英・EU合意間近=外為どっとコム総研 神田卓也
英・EU合意間近
昨日のドル/円は8月1日以来の高値を更新。欧州市場では108.10円台に小緩む場面もあったが、NY市場に入ると英国と欧州連合(EU)が離脱交渉で合意に近付いているとの報道を受けて株高・債券安(長期金利上昇)が進む中、108.90円付近まで上値を伸ばした。報道によると、英国とEUは16日午前(現地)に離脱協定草案をEU27カ国の代表団に提示する事を目指して現在も協議を続けている模様。本日のアジアタイムに合意報道が伝わる可能性もありそうで、そうなればドル/円も109円台の回復が期待できよう。ただ、離脱協定案の詳細は明かされておらず、たとえ英国とEUが合意しても、その協定案を英議会が承認しない可能性は残る。英国とEUの合意だけではドル/円が8月高値(109.32円前後)を突破するのは難しいかもしれない。その意味からも、本日の米9月小売売上高の結果は重要だろう。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。