新型コロナウイルス感染第2波への警戒感広がる
新型コロナウイルス感染第2波への警戒感広がる
ドル円106円台後半中心の推移。107円台での買いに慎重姿勢
【東京市場】値動き限定的
ドル円は107円台が重く頭の重い展開に。前日の海外市場で106円60銭台まで売りが出た後、107円台を回復。
107円ちょうど前後の推移が続く中で東京朝に。朝方は107円台を付ける場面も見られたドル円は、
その後やや頭が重くなり106円台後半中心の推移。
もっともNY市場の安値を試す動きは見られず、値幅は限定的。米国での新型コロナ第二波への警戒から頭は重いものの、
週末を前に積極的なドル売りにも慎重姿勢。
ユーロドルは1.1210台での推移。NY市場で円高ドル高ユーロ安の動きもあって、1.1180台まで売りが出たが、
1.11台での売りには慎重で少し値を戻してもみあいに。安値を付けてからは1.1210台からの買いに慎重となっている。
【ロンドン市場】もみ合い続く
海外市場に入っても落ち着いた動きが続いた。
ドル円は106円台後半から107円にかけての推移。
ユーロドルは1.12台前半でのもみ合いを中心に1.12割れも。
英公共部門ネット負債の結果
英政府債務残高が対GDP比100%を超えたことなどを受けてポンドが難著。
ポンドドルは1.24台半ばから1.2370前後まで。
【NY市場】上値重い
ロンドンフィックスにかけての買いで一時107円台回復も上値は重く
その後は106円台後半推移。
その他はドル高の流れ。
フロリダなどでの感染拡大懸念で
円高ドル高その他安の流れが広がってきている。
ユーロドルは1.12をしっかり割り込み1.1170割れまでと値を落とす展開に。
EU首脳会談後に声明などが示されず失望感が出た面も。
【本日の見通し】感染拡大第二波警戒
米国での新型コロナウイルスの感染拡大第2波警戒が広がっている。
週末、米国での1日当たり感染者数が34284人とかなり大きな数字に。
リスク警戒での円高ドル高その他安の流れに。
カリフォルニア州、フロリダ州などで一日当たりの感染者数がこれまでで最高となっている。
ブラジルでの新型コロナウイルスの感染者数が米国に続いて100万人の大台超えとなったことなども
リスク警戒につながる展開に。
こうした流れは円買いドル円を除くドル買いその他通貨売りに。
米国での感染第2波が背景にあるだけに、ドル高がどこまで進むのかが微妙だが、
新興国からの資金逃避が続くとドル買いに。
【本日の戦略】戻り売り
基本は戻り売りの流れ。
無理をせずも、リスクはかなり下方向か。
デイトレは売りからの回転。
スウィングは少し待ってみたい印象も、売りからか。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《6/19 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.97 1.1205 119.87
高値 107.06 1.1254 120.21
安値 106.77 1.1168 119.38
終値 106.87 1.1178 119.46
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《6/19 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 22478.79 +123.33
DOW 25871.46 -208.64
S&P 3097.74 -17.60
Nasdaq 9946.12 +3.07
FTSE 6292.60 +68.53
DAX 12330.76 +49.23
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《6/19 金曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=39.75(+0.91 +2.34%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1753.00(+21.90 +1.27%)
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《6/19 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
消費者物価指数(5月)08:30
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.1%(前年比)
結果 -0.2%
予想 -0.1% 前回 -0.2%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【豪州】
小売売上高・速報値(5月)11:45
結果 16.3%
予想 N/A 前回 -17.7%(前月比)
【英国】
小売売上高(5月)15:00
結果 12.0%
予想 6.3% 前回 -18.0%(-18.1%から修正)(前月比)
結果 -13.1%
予想 -16.4% 前回 -22.7%(-22.6%から修正)(前年比)
公共部門ネット負債(5月)15:00
結果 545億ポンド
予想 493億ポンド 前回 478億ポンド(614億ポンドから修正)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(5月)15:00
結果 -0.4%
予想 -0.3% 前回 -0.7%(前月比)
結果 -2.2%
予想 -2.0% 前回 -1.9%(前年比)
ユーロ圏経常収支(4月)17:00
結果 144億ユーロ
予想 N/A 前回 274億ユーロ(季調済)
【カナダ】
小売売上高(4月)21:30
結果 -26.4%
予想 -15.1% 前回 -9.9%(-10.0%から修正)(前月比)
結果 -22.0%
予想 -12.0% 前回 -0.2%(-0.4%から修正)(コア・前月比)
【米国】
経常収支(2020年第1四半期)21:30
結果 -1,042億ドル
予想 -1,029億ドル 前回 -1,043億ドル(-1,098億ドルから修正)
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《6/18 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*麻生財務相
なんとなく元気になってくるのを期待する
景気悪化に歯止めが出つつある。4月より5月の方が良くなっている気がする
*月例経済報告(6月)
2018年1月以来、2年5カ月ぶりに全体判断を上方修正。
景気は新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状況にあるが下げ止まりつつある。
緊急事態宣言の全面解除に伴う個人消費の持ち直しなどを反映。
*日銀議事録(4月27日開催分)
中小企業等の資金繰りをさらに支援するため新たな資金供給手段の検討を早急に行い、決定会合で報告するように指示した。
必要な金融調節事項の検討を行うため、臨時金融政策決定会合を開催することとした。
新たな資金供給手段を導入するとともに、
資金繰り支援のための各種措置の実施期限を半年間延長することが適当であるとの見解で一致した。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け政府の緊急事態宣言が発出されている状況を踏まえ、会合の時間を短縮
海外経済は新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行の影響により、急速に落ち込んでいる。
先行きについては、感染症の拡大が収束に向かうまで、経済活動の抑制が続くと予想され、その間、落ち込んだ状態が続くと考えられる。
その後はペントアップ需要や挽回生産、各国・地域の積極的なマクロ経済政策の効果から、成長ペースは高まっていくと考えられる。
もっとも先行きについては、感染症の拡大が収束する時期や経済に与える影響の大きさによって変わり得るため、不透明感がきわめて強い。
日本の景気、内外における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、厳しさを増している。先行きについては、
当面、内外における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から、厳しい状態が続くとみられる。
金融環境は、全体として緩和した状態にあるが、企業の資金繰りが悪化するなど企業金融面で緩和度合いが低下している。
ETF等の銘柄別買入れ方法の見直しについて.引き続き、円滑な買入れを行う観点から、
従来の、銘柄毎の買入れ割合を、各銘柄の時価総額に概ね比例する方法から、
時価総額から本行保有残高を減じた銘柄毎の市中流通高に概ね比例する方法へと変更。
【米国】
*トランプ米大統領
米国は中国との完全なデカップリングという選択肢を維持している。
*パウエルFRB議長
米国は景気回復するだろうが、時間と労力を要する。
パンデミックは問題と長期的な不平等をさらす。
*ローゼングレン・ボストン連銀総裁
米経済の時期尚早な活動再開は著しいリスク伴う。
金融及び財政政策の追加支援が必要だった。
低インフレ、脆弱な労働市場が追加刺激策を必要だった。
2桁の失業率は年末まで続く。
メインストリート融資は途方もない国益を見込む。
200以上の金融機関がメインストリート融資に登録をした。
見通しには感染第2波の影響を十分織り込んでいない。
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
感染第2波が起これば、失業率は拡大。
回復を拡大するため銀行は配当を停止すべき。
*フロリダ州の感染者は4.4%増加
【中国】
*中国関税当局
輸入された海産物などサンプル3万2174点全ての検査を行ったところ、全てで新型コロナが検出されなかった。
*中国、米農産物購入を強化する方針、協議後
(ブルームバーグ)
*中国外務省報道官 米農産品の購入に関する情報はない
【ユーロ圏】
*ラガルドECB総裁
コロナ支援基金で合意無ければ市場にリスクもたらす、EU主導者らに警告
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《本日予定されている主な経済指標》
【香港】
消費者物価指数(5月)17:30
予想 1.6% 前回 1.9%(前年比)
国際収支(第1四半期)17:30
予想 N/A 前回 417.0億香港ドル(427.9億香港ドルから修正)(経常収支)
予想 N/A 前回 -102.8億香港ドル(総額)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者信頼感・速報値(6月)23:00
予想 -14.5 前回 -18.8
【米国】
中古住宅販売件数(5月)23:00
予想 413万件 前回 433万件
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員