【来週の注目材料】雇用の回復が個人消費の回復期待につながる=米小売売上高
【来週の注目材料】雇用の回復が個人消費の回復期待につながる=米小売売上高
来週の米国の材料としては、17日の9月小売売上高が注目されます。
前回8月は前月比-0.2%予想に対して、+0.1%と予想を上回り前月比プラスと好結果になりました。ただ、伸び率は7月の+1.1%から鈍化しています。
前回の小売売上高の内訳をみると、上昇に最も寄与したのが無店舗小売り(アマゾンなど)。8月は9月から始まる米国の学校の新学期に向けて学用品などの需要が伸びる月であるが、こうした用品をアマゾンなどで安く買い求める消費者の姿勢が強まっていると分析されています。
マイナスとなったのはガソリン価格の低下を反映したガソリンスタンドのほか、自動車、家具・家電などとなっています。消費者の節約志向から支出が裁量的な商品から必需品に移っているとの指摘があり、数字ほど強くないとの見方があります。
こうした中、今回の予想は前月比+0.3%、変動の激しい自動車を除くコア部分が前月比+0.2%で、ともに8月を上回る伸びが見込まれています。4日に発表された米雇用統計が力強く、個人消費と密接に結びつく雇用への警戒感が一服したことで、小売売上高も回復が期待されます。
予想通り小売売上高の好結果が見られると、米国の消費が一段と拡大する年末に向けた期待感にもつながり、ドル買いとなる可能性があります。米国はGDPの約70%を個人消費が占める(他の先進国は50%台が多い)という消費大国だけに、予想通りの小売売上高の拡大はかなり明るい材料。ソフトランディングへの期待が広がる形で、ドル円の上昇を誘うほか、リスク選好からクロス円全般にも買い材料になると期待されます。
執筆者 : MINKABU PRESS
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