海外市場でドル高強まる
海外市場でドル高強まる
クリスマスを前にしたポジション調整の動き
【東京市場】ドル高優勢
ドル円は103円48銭を付けるなどしっかりの展開となった。
昨日の海外市場で新型コロナの変異種問題でのリスク警戒のドル買いで103円89銭前後まで上昇した後、
ドル全般に売りが入る中、103円台前半まで下落。東京朝に103円27銭前後まで値を落とす場面が見られた。
その後少し値を戻してもみ合うと、米カリフォルニア州の人口密集地域でICUの空きがゼロになるなどの状況を受けて
いったんリスク警戒のドル買いが強まり103円40銭台まで。
昼前には上昇分を打ち消すも、午後に入って再び上昇し、13時台に今日の高値である103円48銭を付けるなど、しっかりの展開が続いた。
ユーロドルでもドル買いの動き。朝方は前日NY市場のドル売りもあって1.2250前後を付ける動きも、
その後ドル全面高基調に押され1.2215近くまで値を落としている。
【ロンドン市場】ポンド振幅
英国とEUとの通商協議において最後の争点となっている漁業権問題をめぐってポンドが振幅した。
英国がこれまでの主張から一歩譲歩した新提案をEUに提出したことで合意期待が強まっていたが
EU関係者から新提案は受け入れ不可能とコメントが入り一気にポンド売りに。
その後EUが最大25%削減を受け入れるとこれまでの20%から譲歩する姿勢を示し一部買い戻しなどの動き。
ポンドドルは1.3450台から1.3360前後を付け1.3450手前までという動きに。
ドル円は103円台前半20銭ほどのレンジでもみ合い。103.48が高値と103円台半ばが重くなっていた。
【NY市場】ドル全面高
ドル高の動きが強まった。クリスマス休暇を前にしたポジション調整がドル買いの動きに。
ドル円は朝方103.32近辺まで下げた後、103.70超えまで上昇。
その後も高値圏推移となった。
欧州通貨売りドル買いはより厳しく
ポンドドルは1.3300台までと大きく下落。
EU通商協議の年内解決が難しいとの思惑が広がっていた。
ユーロドルは朝方買いが入り1.2257と機能の高値を更新も、
その後一転してユーロ売りドル買いで1.2152前後までと高値から100ポイントちょっとの下げに。
【本日の見通し】クリスマス前、積極的な動きを手控える流れに
クリスマス休暇を前に積極的な取引を手控える流れとなりそう。
ドル円は103円台を中心とした流れ。
ドルの買い戻しが目立っているが、15日に104円を割り込んだ後、
17日の戻り高値が103.92、今週の戻り高値が103.89と104円手前の売りに頭を抑えられており
上値は限定的なものとなりそう。
ユーロやポンドは対ドルで軟調地合い。
ただ、英・EUの通商協議動向次第で上下ともに大きく動く可能性がある中で
積極的な欧州通貨売りドル買いも仕掛けにくい。
頭の重さは継続も、下値は限定的か。
【本日の戦略】レンジ取引意識
クリスマスシーズンで上下ともに大きな動きを想定しにくい。
様子見に徹するのも手。
基本的にレンジ取引を意識しての展開に3
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《12/22 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.32 1.2244 126.51
高値 103.73 1.2257 126.66
安値 103.28 1.2152 126.00
終値 103.64 1.2163 126.06
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《12/22 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 26436.39 -278.03
DOW 30015.51 -200.94
S&P 3687.26 -7.66
Nasdaq 12807.92 +65.40
FTSE 6453.16 +36.84
DAX 13418.11 +171.81
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《12/22 火曜日の商品市場》
NY原油先物2月限(WTI)(終値)
1バレル=47.02(-0.95 -1.98%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1870.30(-12.50 -0.66%)
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《12/22 火曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
豪小売売上高・暫定速報値(11月)9:30
結果 7.0%
予想 2.0% 前回 1.4%(前月比)
【英国】
実質GDP(確報値)(2020年第3四半期)16:00
結果 16.0%
予想 15.5% 前回 15.5%(前期比)
結果 -8.6%
予想 -9.6% 前回 -9.6%(前年比)
公共部門ネット負債(11月)16:00
結果 308.0億ポンド
予想 268.0億ポンド 前回 209.0億ポンド(216.0億ポンドから修正)
経常収支(2020年第3四半期)16:00
結果 -157.0億ポンド
予想 -117.0億ポンド 前回 -119.0億ポンド(-28.0億ポンドから修正)
【香港】
経常収支(2020年第3四半期)17:30
結果 965.4億香港ドル
予想 前回 594.3億香港ドル(605.4億香港ドルから修正)(国際収支-経常収支)
結果 192.5億香港ドル
予想 前回 -155.1億香港ドル(国際収支-総額)
【米国】
実質GDP(確報値)(2020年第3四半期)22:30
結果 33.4%
予想 33.1% 前回 33.1%(実質GDP)
結果 41.0%
予想 40.6% 前回 40.6%(個人消費)
結果 3.5%
予想 3.6% 前回 3.6%(GDPデフレータ)
結果 3.4%
予想 3.5% 前回 3.5%(PCEコアデフレータ)
コンファレンスボード消費者信頼感指数(12月)00:00
結果 88.6
予想 97.0 前回 92.9(96.1から修正)
中古住宅販売件数(11月)00:00
結果 669万件
予想 670万件 前回 686万件(685万件から修正)
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《12/22 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【英国】
*EU関係者
今朝、英首相とEU委員長が漁業権とコロナ問題で会談した。
(英紙テレグラフ)
*ホールデン英中銀委員
まだ雇用支援策を終わらせるときではない。
【ユーロ圏】
*関係者
英国の貿易交渉での最新提案、EUには受け入れ不可能。
(ブルームバーグ)
*EU、加盟国に英国との貨物往来再開を要請。
*バルニエEU首席交渉官
英国との交渉で進展あったとEU加盟国大使らに報告。
英国は漁業権で十分に動いていない。
漁業権の相違は埋めることが難しい。
*フランス政府
・英国との国境を本日深夜までに再開するとEU加盟国に通知。
*マーティン・アイルランド首相
貿易交渉の合意は、無いよりも有る可能性が高い。
協議はクリスマス以降も行われる可能性。
漁業権の問題は、非常に、非常に困難。
【米国】
*米CDC
・英国のウイルスの変異種は米国内でも広がっている可能性。
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《本日予定されている主な経済指標》
【シンガポール】
消費者物価指数(11月)14:00
予想 0.4% 前回 -0.4%(前月比)
予想 -0.2% 前回 -0.2%(前年比)
【日本】
景気一致指数・改定値(10月)14:00
予想 N/A 前回 89.7
景気先行指数・改定値(10月)14:00
予想 N/A 前回 93.8
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(18日までの週)21:00
予想 N/A 前回 1.1%(前週比)
耐久財受注・速報値(11月)22:30
予想 0.6% 前回 1.3%(前月比)
予想 0.5% 前回 1.3%(輸送除くコア・前月比)
新規失業保険申請件数(19日までの週)22:30
予想 88.0万件 前回 88.5万件(前週比)
PCEデフレータ(11月)22:30
予想 1.2% 前回 1.2%(前年比)
PCEコアデフレータ(11月)22:30
予想 1.4% 前回 1.4%(前年比)
個人支出(11月)22:30
予想 -0.2% 前回 0.5%(前月比)
個人所得(11月)22:30
予想 -0.3% 前回 -0.7%(前月比)
ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値(12月)24日0:00
予想 81.0 前回 81.4
新築住宅販売件数(11月)24日0:00
予想 99.5万件 前回 99.9万件(前月比)
【カナダ】
GDP(10月) 22:30
予想 0.3% 前回 0.8%(前月比)
予想 -3.6% 前回 -3.9%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員