英新首相、財政ルール内で認められる「柔軟性」を活用する方針 公的金融機関の活用
英国のバーナム新首相は就任直後の会見で、次期予算の財源確保に向けて現行の財政ルール内で認められる「柔軟性」を活用する方針を表明した。
インフラ投資拡大に伴う追加借り入れの可能性を示唆しつつも、「無謀な政策は取らない」と強調し、投資家に安心感を与えようと努めた。
背景には、公的金融機関を活用した投資枠の拡大構想がある。中道左派系シンクタンクのレゾリューション・ファウンデーションは同日、ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)へ160億ポンドを追加拠出し、400億ポンドを超える民間投資を呼び込むよう提言した。
こうした公的金融機関による借り入れは政府の自主的な財政ルールの対象外となるため、政府の投資余地を広げる手段として浮上している。ただし、借り入れ増加に伴う利払い負担は実質的な財政上の制約となるため、金融市場の容認度が懸念される。
また、バーナム氏は税制改革に関し、現在1万2750ポンドで5年間据え置かれている所得税の基礎控除額について引き上げを検討していることを明かした。据え置きによって年金受給者ら多くの人々が課税対象となっている現状を課題として挙げたものの、多額の財政負担を伴うため慎重に検討する意向だ。一方、かつて提案していた所得税最高税率の引き上げについては現時点での検討を否定した。
さらに首相は、巨額の財政負担が見込まれる社会保障・介護制度の改革について、「自らの政治的資本を投入する覚悟がある」と述べ、自身の任期中に必ず実現させるとコミットした。財政規律の維持と成長投資、さらに歳出圧力を伴う改革の推進という難しいバランスの舵取りが新政権に求められている。
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。