ダウ平均、大幅に3日続伸 ナスダックは反落 エヌビディアが下落=米国株概況
NY株式11日(NY時間16:21)(日本時間06:21)
ダウ平均 47927.96(+559.33 +1.18%)
S&P500 6846.61(+14.18 +0.21%)
ナスダック 23468.30(-58.87 -0.25%)
CME日経平均先物 51220(大証終比:+60 +0.12%)
きょうのNY株式市場、ダウ平均は大幅に3日続伸。一方、前日に上げを主導したIT・ハイテク株は売りが優勢となり、ナスダックは反落。本日はローテーションの展開も見られ、これまで上値が重かったヘルスケアやエネルギー、生活必需品が上昇していた。
東京時間に米上院がつなぎ法案を本会議で可決し、米政府機関閉鎖が終結に向かっているとの楽観論が広がっていた。今後は下院での修正案の再可決とトランプ大統領の署名を待つ。米株式市場も時間外でポジティブな反応を見せていたが、次第にIT・ハイテク株の上値が重くなった。
日本のソフトバンクGがエヌビディア<NVDA>株を全株売却したとの報道がIT・ハイテク株の売りを誘っているとの指摘が出ている。孫正義氏率いるソフトバンクGは、かつてエヌビディア株を大量保有。2019年に大量売却したが、その後、再び購入し、最近は買い増しもしていた。ソフトバンクGがAI分野で独自の地位を築こうとする動きの一環ともされている。本日のエヌビディア株は下落。
AI関連銘柄のバリュエーションへの疑問は市場に根強くあるようだ。アナリストからは、市場は現在、ある種の調整局面に入っているとの見解も出ているが、市場は、今年の顕著な株価上昇が再び勢いを取り戻せるかを見極めている中、多くのリスクと不確実性に直面している。
一方、米政府機関の再開は米経済への逆風を和らげ、金融政策判断の基礎となる経済指標も発表再開への期待が高まっている。それについて米大手証券からは、9月分の米雇用統計は閉鎖終了から約3営業日後に発表される可能性があるが、その他は1-2週間後になるのではとの見方も出ていた。しかし、10月分のデータについては、収集作業が中断されていたため、発表までに時間がかかり、12月FOMCまでに間に合わない可能性もあると述べている。
さらに、米中間の通商不安も若干再燃。中国がレアアースの輸出承認を迅速化する一方、米軍関連企業を除外したと伝わった。米中貿易休戦の持続性に新たな不透明感も生じているようだ。
一部からは「バリュエーションは極端ではないが、成長ストーリーに不安が出ると急に割高に見える。AIを引き続き強気に見ているが、先行きにはまだ長い道のりがあり、その過程はおそらく変化の大きいものになるだろう」との指摘も出ている。
メディア大手のパラマウント・スカイダンス<PSKY>が決算を受け時間外で上昇。市場はコスト削減策の強化を好感。人員削減目標をさらに拡大し、新たに1600人の人員削減を予定し、30億ドル以上のコスト削減を目指すとしている。
AI向けクラウドサービスを手掛けるコアウィーブ<CRWV>が決算を受け時間外で下落。通期の売上高見通しを下方修正したことが嫌気されている。
ロケット開発のロケット・ラボ<RKLB>が決算を受け上昇。売上高が予想を上回った。ただ、新型大型ロケット「ニュートロン」の初打ち上げを来年に延期すると発表している。
ビッグベア.ai<BBAI>が決算を受け大幅高。売上高が予想を上回ったことを好感。
オンラインで高級ブランド品の再販を手掛けるリアルリアル<REAL>が決算を受け大幅高。通期の売上高とEBITDAの見通しを上方修正。同社は勢いが続いていることを理由に上方修正に踏み切った。
暗号資産プラットフォームのジェミニ・スペース・ステーション<GEMI>が決算を受け大幅安。1株損益の赤字が予想以上に膨らんだ。9月のIPO関連費用や積極的な広告宣伝費などがコスト増につながった。
イスラエルのオンライン証券、イートロ<ETOR>が大幅高。複数のアナリストが投資判断や目標株価を引き上げた。同社の成長余地を評価している。
再生可能エネルギー設備のエナジー・ボールト<NRGV>が決算を受け大幅高。通期の売上高見通しが予想以上の水準に維持されたことを好感している模様。
AMD<AMD>が下落。本日にアナリスト説明会を受けて上下動したものの、結局下落している。2027年にデータセンターの売上で数百億ドル規模を見込んだほか、データセンター市場で80%超の年平均成長率(CAGR)も見込んだ。3-5年間の年売上高成長率(CAGR)は35%を予測している。
(NY時間16:21)(日本時間06:21)
コアウィーブ<CRWV> 88.39(-17.22 -16.31%)
パラマウント<PSKY> 16.74(+1.49 +9.77%)
ブッグベア.ai<BBAI> 6.06(+0.35 +6.13%)
リアルリアル<REAL> 15.48(+4.27 +38.09%)
ジェミニ・スペース<GEMI> 14.07(-2.77 -16.45%)
イートロ<ETOR> 41.24(+3.51 +9.30%)
エナジー・ボールト<NRGV> 4.29(+0.74 +20.85%)
アップル<AAPL> 275.25(+5.82 +2.16%)
マイクロソフト<MSFT> 508.68(+2.68 +0.53%)
アマゾン<AMZN> 249.10(+0.70 +0.28%)
アルファベットC<GOOG> 291.74(+1.15 +0.40%)
アルファベットA<GOOGL> 291.31(+1.21 +0.42%)
テスラ<TSLA> 439.62(-5.61 -1.26%)
エヌビディア<NVDA> 193.16(-5.89 -2.96%)
メタ<META> 627.08(-4.68 -0.74%)
AMD<AMD> 237.52(-6.46 -2.65%)
イーライリリー<LLY> 988.62(+21.98 +2.27%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。





