ダウ平均は続落 重要イベントを通過して市場には高値警戒感も=米国株概況
NY株式20日(NY時間16:23)
ダウ平均 34053.87(-245.25 -0.72%)
S&P500 4388.71(-20.88 -0.47%)
ナスダック 13667.29(-22.28 -0.16%)
CME日経平均先物 33170(大証終比:-170 -0.51%)
きょうのNY株式市場でダウ平均、ナスダックとも続落。先週のFOMCや米消費者物価指数(CPI)など重要イベントを通過して、市場には高値警戒感も出ている模様。買われ過ぎの兆候も出ており、米大手銀のストラテジストによると、米株式先物の強気ポジションはS&P500、ナスダック100とも2010年以降で最も高水準に達しているという。
市場からは、「過大なバリュエーションと経済的な逆風の中で、投資家たちは投資機会を逸することへの恐れと、急ピッチな上昇への懸念の狭間で悩まされているようだ」との声も聞かれる。
また、高バリュエーション、経済的逆風のほか、米金利の行方もワイルドカードとなっている。FRBは先週のFOMCで10回連続で実施した利上げを一時停止した。ただ、FOMC委員は年内にまだ2回の利上げの可能性を見込んでいる。ただ、市場の一部には利上げは1回に留まるのではとの見方も出ている状況。今週は水曜日にパウエルFRB議長の議会証言が予定されているが、その辺に関して何らかのメッセージを発してくるか注目される。
「金利が経済に影響を与えるには少なくとも1年かかる。それを考慮すれば、昨年から急ピッチで実施した利上げの多くはまだ影響を与えていない。人々は心配しているようだが、足元はそのような位置づけにはない」といった指摘も出ている。
なお、引け後に配送大手のフェデックス<FDX>が決算を予定している。
ナイキ<NKE>が下落しており、ダウ平均を圧迫。アナリストが同社の業績がほぼ横ばいになると予測しながらも、在庫問題が3-5月期(第4四半期)の利益を圧迫する可能性があると指摘した。
インテル<INTC>が下落しており、ダウ平均を圧迫。同社はドイツにある2つの半導体工場に300億ユーロ以上を投じると発表した。インテルとの合意で、ドイツ政府は100億ユーロの補助金パッケージを提供すると伝わった。
バイオ医薬品のダイス・セラピューティクス<DICE>が大幅高。イーライリリー<LLY>が買収することで合意した。買収規模は約24億ドルで、1株48ドルの現金を支払う。
バイオ医薬品のアーセルクス<ACLX>が下落。再発または難治性の多発性骨髄腫患者向け治療薬の臨床試験の保留処分をFDAから受けたと発表した。最近の患者の死亡を受け、臨床保留を受けたという。
レンタカーのエイビス・バジェット<CAR>が上昇。アナリストが車両リスク管理とコスト抑制に関する実績を評価し、投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価も従来の182ドルから230ドルに引き上げた。
旅客輸送用の電動垂直離着陸機の設計開発を行うドイツのリリウム<LILM>が大幅高。ヘリコプターサービスを提供するヘリ・イースタン社と購入に関する契約を締結したと発表した。
電気自動車(EV)のリビアン・オートモーティブ<RIVN>が上昇。同社はテスラ<TSLA>のEV用充電ポートを将来の自動車に搭載し、テスラのスーパーチャージャー・ネットワークを利用できるようにすると発表した。
リチャード・ブランソン氏率いる宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック<SPCE>がきょうも大幅高。同社は初の商業宇宙飛行を6月27-30日に実施する計画だと発表したことで動意づいている。アナリストは、この節目は飛行スケジュールの信頼性を回復するための重要な機会だと指摘。
ナイキ<NKE> 109.54(-4.05 -3.57%)
インテル<INTC> 35.00(-1.37 -3.77%)
ダイス<DICE> 46.44(+12.59 +37.19%)
リリウム<LILM> 1.35(+0.08 +6.30%)
アーセルクス<ACLX> 33.23(-2.57 -7.18%)
エイビス<CAR> 224.14(+19.85 +9.72%)
リビアン<RIVN> 15.70(+0.82 +5.51%)
ヴァージン・ギャラクティック<SPCE> 6.01(+1.28 +27.06%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。