ダウ平均は反発 ロシア軍の一部撤退でひとまず目先の懸念後退=米国株前半
NY株式15日(NY時間12:54)
ダウ平均 34870.78(+304.61 +0.88%)
ナスダック 13986.84(+195.92 +1.42%)
CME日経平均先物 27355(大証終比:+515 +1.88%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は反発。ウクライナの緊張が緩和されるかもしれないという楽観的な見方が広がっており、市場はここ数日の下げを取り戻す動きが出ている。ロシア軍が訓練後に一部撤退を開始したと発表したことが安心感に繋がっている。プーチン大統領も西側との対話継続の姿勢を示唆。情勢は依然として不透明ではあるものの、明日にも侵攻との観測も出ていただけに、ひとまず目先の懸念は後退しているようだ。
ただ、株式市場のもう一つのリスクであるFRBの積極利上げについては依然として根強く懸念が残っている。この日発表になった1月の米生産者物価指数(PPI)は総合指数で前年比9.7%上昇と、市場予想を上回る伸びを示した。市場はFRBの積極利上げを織り込む動きを見せているが、きょうの米PPIの結果はそれを正当化する内容ではある。市場からは、ウクライナ情勢は懸念ではあるものの、市場のセンチメントを動かすのはやはりインフレとFRBの利上げのスピードだとの声も聞かれる。
タカ派からは年内7回の利上げを見込む動きも出ている。ただ、大手米銀の調査によると、ファンドマネジャーは現在、年内5回との予想が多いようだ。市場心理は引き続き戻り待ちの売りといった慎重ムードだが、インフレが早晩ピークを迎えるか、FRBが最終的に利上げペースを鈍らせれば、株式市場の流れは変化するという。
FRBは市場が期待しているほどタカ派色は強くはなく、来月のFOMCや理事会にかけて、ハト派に緩やかに傾斜する可能性があるとの指摘も出ている。また、本日の米PPIへの反応もそうだが、市場も高インフレにだいぶ慣れて来ており、以前ほどのネガティブな反応は見せていないといった声も出ている。
ウクライナの緊張緩和で原油が下落しており、エネルギー株は下げているものの、そのほかの銀行や産業といったセクターは上昇。一方、IT・ハイテク株も買い戻されている。ただ、IT・ハイテク株については米大手銀の顧客調査で、FRBの積極的利上げに備え、ファンドマネジャーらはIT・ハイテク株のアンダーウエートを約16年で最も大きくしていると報告した。IT・ハイテク株への配分は2006年8月以来の低水準に落ち込んでいるという。
通信機器のレゾナント<RESN>が248%急伸。村田製作所が米子会社を通じて、同社を買収すると発表した。現金による株式公開買い付け(TOB)を実施し、TOB価格は1株4.5ドルで前日終値よりも268%高い水準。
エナジードリンクのモンスタービバレッジ<MNST>が上昇。コロナビールのコンステレーション・ブランズ<STZ>との合併に向けて協議が前進したと伝わった。
イスラエルの半導体のタワーセミコンダクター<TSEM>が41%急伸。インテル<INTC>が約54億ドルで買収すると発表。
レゾナント<RESN> 4.29(+3.06 +248.37%)
モンスタービバレッジ<MNST> 81.94(-0.63 -0.76%)
コンステレーション<STZ> 223.32(-10.53 -4.50%)
タワーセミコンダクター<TSEM> 47.00(+13.87 +41.87%)
インテル<INTC> 48.05(+0.47 +0.99%)
アップル<AAPL> 170.48(+1.60 +0.95%)
マイクロソフト<MSFT> 297.54(+2.54 +0.86%)
アマゾン<AMZN> 3095.00(-8.34 -0.27%)
アルファベットC<GOOG> 2713.82(+7.82 +0.29%)
テスラ<TSLA> 908.56(+32.80 +3.75%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 216.59(-1.11 -0.51%)
AMD<AMD> 117.73(+3.46 +3.03%)
エヌビディア<NVDA> 258.70(+16.03 +6.61%)
ツイッター<TWTR> 36.48(+0.79 +2.21%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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