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【来週の注目材料】今後の米利下げ期待につながる物価動向に注目=米CPI&PPI

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【来週の注目材料】今後の米利下げ期待につながる物価動向に注目=米CPI&PPI

 米トランプ関税をめぐって相場も大きな動きを見せる中、10日に3月の米消費者物価指数(CPI)、11日に3月の米生産者物価指数(PPI)が発表されます。関税による物価への影響が意識される中、物価統計にも注目が集まっています。

 より注目度の高いCPIは前回2月分が前年比+2.8%、コア前年比+3.1%とともに1月の+3.0%、+3.3%から伸びが鈍化。市場予想も下回る伸びにとどまりました。

 前年比の内訳をみると、ガソリン価格が-3.1%と1月の-0.2%から大きく低下した影響でエネルギー全体が-0.2%と6カ月ぶりにプラス圏を回復した1月の+1.0%から落ち込みました。食品は卵の価格高騰が継続し前年比+58.8%となったことを受けて+2.6%と1月の+2.5%から小幅に伸びが強まっています。

 食品とエネルギーを除いたコア部分は財部門が-0.1%と14カ月連続でマイナス圏とはいえ鈍化幅は1月と同じく小幅なものとなりました。動きの激しい新車・中古車も1月からそれほど大きな変化を見せていません。
 サービス部門は+4.1%と1月の+4.3%から伸びが鈍化し、全体の鈍化につながりました。なかでもCPI全体を100としたとき36.2%、コアCPIを100とすると45.4%を占める最大の項目である住居費が+4.2%と1月の+4.4%から鈍化したことが全体を押し下げました。その他、高い伸びが続いている輸送費が+6.0%と水準的には高めながら1月の+8.0%から鈍化したことも全体の押し下げにつながりました。中でも航空運賃が+7.1%から-0.7%に大きく落ち込んだことが目立っています。
 一方、医療サービスは1月の+2.7%から+3.0%へ伸びが加速。こうした内訳の状況がCPIと同系統の指標で、インフレターゲットの対象指標となっているPCE価格指数(2月/3月28日発表)のうちコアPCE前年比が予想及び1月より強い+2.8%と、CPIと違って伸びが強まった理由の一つとなっています(PCE価格指数はCPIに比べ住居費が占める割合がかなり小さく、医療費が占める割合が大きい)。

 PPIは前回2月分が前年比+3.2%、コア前年比+3.4%とこちらも市場予想及び1月分からの鈍化となりました。ただ、内訳のうちPCE価格指数の計算に利用されるポートフォリオ管理費用や入院費などが上昇しており。PCE価格指数の反発に寄与しています。

 今回の予想はCPIが前年比+2.6%、コア前年比+3.0%と共に2月から鈍化見込みです。前月比は+0.1%、コア前月比は+0.3%で、前月比は前回の+0.2%から鈍化も、コア前月比は前回の+0.2%から伸びが強まる見込みです。2月から3月にかけて米国ではガソリン小売価格が低下。米EIA(エネルギー庁エネルギー情報局)調査での全米全種平均は2月の1ガロン当たり3.247ドルから3月は3.223ドルへの小幅低下となっています。また、2024年は2月の3.328ドルから3月は3.542ドルまで上昇しています。前年比として比較対象となる2024年の価格上昇を受けて、EIAベースの前年比は2月の-2.4%から3月は-9.0%までマイナス幅が大きく拡大しました。CPIは都市部のみのデータとなり、対象が少し違いますが、傾向はほぼ同じと見られます。エネルギー価格の下落が全体を押し下げ、さらに低下傾向継続と見られる住居費の伸び鈍化が重石となって全体を抑えるとみられます。さらに高騰を続けてきた米国の卵の価格が3月に入って急落しています。米農務省によると3月3日に1ダースあたり8.168ドルを付けていましたが、直近では3.004ドルまで下げてきています。これまでの高騰による需要の減退、補助金の拡充、鳥インフルの一服などが背景にあります。卵価格下落が前回高く出た食品価格の鈍化につながり、CPI全体にも影響が出るとみられます。

 予想を下回る伸びの鈍化を見せた場合、米利下げ期待につながるとみられます。トランプ関税の影響で米景気の先行き不透明感が広がる中、米金融機関などは今後の利下げ姿勢が強まるとのレポートを出しているところがあり、物価の鈍化がそうした見方を強めドル売りにつながると見込まれます。PPIはCPIほどの影響はありませんが、PCE価格指数に関連するところの結果だけは気を付けておきたいです。

MINKABUPPRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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