.298%(WI:0.307%)
応札倍率 2.71倍(前回:2.32倍)
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
韓国中銀政策金利 時刻未定
予想 0.5% 現行 0.5%
【日本】
全産業活動指数(6月)13:30
予想 6.3% 前回 -3.5%(前月比)
【スイス】
GDP(第2四半期)14:45
予想 -9.0% 前回 -2.6%(前期比)
予想 -10.4% 前回 -1.3%(前年比)
【南アフリカ】
生産者物価指数(7月)18:30
予想 0.8% 前回 0.5%(前月比)
予想 1.3% 前回 0.5%(前年比)
【米国】
実質GDP・改定値(第2四半期)21:30
予想 -32.5% 前回 -32.9%(前期比年率)
GDPデフレータ・改定値(第2四半期)21:30
予想 -1.8% 前回 -1.8%(前期比年率)
PCEコアデフレータ・改定値(第2四半期)21:30
予想 -1.1% 前回 -1.1%(前期比年率)
個人消費・改定値(第2四半期)21:30
予想 -34.6% 前回 -34.6%(前期比年率)
新規失業保険申請件数(22日までの週)21:30
予想 100.0万件 前回 110.6万件
中古住宅販売制約指数(7月)23:00
予想 2.0% 前回 16.6%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員