ダウ平均は小反落 小売り企業の決算が期待外れ 議事録への反応は限定的=米国株概況
NY株式21日(NY時間16:22)
ダウ平均 35088.29(-62.75 -0.18%)
S&P500 4538.19(-9.19 -0.20%)
ナスダック 14199.98(-84.55 -0.59%)
CME日経平均先物 33185(大証終比:-165 -0.50%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は小反落。このところの上げに一服感が出たほか、取引開始前までに発表になった小売り企業の決算が期待外れだったことも戻り売りを誘っていた。ただ、IT・ハイテク株中心に軟調な値動きを見せているが、下押す動きまでは出ていない。
午後にFOMC議事録が公表されていたが、全員が金利について慎重に進めることで合意した一方、金利は当面制限的と判断していたことが明らかとなった。インフレの進展が不十分な場合は、追加引き締めを検討するとも述べている。予想通りに追加利上げの可能性を残すタカ派な内容ではあった。
前回のFOMCは、今月の米雇用統計やインフレ指標発表前の会合でそれらを考慮していない。FOMC後も委員からは追加利上げに含みを残す発言が続いているが、それでも市場は利上げサイクル終了と来年の利下げ開始を織り込んでいる。今回の議事録はそれを変えるほどのインパクトは無かったようだ。
ホームセンター2位のロウズ<LOW>が下落。取引開始前に8-10月期(第3四半期)の決算を発表し、既存店売上高の減収が予想以上だったほか、通期についても既存店売上高の見通しを下方修正した。パンデミック時のブーム後の大規模な住宅リフォームからの移行を強調している。
ライフサイエンスや応用化学分野の研究に用いる機器・ソフトウェアを手掛けるアジレント・テクノロジー<A>が決算を受け上昇。ガイダンスは全体的に予想を下回る内容ではあったものの、受注動向の安定化の兆しを示唆しているとの評価が聞かれた。
シンボティック<SYM>が決算を受け急伸。同社は大規模倉庫や配送センターでパレットやケースの処理の自動化を手掛ける。売上高、EBITDAとも予想を大幅に上回った。見通しについても、予想を上回る売上高とEBITDAの見通しを示した。
医療機器のメドトロニック<MDT>が決算を受け上昇。1株利益、売上高とも予想を上回ったほか、通期の1株利益の見通しも上方修正した。
アイルランドの建設資材メーカーのCRH<CRH>が上昇。テキサス州のマーティン・マリエッタ・マテリアルズ社からセメントと生コンクリートの資産ポートフォリオを21億ドルで買収することで合意した。
情報分析ソフトのパランティア・テクノロジーズ<PLTR>が下落。同社主導のグループが英国民保健サービス(NHS)から患者データをまとめる契約を獲得した。しかし、その金額が予想を下回っていることが嫌気された模様。
電気自動車(EV)のフィスカー<FSR>が大幅に6日続落。同社はこの1カ月足らずで2人目の最高経理責任者を失ったと伝わった。
イーベイ<EBAY>が上昇。同社が大株主になっているノルウェーのアデビンタ社にパーミラやブラックストーン<BX>を含むプライベート・エクイティのコンソーシアムが131億ドル規模で買収提案を行った。このニュースで同社の株主還元への期待が高まった。
ロウズ<LOW> 198.06(-6.38 -3.12%)
アジレント<A> 123.92(+9.94 +8.72%)
シンボティック<SYM> 52.08(+14.92 +40.15%)
メドトロニック<MDT> 78.62(+3.46 +4.60%)
CRH<CRH> 61.13(+2.39 +4.07%)
パランティア<PLTR> 19.80(-1.54 -7.22%)
フィスカー<FSR> 2.00(-0.35 -14.89%)
アップル<AAPL> 190.64(-0.81 -0.42%)
マイクロソフト<MSFT> 373.07(-4.37 -1.16%)
アマゾン<AMZN> 143.90(-2.23 -1.53%)
アルファベットC<GOOG> 138.62(+0.70 +0.51%)
テスラ<TSLA> 241.20(+5.60 +2.38%)
メタ・プラットフォームズ<META> 336.98(-2.99 -0.88%)
AMD<AMD> 119.16(-2.37 -1.95%)
エヌビディア<NVDA> 499.44(-4.65 -0.92%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。