ダウ平均は5日ぶりに反発 パウエル議長の公聴会受けIT・ハイテク中心に買い戻し=米国株概況
NY株式11日(NY時間16:23)
ダウ平均 36252.02(+183.15 +0.51%)
ナスダック 15153.45(+210.62 +1.41%)
CME日経平均先物 28480(大証終比:+330 +1.16%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は5日ぶりに反発。一方、IT・ハイテク株も買い戻しが優勢となり、ナスダックは1%超の大幅高となった。
市場ではFRBのタカ派な動きへの期待が高まっており、この日のパウエルFRB議長の上院での指名公聴会を控えて朝方は売りが先行した。ダウ平均は取引開始から間もなくして一時300ドル近く下落したものの、パウエルFRB議長の公聴会が始まると、急速に下げを取り戻している。
市場では、今年4回の利上げや早期バランスシート縮小などタカ派な期待が高まっている。ただ、議長の発言からは、そこまでのタカ派なヒントは感じられなかったとの印象のようだ。しかし、市場の期待感を後退させる内容でもなく、利上げと早期バランスシート縮小には言及していた。
市場からは、年初の株安にもかかわらず、株式相場が金利と利回り上昇を克服できるとの見通しが示されており、押し目買いを推奨する声も出ているようだ。一部のロング・デュレーションやハイクオリティー銘柄の売りは行き過ぎと指摘。利回りは上昇するものの、インフレを考慮した実質ベースでは大きく上昇するとは考えられない中で、バリュエーションが株価の制約になる可能性は低いという。
ボラティリティーの高まりは想定すべきだが、依然として相場上昇が再開すると予想しているようだ。FRBの正常化は企業業績の伸びを抑制するものではないとしている。
セクター別ではIT・ハイテク株のほか、原油相場が81ドル台を回復しており、エネルギー株が上昇。産業や航空株も上昇。一方、医薬品株が下落。銀行株はまちまち。
GM<GM>やフォード<F>といった自動車株がプラスに転じた。今年の自動車株に期待の声も出ている。今年の米自動車販売は大半の期間で需要が供給を上回る状態が予想され、販売台数、価格ともに期待が高まっている。アナリストのモデルでは、今年の米自動車販売は年間で1550万台が予想され、前年の1490万台を上回ることが期待されると指摘。上半期は厳しい状況が予想されるものの、下半期にかけて正常化に向かって行くことが見込まれるとしている。ただ、ディーラーの在庫が大幅に積み上がることは予想されないことから、価格も高水準が維持されることが期待されるという。
個別にIBM<IBM>が下落し、ダウ平均を圧迫。アナリストが投資判断を「中立」か「売り」に引き下げ、目標株価も従来の136ドルから124ドルに引き下げた。
AMD<AMD>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を155ドルに引き上げた。今年のデータセンター部門は10%台後半の力強い伸びが期待されるとしている。
医療機器のイナリ・メディカル<NARI>が上昇。10-12月期(第4四半期)の暫定売上高を公表しており、8280万ルー8330万ドルと予想(7310万ドル)を上回った。
遺伝子解析のイルミナ<ILMN>が大幅高。取引開始前に10-12月期(第4四半期)の暫定売上高を公表し、約11.9億ドルと予想(11億ドル)を上回ったことが好感されている。
カジノのラスベガス・サンズ<LVS>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価も従来の36ドルから48ドルに引き上げた。前年の株価下落からの値ごろ感とマカオでの回復の可能性を要因として指摘。
IBM<IBM> 132.87(-2.16 -1.60%)
イナリ・メディカル<NARI> 87.41(+2.61 +3.08%)
イルミナ<ILMN> 423.80(+61.52 +16.98%)
ラスベガス・サンズ<LVS> 38.85(+2.42 +6.64%)
GM<GM> 61.46(+0.39 +0.64%)
フォード<F> 24.35(+0.50 +2.10%)
アップル<AAPL> 175.08(+2.89 +1.68%)
マイクロソフト<MSFT> 314.98(+0.71 +0.23%)
アマゾン<AMZN> 3307.24(+77.52 +2.40%)
アルファベットC<GOOG> 2800.35(+28.87 +1.04%)
テスラ<TSLA> 1064.40(+6.28 +0.59%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 334.37(+6.30 +1.92%)
AMD<AMD> 137.31(+5.31 +4.02%)
エヌビディア<NVDA> 278.17(+4.17 +1.52%)
ツイッター<TWTR> 40.66(+0.69 +1.73%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。