ＨＰが６０００人の人員削減策を発表＝米国株個別

　ＨＰ＜HPQ＞が前日引け後に８－１０月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、予想を下回る１株利益の見通しを示した。今回の予測はＰＣ販売が１０％減少するシナリオに基づいて作成されたと、同社のロレスＣＥＯは説明した。厳しい市場環境を想定したという。

　同社はまた、コスト管理を目的に、向こう３年間で従業員６万１０００人の最大１０％相当（６０００人）を削減し、拠点とする不動産も減らす方針だと発表した。事業再編の費用として約１０億ドルが発生し、そのうち約６０％は２３年度に計上するという。再編によるコスト節減は２５年度末までに年間１４億ドルを見込む。

　アナリストはコスト削減を好感し、同社の２４－２５年度の利益にプラスに働くと指摘している。「今回の人員削減策は予想外の大きなポジティブ・サプライズであり、投資家が予想しなかった大きなポジティブだと考えている」と述べた。

　ＨＰ株は取引開始直後に売りが先行したものの、動きが一巡すると、押し目買いも出ている。

（８－１０月・第４四半期）
・1株利益（調整後）：0.85ドル（予想：0.84ドル）
・売上高：148.0億ドル（予想：146.5億ドル）
　　パーソナルシステムズ：102.7億ドル（予想：102.8億ドル）
　　プリンティング：45.3億ドル（予想：44.1億ドル）
・営業利益率（調整後）：7.7％（予想：7.7％）
・FCF：18億ドル（予想：13.1億ドル）

（１１－１月・第１四半期）
・1株利益（調整後）：0.70～0.80ドル（予想：0.86ドル）

（２３年度通期見通し）
・1株利益（調整後）：3.20～3.60ドル（予想：3.61ドル）
・FCF：30～35億ドル（予想：34.6億ドル）

（NY時間09:53）
ＨＰ＜HPQ＞　29.34（-0.04　-0.14%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美