ドル円は一時105円割れも、下値では買いが出る流れ
ドル円は一時105円割れも、下値では買いが出る流れ
主要通貨は大きな方向性見せず、ドル高調整も限定的
【22日の市場】ロンドン市場でドル高後大きく調整
22日の市場は東京市場でしっかりの展開を見せたドル円がロンドン朝にさらに上値を試し
105円85銭前後まで上値を伸ばす展開を見せた。
しかし、その後いったん調整が入るとNY市場で調整の動きがひろがり
105円割れを付ける動きも見られた。
米債利回りの上昇がドル買いを支えていたが、
欧州債の利回り上昇などを受けてユーロ買いドル売りやポンド買いドル売りが進み、
ドル高基調一服に。
ポンドに関しては、人口の約4分の一に1回目のワクチン接種との報道などもポンド買いドル売りに。
【23日の市場】一時ドル買い優勢も
東京不在のアジア市場で104円90銭台での推移が見られるなど、前日のNY市場に続いてドル売りが一時優勢に。
ロンドン市場に入ると一転してドル買いが広がり、NY朝にかけて105円40銭台まで上値をのばした。
しかし、その後一転してドル売りとなり、ドル円は105円00銭台まで。
米債利回りの上昇が一服し、1.38%台から1.35%を割り込む動きとなる中で、ドル高の調整が目立った。
ロンドン朝に1.2180前後まで上昇したユーロドルは、ロンドン昼頃からNY朝にかけてのドル買いで1.2135前後まで下落。
その後はドル買いが一服となる中で1.2160台を付けるなど、もみ合いに。
【本日の見通し】105円台半ば前後がポイントか
105円割れでのドル売り円買いには慎重で、下値しっかり感が強い。
ただ、戻り105円台半ばが重くなっており、105円台前半のレンジ取引となっている。
どちらの方向の可能性もありそうで、次の方向性を探る展開。
米債利回りの上昇が一服した分調整が入りやすいが、10年1.35%前後の水準は決して低いわけではなく
機関投資家などからのドル買い円売りが一定程度入る可能性があるだけに
上下ともにやや動きにくい展開か。
午前10時に政策金利が発表されるNZドルは対ドルでややしっかりの展開。
政策金利・量的緩和ともに現状維持が見込まれており、動きは限定的か。
政策金利現状維持の期限とされていた3月末について、
今日の理事会の次が4月になり、期限を超えるため、ある程度の延長が示されると見られる。
その延長に際して自由度を示すような動きや、この後のテーパリングについての言及があるようだとNZドル買いが強まる可能性も。
【本日の戦略】押し目買い
押し目を待っての買いに回りたい。
いったんストップに回りたいとしていた104円80銭を割り込んでおらず
流れはまだ上方向を見ている。
ドル円は105円台前半でのレンジ取引を中心に、上を意識する展開か。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/22 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.40 1.2115 127.65
高値 105.85 1.2169 128.24
安値 104.98 1.2091 127.50
終値 105.08 1.2157 127.74
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《2/22 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 30156.03 +138.11
DOW 31521.69 +27.37
S&P 3876.50 -30.21
Nasdaq 13533.05 -341.41
FTSE 6612.24 -11.78
DAX 13950.04 -43.19
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《2/22 月曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=61.49(+2.25 +3.80%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1808.40(+31.00 +1.74%)
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《2/22 月曜日に発表された主な経済指標》
【香港】
消費者物価指数(1月)17:30
結果 1.9%
予想 1.0% 前回 -0.7%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツIFO景況感指数(2月)18:00
結果 92.4
予想 90.5 前回 90.3(90.1から修正)(Ifo景況感指数)
【米国】
景気先行指数(1月)00:00
結果 0.5%
予想 0.4% 前回 0.4%(0.3%から修正)(前月比)
【NZ】
小売売上高(2020年第4四半期)06:45
結果 -2.7%
予想 -0.5% 前回 28.0%(前期比)
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《2/22 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【英国】
*ジョンソン首相
英国で全ての学校が3月8日から再開される。
屋外でピクニックやコーヒーを飲んだりするために1対1で会うことも可能に
6人まで、または2世帯の屋外での集会、野外スポーツは3月29日から可能になるだろう
【NZ】
*格付け会社S&P
NZの格付けを「AA」から「AA+」に引き上げ
NZは新型コロナ感染の封じ込めに成功した
NZの経済回復は他国よりも早いと評価
【中国】
*中国王毅外相
米前政権は米中関係に打撃を与えた
バイデン新政権には中国政策を良識に戻すよう求める
良好な米中関係を築くため対話再開を求める
両国間で扱いやすい問題に対応すべき
中国の学者やジャーナリストに対する制限の解除を求める
ここ数年の不合理な関税撤廃を求める
【ユーロ圏】
*独Ifoエコノミスト
独経済は上向いてきている
景況感は建設、小売、サービス業などで改善した
生産計画は大幅に上方修正された
旅行関連は、ここ1年以上の期間で初めてわずかに楽観的になった
*ラガルドECB総裁
ECBは長期債の名目利回りの進展を注意深く監視。
PEPPの1.85兆ユーロの枠は相当の力と柔軟性を与えている。
【米国】
*イエレン米財務長官
金融取引税は検討の価値がある。
富裕税は実行面で難しい問題が生じ得る。
キャピタルゲイン増税は検討の価値あるかもしれない。
人々の生活を確保するために刺激策は必要。
生計はパンデミックによって恒久的に傷つけられない。
刺激策の成功は、失業率がパンデミック前に戻り、サービス業の
雇用回復を指す。
バイデン大統領の回復計画は「ミサリーのポケット」の緩和を
目的。
回復が遅いと財政に打撃を与える。
米国の利払いは現在、GDP比で2007年の水準にある。
100年債の市場は恐らく非常に小さい。
財務省は長期債に移行している。
より長期の債券発行はある程度理にかなうようだ
*カプラン・ダラス連銀総裁
米GDPに対する自身の5%予想について上向きのリスク。
電力網の問題がなくても、テキサス州はパイプと水の危機を抱え
ていた。
石油とガスの産出量の損失は数日で回復する。
水問題は数週間かかる。
パンデミック前の日量1300万バレルの石油生産がピークに戻
るには考え方の変更が必要。
*バーキン・リッチモンド連銀総裁
インフレ期待に基づいて見方を変えるべきではない。
ディズインフレ圧力は継続している。
第1四半期の経済はでこぼこになる
温暖になれば、持続的な消費が期待きでる。
企業はレーバー・デーまでに労働者を呼び戻す可能性。
サービスや商品に対する繰越需要がある。
需給の不一致はインフレ価格圧力を引き起こす可能性。
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《2/23 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.08 1.2157 127.73
高値 105.43 1.2180 128.05
安値 104.92 1.2135 127.66
終値 105.25 1.2150 127.88
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《2/23 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 休み
DOW 31537.35 +15.66
S&P 3881.37 +4.87
Nasdaq 13465.20 -67.85
FTSE 6625.94 +13.70
DAX 13864.81 -85.23
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《2/23 火曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=61.67(-0.03 -0.05%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1805.90(-2.50 -0.14%)
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《2/23 火曜日に発表された主な経済指標》
【シンガポール】
消費者物価指数(1月)14:00
結果 0.0%
予想 -0.2% 前回 0.4%(前月比)
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.0%(前年比)
【英国】
雇用統計(1月)16:00
結果 7.2%
予想 N/A 前回 7.3%(7.4%から修正)(失業率)
結果 -2.0万件
予想 N/A 前回 -2.04万件(0.7万件から修正)(失業保険申請件数)
ILO失業率(12月)16:00
結果 5.1%
予想 5.1% 前回 5.0%(3カ月)
【南アフリカ】
雇用統計(2020年第4四半期)18:30
結果 32.5%
予想 31.5% 前回 30.8%(失業率)
【ユーロ圏】
消費者物価指数(確報)(1月)19:00
結果 0.9%
予想 0.9% 前回 0.9%(前年比)
結果 1.4%
予想 1.4% 前回 1.4%(コア・前年比)
【米国】
S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(12月)23:00
結果 10.1%
予想 9.9% 前回 9.2%(9.08%から修正)(前年比)
コンファレンスボード消費者信頼感指数(2月)00:00
結果 91.3
予想 90.0 前回 88.9(89.3から修正)
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《2/23 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
*パウエルFRB議長
年内の見通し改善が示唆されている
目標に向け長い道のり。一段の進展には一定の時間。
失業率は依然として高い。回復は減速。
サービス業への消費はなお低水準。商品への消費は拡大。
悪影響が大きかった一部セクターでの物価は特に低い。
FRBはすべての範囲の手段を使用。
この3カ月、さらに顕著な進展は見られない。
完全回復にはまだ長い道のり。
債券購入の変更は事前に通知する。
ベース効果でインフレは一時的に上昇。
インフレ上昇が継続するほどの消費増加を見ていない。
正当化されないインフレへの対処手段を持っている。
現在は多くの要因が市場を動かしている。
一部の市場の強さは経済見通しを反映。
最低賃金に見解はない。
インフレは向こう1年程度に大きく変動すると予想。
ただ、それらも影響は大きく、または持続も見込んでいない。
インフレは問題になる水準まで上昇すると見ていない。
米国債利回りの上昇は成長とインフレの上昇見通しによるもの。
FRBによるデジタル通貨発行の是非は慎重に検討中。
デジタル通貨は非常に優先度の高いプロジェクト。
米2年債入札結果
最高落札利回り 0.119%(WI:0.118%)
応札倍率 2.44倍(前回:2.67倍)
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《本日予定されている主な経済指標》
【NZ】
NZ中銀政策金利 10:00
予想 0.25% 現行 0.25%
【ユーロ圏】
ドイツ実質GDP・確報値(第4四半期)16:00
予想 0.1% 前回 0.1%(前期比)
予想 -2.9% 前回 -2.9%(前年比)
【香港】
実質GDP・確報値(第4四半期)17:30
予想 0.2% 前回 0.2%(前期比)
予想 -3.0% 前回 -3.0%(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(19日までの週) 21:00
予想 N/A 前回 -5.1%(前週比)
新築住宅販売件数(1月)25日0:00
予想 85.5万件 前回 84.2万件
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員