今週のまとめ1月13日から1月17日の週

為替 

 13日からの週は、ドル円が110円台を回復した。米中貿易協議第一弾の調印式が15日に無事行われた。両国の政治パフォーマンスの面は否めないものの、事態の悪化がようやく落ち着く方向に進んだことで、市場は素直に歓迎した。NY株式市場ではダウ平均など主要株価指数が最高値を更新した。日経平均は2万4千円台に乗せて週の取引を終えた。中東リスクの時に高騰した原油相場も上値重く推移。米経済指標が比較的強かったことや、米金融機関の決算が良好だったことも好ムードにつながった。中国の経済統計は予想通りの結果で波乱無く通過した。ドル円とともに、クロス円も堅調に推移している。ドル相場からはリスク警戒のドル高の動きは後退した。来週は日銀とECBが金融政策を発表する。ダボス会議が開催される。中国は週末から春節の休暇に入る。


(13日)
 東京市場は成人の日の祝日で休場。

 ロンドン市場は、ドル買いの動きが優勢。ドル円とポンドドルがけん引している。ドル円にとっては米中通商協議のフェーズ1合意署名への期待が中国株や欧州株などを押し上げていることが下支え。加えて、直近高値を上抜けたことでショートカバーの動きも加わった。109.90台へと買われ、昨年5月末以来の高値水準となり、110円の大台に接近している。一方で、ポンドドルは1.30台前半から1.29台後半へと下落している。次回の英中銀会合での利下げ観測が高まっていることが背景。先週末にはブリハ英中銀政策委員が、利下げの可能性を示唆した。さらに、この日発表された11月の英鉱工業生産、製造業生産高、月次GDPなどがいずれも弱い結果だったこともポンド売りを誘った。ポンド円は一時142.50割れまで下押しされたが、ドル円の上昇もあって下げは一服している。ユーロドルは1.11台前半で小安く、ユーロ円は122円台乗せと堅調。ユーロ関連の材料は特段でていない。

 NY市場で、ドル円は堅調。大きな心理的節目である110円台をうかがう展開を見せている。イラク情勢への懸念がひとまず緩和しており、リスク選好のムードも見られる中、米国債利回りの上昇がドル円をサポートしているもよう。今週は中国の劉鶴副首相が訪米し、第1段階の米中合意への署名が予定されている。ユーロドルは買いが優勢となり、一時1.1145付近まで上昇、200日線に顔合わせした。先週末の米雇用統計が弱かったことが上昇のきっかけだった。一部には米独国際利回り格差に着目する声もあった。一方、ポンドドルは1.29台へと下落。先週のカーニー英中銀総裁の発言が予想外にハト派だったことがポンド売りのきっかけだった。今日発表された11月月次GDPが予想外のマイナスとなったことで、景気見通しに不透明感が広がった1月英金融政策委員会で、利下げ票が増加するとの観測も。

(14日)
 東京市場で、ドル円は110円台に乗せた。朝方に110円台に乗せると一時110.21レベルまで買われた。昨年5月以来の高値水準。あすに米中通商合意フェーズ1の調印式を控えるなかで、米国が中国を為替操作国認定から除外し、日本などと同じ為替監視国リストの一国としたことなども米中貿易摩擦問題の後退につながるとみられた。クロス円も朝方に円安が進行。122.50近辺で頭を抑えられていたユーロ円は122.76レベルまで上値を伸ばした。その後少し調整も、ドル円同様に押し目は限定的。

 ロンドン市場は、ドル円の上昇が一服。欧州株や米株先物・時間外取引が軟調に推移したことをきっかけに110円台を割り込み、109.89レベルに本日安値を広げた。その後は、欧州株などの下げ渋りでドル円の下押しも落ち着いた。ポンドは売りが先行した。先週後半にカーニー英中銀総裁が予想外のハト派姿勢を示したことをきっかけに、その後の複数の英中銀委員の利下げ示唆発言もあってポンドには売り圧力が掛かっている。ポンドドルは取引序盤に1.2955レベル、ポンド円は142.45レベルまで下値を広げた。その後は買い戻しが入り下押しは一服。ジョンソン英首相は、スコットランド独立を求める住民投票を拒否する書簡をスタージョン首相に送付した。ユーロドルは1.1130-40レベルでの揉み合い。ユーロ円は122.70近辺から122.40近辺へと小安い。格付け会社ムーディーズは、今年のユーロ圏ソブリン格付け見通しを安定的からネガティブに変更した。

 NY市場は、ドル円が後半にやや戻り売りに押された。ブルームバーグが関係者の話として、「対中関税は大統領選挙後まで継続」と伝えたことに反応したもよう。ドル円は110円台を割り込むと109.80台へと軟化した。ユーロドルは朝方の12月米消費者物価指数の伸びが予想を下回ったことをきっかけに、1.11台前半で下げ渋った。200日線1.1140レベルが市場の話題になっていた。ポンドドルは1.30台を回復。英中銀の利下げ観測が根強いものの、この時間帯はドル売り圧力が下支えとなっていた。
 
(15日)
 東京市場は、小動き。今晩の米中協議第一弾合意の調印式を控え、市場に様子見ムードが広がっている。ドル円は109.90前後での値動き。朝方に110円台を回復する場面があったが、上値は重かった。ファーウェイへの規制強化の情報を通信社が報じたことで、109.82レベルまで値を落としたが、下値もそこまで。あくまでも関係者筋情報で正式な発表がないこともあり、影響は限定的なものにとどまった。午後は膠着状態になっている。

 ロンドン市場は、方向感に欠ける取引。ドル円は110円を下回る水準で小安く推移。ポンドやユーロは売り先行も取引中盤には反発している。ユーロドルは取引中盤に1.11台前半から1.1155レベルまで買われた。ポンドドルは序盤に1.30台割れへと下落したが、1.30台前半へと戻している。ポンドにとっては引き続き次回英中銀会合での利下げ観測が根強い。きょうは前回会合で利下げを主張したサンダース委員が再び利下げの必要性を示唆した。12月の英消費者物価指数の伸びが+1.4%と、3年ぶりの低水準となった。ただ、きょうはポンド売りは持続していない。ポンド円は143円を挟んで下に往って来い。2019年のドイツ年間成長率は0.6%と、前年の1.5%から落ち込んだ。過去6年間で最低の伸びとなった。独経済省は製造業の底入れが近い、第4四半期成長はわずかに改善した兆候がある、などとしていた。

 NY市場で、ドル円は109円台後半で振幅。午後になって米中が合意に署名、詳細も伝わった。中国が2年間で2000億ドルの米製品の輸入を増やすとしたほか、知的財産保護強化や為替の透明性、金融サービスの開放なども盛り込まれた。米製品の輸入については事前に伝わっていた内容の通り。また、知的財産保護などについては、コミットメントと言うよりも野心的目標に近いとの指摘も出ていた。米国は対中関税の一部を2月中旬から引き下げるとしたが、既存の関税は残り、関税撤廃は第2段階以降の交渉次第となった。全体的には目新しい内容もなく、為替市場は限定的な反応に留まった。全体的にはドル売り優勢の展開で、ユーロドルは1.1160近辺まで上昇。ポンドドルは1.29台から1.30台へと買い戻された。ドル円も戻り売りが出たが、株式市場が底堅さを堅持しており、円安がドル円をサポートしている。

(16日)
 東京市場は、小動き。ドル円は109.90前後でレンジは13銭と狭い。朝方に110円台乗せを試したが、乗せ切れず。ペンス副大統領が米中の第二弾協議は第一弾署名の数時間後に始まっていると発言したことなどが買いにつながったが続かず。午後に入ると動きがさらに膠着した。ユーロドルは1.1150付近で9ポイントレンジにとどまるなど、主要通貨は軒並みの様子見ムードだった。このあとに政策金利発表を控えるトルコリラと南アランドも小動き。

 ロンドン市場は、円売りが先行したが値幅は限定的。米中貿易合意第一弾の調印式を昨日終えて、目先の材料は一服となっている。欧州株はやや売りに押されるも、米株先物は時間外取引でダウやS&P500が高値を更新と、まちまち。ドル円は110円を挟む狭いレンジ取引。クロス円は円安方向に動いているが、値幅は限定的。ユーロ円は122円台後半、ポンド円は143円台後半での取引。豪ドルは76円台に乗せと底堅い。トルコリラが堅調。トルコ中銀は政策金利を12.00%から11.25%へと引き下げたが、事前予想では11.00%への引き下げが有力だったことで買戻しが入ったようだ。

 NY市場で、ドル円は110円台を回復した。この日発表の米経済指標が予想を上回る堅調な内容となったことや、米株が再び最高値を更新しており、ダウ平均の上げ幅が260ドルを超える中、ドル円は110円台に戻している。前日の米中合意の署名以降、109円台後半での狭い範囲での振幅が続いていたが、下値も堅かったことから買いが膨らんだ格好。一方、買い疲れもあるようで、上値追いの勢いは限定的。ユーロドルは戻り売りに押されて、1.11台前半へと軟化した。ECB議事要旨では、メンバーの一部が「現在の金融政策措置の副作用の可能性に注意が必要だ」と強調していた。また、現在の金融政策がユーロ圏経済に効果を及ぼす時間を与える必要があるとの認識も示していた。当面、ECBは政策を据え置く姿勢を示唆する内容といえそうだ。一方、ポンドには買戻しが入り、対ドルで1.3080近辺まで上昇。ポンド円は米株が最高値を更新するなかで144円台に乗せた。

(17日)
 東京市場で、ドル円は一段高となった。昨日の海外市場では米経済指標の強い結果がドル円を110円台に押し上げた。東京市場では、直近高値の110.21レベルを上抜けると、一時110.29レベルまで高値を広げた。その後は上昇一服も110.20前後での揉み合いに高止まりした。イラン・ロウハニ大統領がウランの濃縮精度が高まっていると発言するなど、懸念材料も一部で見られたが、昨日の海外市場の流れを受けて東京株式市場が堅調な動きを見せたことなどを好感してリスク選好の円安が続き、下値しっかり感が継続している。注目された中国の第4四半期GDPは予想通りの前年比+6.0%だった。昨年の成長鈍化傾向が底打ちされたとの見方もあり、人民元がやや買われた。

 ロンドン市場では、ポンドが激しく上下動した。12月英小売売上高の発表を控えて買われたあと、前月比が予想外のマイナスの弱い結果を受けて反落、安値を広げている。ポンドドルは発表前に1.31台乗せ、ポンド円は144.50近辺まで買われたが、発表後は1.3050割れ、143.60近辺まで下落している。短期金融市場での次回英中銀会合での利下げについて約75%の織り込みが進んでいる。前日は60%程度だった。ドル円は110円台前半で上昇一服。ユーロ円は122円台後半から前半へ、ユーロドルは1.1140近辺から1.1110台へと小安い。欧州株は前日の米株高を受けて買われているが、リスク選好の円安にはなっていない。ポンド相場をにらむ展開になっている。12月ユーロ圏消費者物価指数・確報値は前年比+1.3%と速報値から変わらず。

 NY市場はドル買いが優勢となる中、ドル円は110円台前半での底堅い推移が続いている。きのうの米小売売上高に続き、きょうの住宅着工件数も13年ぶりの高水準となった。市場の反応は鈍かったが、米経済の好調さを示している。FRBの利上げまではさすがに期待感は無いが、利下げ期待は後退させているようで、据え置きの見方を更に強化しているようだ。米国債利回りも上昇し、米株も小幅ではあるが最高値更新が続いており、ドル円にとっては追い風が吹いている状況だが、その割には上値追いの勢いは鈍かったように思われる。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

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