【来週の注目材料】豪華メンバーによるディスカッションに注目~ECBフォーラム
今週は米FOMC、ECB理事会、日銀金融政策決定会合など、各国の金融政策発表が相次ぎました。
米国の年内利上げ見通しが引き上げられたり、ECBの年末時点でのQE終了見込み発表など、大きな動きのあったこれらのイベント。
市場の注目が金融政策に集まるところで、来週、これらの中銀代表らが集まる豪華なフォーラムが予定されています。
ポルトガルのシントラで18日から20日にかけて行われるECB主催のフォーラムです。
毎年同地で行われているこのフォーラムには、
世界各国の中銀総裁や金融当局者、著名な学者らが参加します。
今年特に注目されているのが現地時間20日14時半(日本時間同22時半)からに行われるパネルディスカッションです。
ドラギECB総裁、パウエルFRB議長、黒田日銀総裁、ロウ豪中銀総裁が参加する同フォーラム。
そもそも金融政策が主題のフォーラムだけに
現状の各国の金融政策と今後の動向について、いろいろな話が出てくると期待されます。
現状でも米国の積極的な姿勢とその背景にある力強い経済成長が印象的ですが、中銀総裁が揃ったこのフォーラムでのパネルディスカッションでその印象がさらに強まる可能性は十分にありそう。(例えば今年後半の経済状況についての共通の質問を受けたとすると、パウエル議長の発言だけ強気になる可能性が十分にあります)。
FOMC後のドル買いは、米中の通商問題でいったん水を差された感がありますが、今回のイベントを受けて再び活発化する可能性もありそう。米国は今週発表された米消費者物価指数が予想通りとはいえかなりの強さ。雇用などは依然として堅調と、通商問題などトランプ政権がらみでの不確定要素があるとはいえ、現状の経済的には文句のない状況だけに、どこまで前向きな姿勢が示されるかが期待されます。
その他の3名については、対照的に慎重姿勢が見込まれるところ。
まず年内での量的緩和終了を発表したドラギ総裁ですが、元々が慎重派。イタリアの新政権の状況もあり、先行きについては緩和姿勢を維持してくると思われます。
豪中銀も当面の金利据え置きを表明しているだけに、ロウ総裁も緩和姿勢維持を強調してくると予想されます。
黒田日銀総裁はいつも通りの緩和姿勢維持見込み。
現状の経済状況的に米国の好調さが頭一つ抜けているだけに、揃ってのパネルディスカッションでは違いが鮮明になると期待されます。
なお、最後に同フォーラムのその他の主要予定を列記します。
18日はオープニングレセプションでドラギ総裁の挨拶。低インフレ・低金利の下での金融政策というサマーズ元米財務長官の講演。
19日にはドラギ総裁の講演、プラートECB専務理事のセッション。ブラート・セントルイス連銀総裁やレーン・アイルランド中銀総裁が出席するパネルディスカッション。
20日には上記パネルディスカッション以外にも、クーレECB専務理事が議長を務め、ヴァレッティ欧州委員会チーフエコノミストらが出席するパネルディスカッションなど、相場に影響しそうな様々なプログラムが用意されています。