ダウ平均は前日付近での推移 ロシアのロケット弾がポーランドに着弾=米国株後半
NY株式15日(NY時間15:13)
ダウ平均 33603.88(+67.18 +0.20%)
ナスダック 11369.32(+173.10 +1.55%)
CME日経平均先物 28080(大証終比:+50 +0.18%)
NY時間の終盤に入ってダウ平均は前日付近での推移となっている。ただ、序盤は買いが強まり、ダウ平均は一時450ドル超上昇する場面が見られた。取引開始前に発表になった米生産者物価指数(PPI)が先週の米消費者物価指数(CPI)と同様に、インフレのピークの兆しを示唆したことが株式市場の買い戻しを強めていた。
市場からは、「FRBの軸足変更が早まった可能性もある。必要なのは、現場の価格が実際にどうなるのか。そして、上がっていないことを認識することだ」との声も出ていた。
また、中国の動向もセンチメント改善に寄与しているという。前日の米中首脳会談で両首脳が、両国間の緊張緩和を呼び掛けたことや、中国政府がゼロコロナ規制を緩和方向へ傾けようとしているほか、不動産セクターへの支援などもあり、市場には中国経済に対する楽観論が広がっている。
ただ、後半になってダウ平均は失速。ロシアのロケット弾がNATO加盟国のポーランドに着弾し、2人が死亡したと伝わった。ポーランドのモラウィエツキ首相は、臨時の国家安全保障会議を招集。このニュースをきっかけに一気にリスク選好の雰囲気が後退し、ダウ平均は下げに転じる場面が見られた。
買い戻しが続いている米株式市場だが、いずれ悪循環に陥るとの慎重な声も出ている。株式市場の上昇はインフレ対策に反する動きでもあり、FRBはあまり気分が良くないという。一方、先週からの反発で下振れリスクは確実に緩和されているとも指摘。そのため、株式市場は年内は多少の変動があっても上昇を続ける可能性があるが、2023年に入ると高金利が実際の経済活動を鈍らせ始めていることが意識され、株式市場を圧迫する可能性が警戒されるという。
きょうはウォルマート<WMT>が上昇し、ダウ平均をサポート。決算を発表しておりガイダンスでは通期の1株利益は以前同様に減益見通しを示したものの、従来からは上方修正し、売上高も上方修正した。同社はまた、200億ドルの自社株買いも承認。在庫は12.4%増加したが、これはインフレに関連して増えたもので、状況は大幅に改善していると述べたことも勇気づけられた模様。
ネットフリックス<NFLX>が4日続伸。アナリストが投資判断を「買い」でカバレッジを再開したことが材料視された。
メディアのパラマウンド<PARA>が上昇。バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>が第3四半期に、パラマウント株の保有を17億ドルまで増やしたことが明らかとなった。
太陽光発電機器のショールズ・テクノロジーズ<SHLS>が決算を受け上昇。売上高見通しを上方修正したほか、EBITDAの見通しも従来のレンジ下限を引き上げた。
特殊化学のエコビスト<ECVT>が大幅安。筆頭株主のCCMPキャピタル・アドバイザーズが傘下のファンドを通じて、1600万株の売り出しを開始した。
写真や動画、音楽などの素材提供のゲッティ・イメージス<GETY>が決算を受け大幅安。予想を上回る良好な決算ではあったものの、フリーキャッシュフロー(FCF)が予想を下回った点が嫌気されている。
バイオ医薬品の4Dモレキュラー・セラピューティクス<FDMT>が大幅高。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を68ドルに設定。前日終値の5倍を超えている。
ライフサイエンスのアゼンタ<AZTA>が決算受け大幅高。同社の取締役会が15億ドルの自社株買いを承認した。
ウォルマート<WMT> 148.99(+10.60 +7.66%)
パラマウント<PARA> 19.48(+0.99 +5.33%)
ショールズ<SHLS> 27.27(+4.80 +21.36%)
エコビスト<ECVT> 8.71(-1.10 -11.17%)
ゲッティ・イメージ<GETY> 5.85(-1.12 -16.07%)
4Dモレキュラー<FDMT> 18.35(+4.86 +36.03%)
アゼンタ<AZTA> 58.61(+12.03 +25.82%)
ネットフリックス<NFLX> 309.53(+10.26 +3.43%)
アップル<AAPL> 150.53(+2.25 +1.52%)
マイクロソフト<MSFT> 242.42(+0.87 +0.36%)
アマゾン<AMZN> 98.95(+0.46 +0.47%)
アルファベットC<GOOG> 98.48(+2.45 +2.55%)
テスラ<TSLA> 194.19(+3.24 +1.70%)
メタ・プラットフォームズ<META> 116.93(+2.71 +2.37%)
AMD<AMD> 76.51(+2.98 +4.05%)
エヌビディア<NVDA> 166.83(+3.88 +2.38%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。