【これからの見通し」米欧金融機関関連報道、株価、CDSなどの動向に注意
【これからの見通し」米欧金融機関関連報道、株価、CDSなどの動向に注意
週末に米当局が銀行向け緊急融資ファシリティー拡張など、追加的な銀行支援の方針を検討していることが、関係者筋情報として報じられた。ファーストリパブリックバンクを念頭に置いたとみられるこれらの対応を受けて、金曜日同様にリスク警戒後退の動きが広がるかどうかが注目されるところとなる。先週末の市場では劣後債の早期償還を予想外に発表したドイツ銀行<DB>の株価が急落、債務不履行に対する保証料であるCDSの価格が急騰する場面が見られた。Tier2劣後債の早期償還は本来好材料ともいえるが、市場はかなり神経質な反応をしてきたという印象で、欧州・米国の金融機関に対する市場の警戒感が意識されている。
今日はそれほど目立った米経済指標発表の予定などがないだけに、金融機関に対する株式、CDSなど市場動向に注意しながらの展開となりそう。リスク警戒の動きが後退するようだと、ドル円は今朝がた付けた131円台の回復、さらにもう一段上を意識しての展開が期待される。
欧州の経済指標としては17時に3月のドイツIfo景況感指数が発表される。5か月連続で前回比改善を見せている同指標であるが、今回の予想は91.0と、小幅ながら前回の91.1から鈍化見込み。内訳の内、重要視される期待指数も総合同様に5か月連続で改善していたが、今回は88.3と前回の88.5から鈍化する見込みとなっており、ここにきてドイツの景況感に陰りが見えている。市場予想を割り込んで鈍化が目立つとドイツおよびユーロ圏の景気鈍化懸念につながり、ユーロ売りとなる可能性がある。
MINKABU PRESS 山岡和雅
MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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