【ロシア・ルーブル】ドルルーブルは74.00前後、原油高が好材料も政局不安が投資資金流入を鈍らせる
【ロシア・ルーブル】ドルルーブルは74.00前後、原油高が好材料も政局不安が投資資金流入を鈍らせる
ロシアルーブルは原油高傾向にもかかわらずさえない動きとなっている。ロシアは輸出の半分近くを原油など鉱物性燃料が占める資源依存の経済構造となっており、直近の原油高は経済にとってかなりのプラス材料。本来であればルーブル買いの動きが広がってもおかしくない状況にある。
しかしドルルーブルは直近さえない動きを続けている。ドルうr-ブルは昨年初めの60.0近い水準から、昨年3月のパンデミックを受けた新興国通貨売りの動きに83近くまで上昇。いったんの大幅調整に夏前に68前後を付けた後、原油需要の減退懸念などからNY原油先物が33ドル台を付けた昨年秋にかけて81超えまでドル高ルーブル安が進行。その後NY原油の上昇とともに昨年末にかけて73割れまでドル売りルーブル買いが広がったが、ルーブルの買いはそこまで。その後は年が明けて直近に至るまで73-76を中心としたレンジ取引が続いている。
その背景には政局懸念がある。ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に対する毒殺未遂と、その後の収監に対して世界的に抗議の声が強まっており、ロシアルーブルの売り材料に。ナワリヌイ氏は先月25日にモスクワ市内の拘置施設から移送され、ウラジミール地区の刑務所施設に移送された。悪名高い刑務所施設への収監で米国などのロシアへの批判が強まっており、バイデン政権は今月二日に同政権としては初となる対露制裁を発表した。こうした政局不安が経済に与える影響が懸念される状況で、今後もルーブルはやや不安定な動きが見込まれている。
ルーブル円はドル円の上昇分、直近高値を超えて1.47近くでの推移になるなど、ルーブル高が進んでいるが、対ドルでのさえない動きが今後どう影響するのかの見極めが必要な状況となっている。
MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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