株安がリスク警戒を誘いドル売り円買いが強まる展開に
株安がリスク警戒を誘いドル売り円買いが強まる展開に
世界的な新型コロナの感染拡大などが重石となる形に
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【東京市場】ドル円は110円台前半推移
ドル円は110円台前半での推移。中国当局の規制強化を嫌った香港株が連日の大幅安となり、
警戒感からのドル売り円買いが入る形で午前中に少し値を落とし、その後はもみ合いに終始した。
FOMCを今日、明日に控えて110円割れや110円台半ば超えを試す勢いが見られず。
ユーロドルは1.1800前後での推移。昨日の海外市場で1.1810台まで上昇したものの、
そこからの買いが一息で東京市場ではやや頭の重い展開に。もっとも1.17台での売りには慎重で狭いレンジでもみ合った。
【ロンドン市場】株安を受けて円買いの動き強まる
欧州株が寄り付きから売られる展開となり、リスク警戒の動きから円買いの動きにつながった。
世界的な新型コロナの感染拡大が需要減を誘うとの思惑が株安につながる展開に。
また英トイレタリー大手レキットベンキーザの2021年4~6月期の増収率が市場予想を下回ったことで
同社株が8%を超える大きな下げとなり、英FTを押し下げた面も。
こうした欧州株安の動きがリスク警戒感につながる形で序盤はドル買い円買いの動きに。
ドル円では円買いの勢いが勝り110円20銭前後での推移から110円割れまで値を落とす動きにつながった。
大台割れからはすぐに回復も、110円10銭台までの戻りにとどまっており、頭の重い展開が続いた。
【NY市場】ドル安円高の流れ
ドル円は110円台をしっかり割り込み、一時109円50銭台まで。
米株も欧州株の軟調地合いを受けて売りが強まり
リスク警戒の円買いが広がった。
ユーロドルが1.1840前後まで買われるなど、ドルは全般に軟調。
米10年債利回りが一時1.23%を割り込むなど低下傾向でドルの重石となった面も。
【本日の見通し】FOMCにらむ展開
今晩のFOMCをにらむ展開となりそう。
FOMCでは基本的に従来姿勢の維持が見込まれている。
次回9月のFOMCでのテーパリング開始示唆の可能性が見込まれており
声明などでテーパリングに向けた期待が広がるような表現が見られるとドル買いも。
ただ、パウエル議長は今月の議会証言でも慎重姿勢を強調していた。
変異株による新型コロナの感染拡大が広がる中で、
慎重姿勢を維持してくると、ややドル売りに。
【本日の戦略】様子見
FOMCまでは無理をせず。
FOMC後は、基本的に流れに乗りたい。NY午後の発表で相場が不安定になるため
デイトレでも突っ込んだ売り買いではなく少し待っての売り買いを意識。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《7/27 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 110.39 1.1803 130.29
高値 110.40 1.1841 130.32
安値 109.59 1.1770 129.55
終値 109.78 1.1817 129.72
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《7/27 火曜日の主要株式指数》
日経 27970.22 +136.93
DOW 35058.52 -85.79
S&P 4401.46 -20.84
Nasdaq 14660.58 -180.13
FTSE 6996.08 -29.35
DAX 15519.13 -99.85
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《7/27 火曜日の商品市場》
NY原油先物9月限(WTI)(終値)
1バレル=71.65(-0.26 -0.36%)
NY金先物12月限(COMEX)(終値)
1オンス=1804.00(+0.60 +0.03%)
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《7/27 火曜日に発表された主な経済指標》
【韓国】
実質GDP(速報値)(前年比)(2021年第2四半期)08:00
結果 5.9%
予想 6.0% 前回 1.9%(実質GDP(速報値)(前年比))
結果 0.7%
予想 0.8% 前回 1.7%(実質GDP(速報値)(前期比))
【米国】
耐久財受注・速報値(6月)21:30
結果 0.8%
予想 2.2% 前回 3.2%(2.3%から修正)(前月比)
結果 0.3%
予想 0.8% 前回 0.5%(0.3%から修正)(コア・前月比)
S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(5月)22:00
結果 16.99%
予想 16.33% 前回 15.01%(14.88%から修正)(前年比)
コンファレンスボード消費者信頼感指数(7月)23:00
結果 129.1
予想 123.9 前回 128.9(127.3から修正)
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《7/27 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
米5年債入札結果
最高落札利回り 0.710%(WI:0.710%)
応札倍率 2.36倍(前回:2.36倍)
【ユーロ圏】
*デコス・スペイン中銀総裁
パンデミックが経済に影響する限りPEPPは継続すべき。
ユーロ圏の不透明感は依然として高い。
新ガイダンスはECBの解決策の最初の例。
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《本日予定されている主な経済指標》
【豪州】
消費者物価指数(第2四半期)10:30
予想 0.7% 前回 0.6%(前期比)
予想 3.7% 前回 1.1%(前年比)
予想 0.5% 前回 0.3%(刈り込み平均・前期比)
予想 1.6% 前回 1.1%(刈り込み平均・前年比)
予想 0.5% 前回 0.4%(加重平均・前期比)
予想 1.7% 前回 1.3% (加重平均・前年比)
【日本】
景気一致指数・改定値(5月)14:00
予想 N/A 前回 92.7
景気先行指数・改定値(5月)14:00
予想 N/A 前回 102.6
【英国】
ネーションワイド住宅価格指数(7月)15:00
予想 0.3% 前回 0.7%(前月比)
予想 11.9% 前回 13.4%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツGfk消費者信頼感(8月)15:00
予想 1.0 前回 -0.3
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(23日までの週)20:00
予想 N/A 前回 -4.0%(前週比)
卸売在庫・速報値(6月)21:30
予想 1.1% 前回 1.3%(前月比)
FRB政策金利 29日3:00
予想 0.0%-0.25% 現行 0.0%-0.25%
【カナダ】
消費者物価指数(6月)21:30
予想 0.4% 前回 0.5%(前月比)
予想 3.2% 前回 3.6%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員