FOMCは予想以上にタカ派な印象も「噂で売って、事実で買い戻す」展開=米国株後半
NY株式15日(NY時間15:19)
ダウ平均 35836.73(+292.55 +0.82%)
ナスダック 15479.11(+241.47 +1.58%)
CME日経平均先物 28840(大証終比:+370 +1.29%)
NY時間の終盤に入って米株式市場はプラスに転じている。午後になってFOMCの結果が発表され、FOMCメンバーの金利見通しの中央値が22年に3回、23年に3回の利上げ想定していた。資産購入ペース縮小については縮小ペースを月300億ドルに増額した。金利見通しについては来年は2回と見られていただけに予想以上にタカ派な印象だ。パウエル議長の会見も年内に最大雇用に達する可能性に言及するなど、比較的タカ派色が強い。
株式市場にとってはネガティブな材料と思われるが、逆に買い戻しが強まり上げに転じている。特に高バリュエーションのIT・ハイテク株など成長株は、FRBの引き締めによる米国債利回り上昇との見方から、調整売りが続いていたが、FOMCを受けて一気に買戻しが入っている。IT・ハイテク株は事前に売りが強まっていただけに、「噂で売って事実で買い戻す」展開が出ているものと思われる。
ナスダックはFOMC発表前は1%超下落していたが、FOMC後は1%超の上昇に転じている。
個別に医薬品のイーライリリー<LLY>が上昇。取引開始前にガイダンスを公表し、通期見通しを1株利益、売上高とも上方修正した。来年度の通期見通しも公表し、売上高は今年度よりも減収を見込んでいるが、1株利益は増益の見通しを示している。新製品の成長が新型ウイルス向けの抗体の需要低下を相殺すると見ているようだ。
アリババ<BABA>や百度(バイドゥ)<BIDU>といった米株式市場に上場している中国株の売りが目立っている。バイデン政権が中国企業に対して、より厳しい輸出規制を検討しているとの報道が伝わったことが重石となっている模様。
シーチェンジ・インターナショナルが上昇。同社は放送や通信事業者向けにビデオサーバーを提供している。前日引け後に8-10月期決算(第3四半期)を発表し、売上高が予想を上回ったほか、1株営業損益は赤字だったものの予想ほどではなかった。
リチウムなど化学品の製造を手掛けるアルベマール<ALB>が下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価も205ドルに引き下げた。
トヨタ自動車<TM><7203>がNY市場でも上昇。本日の日本時間夕方に2022年1月の生産計画について世界全体で80万台水準レベルを予定していると発表した。
ロク<ROKU>が下落。同社の一部製品が特許を侵害しているとして、ユニバーサル・エレクトロニクス<UEIC>が提訴している問題で、米国際貿易委員会(ITC)がロクに対して、特許を侵害しているとし、それらの製品の輸入と販売を差し止めるよう命じた。
トヨタ自動車<TM> 186.58(+5.80 +3.21%)
デジタル・ワールド<DWAC> 52.03(+2.20 +4.41%)
CFアクイジション<CFVI> 12.28(+1.02 +9.06%)
アリババ<BABA> 122.62(-3.96 -3.13%)
百度(バイドゥ)<BIDU> 140.64(-2.25 -1.57%)
アルベマール<ALB> 238.76(-5.07 -2.08%)
シーチェンジ<SEAC> 1.60(+0.09 +5.84%)
イーライリリー<LLY> 272.83(+23.45 +9.40%)
ロク<ROKU> 201.36(-20.19 -9.11%)
ユニバーサル・エレ<UEIC> 40.47(+3.05 +8.15%)
アップル<AAPL> 179.07(+4.74 +2.72%)
マイクロソフト<MSFT> 332.84(+4.50 +1.37%)
アマゾン<AMZN> 3421.96(+40.13 +1.19%)
アルファベットC<GOOG> 2925.64(+26.23 +0.90%)
テスラ<TSLA> 969.77(+11.26 +1.17%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 339.42(+5.68 +1.70%)
AMD<AMD> 144.64(+9.04 +6.66%)
エヌビディア<NVDA> 299.56(+16.19 +5.71%)
ツイッター<TWTR> 43.70(-0.66 -1.48%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。