モデルナの発表受けて一時105円台、その後上昇分解消

見通し 

モデルナの発表受けて一時105円台、その後上昇分解消

米株高など期待感進むも、ドル買いの動きは限定的に。ユーロドルも1.18台半ばへ戻す

英とEUとの協議、時間切れの警戒感広がる

【東京市場】ドル円は一時104円台半ば割れ

 前週末のNY市場で104円50銭台まで値を落としたドル円は、少し上昇して始まり、朝方は買い戻しの動きも出て104円70銭台を付ける動きも見られた。日経平均が大きく上昇して始まるなど、株高の動きがリスク選好の円売りを誘った面も。もっとも円売り一服後はドル売りが優勢に。前週末からしっかりの動きを示していたユーロドルが1.1830前後からじりじりと1.1850超えまで上昇するなど、主要通貨に対するドル売りの動きがドル円にも重石となった。

 大統領選に勝利したとみられるバイデン前副大統領が、景気回復や経済成長について計画を公表すると発表。ロックダウンに否定的であるということも伝わり、期待感からの米株先物時間外取引の上昇も、リスク選好の動きからのドル売りにつながった。

【ロンドン市場】ポンド売りドル買い

 ポンド売りドル買い主導でドルはしっかり。
朝方は東京市場に続いてドル売りの動きで、ドル円が東京市場の安値を割り込んで104.36近辺を付ける動きを見せた。
ユーロドルが1.1869、ポンドドルが1.3243前後まで。
その後EU外交筋から、英国とEUの自由貿易協定をめぐる協議について、時間切れの懸念が示され
英国のジョンソン首相からは、交渉継続が前提も、通商合意がなくてもやっていけると発言があり
警戒感からのポンド売りが目立つ展開に。
ポンドドルは1.3160台まで値を落とし、ユーロドルも1.1830台まで。

【NY市場】ドル円一時105円台に

 米バイオ製薬モデルナが新型コロナウイルス向けワクチンの最終治験で94.5%の効果を示したとの発表を取引開始前に行い
いったんは大きくリスク選好の動きが広がった。
ドル円は105円10銭台まで急騰。
しかし大台をその後割り込むと104円50銭台に値を落としてのもみ合いに。
米株の大きな上昇など、モデルナの発表を好感も
ドル買いに関しては限定的なものにとどまっており
逆に上値の重さが意識されている。

【本日の見通し】下値リスクを警戒

 ドル円はモデルナの発表後のドル買いで105円台を一時回復も、大台を維持出来ず発表後の上昇分を打ち消す動きとなっており
逆に上値の重さが意識される格好となっている。

 104円台前半での売りには慎重な姿勢が目立っているが、上値の重さが意識される中でポジション調整の動きが広がると
昨日の安値104.36を割り込む動きもありそう。

 ポンドは不安定な動きに。対EUとの協議については時間切れが迫っているが
依然として対立点の解消が進んでいない。この点はかなりの売り材料であるが
一方で先週末に強硬派のカミングス上級顧問が解任されたことなど、好材料もあり
不安定な動きが続きそうだ。

【本日の戦略】戻り売り

 ドル円は下値意識がかなり強まりそうな流れ。
ただ、104円台半ばから下では買いが入ってきているだけに
戻りを丁寧に売りに回りたいところ。
104円台後半での売り場探しか。
前日の高値105.12を超える水準では一回ストップという印象。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《11/16 月曜日》
  ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  104.78  1.1829  124.05
高値  105.13  1.1869  124.44
安値  104.36  1.1814  123.63
終値  104.58  1.1852  123.95
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《11/16 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  25906.93 +521.06
DOW   29950.44 +470.63
S&P    3626.91 +41.76
Nasdaq  11924.13 +94.84
FTSE   6421.29 +104.90
DAX   13138.61 +61.89
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《11/16 月曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=41.34(+1.21 +3.02%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1887.80(+1.60 +0.08%)
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《11/16 月曜日に発表された主な経済指標》
 
【日本】
GDP1次速報値(2020年第3四半期)08:50
結果 5.0%
予想 4.4% 前回 -8.2%(-7.9%から修正)(前期比)
結果 21.4%
予想 18.9% 前回 -28.8%(-28.1%から修正)(前期比年率)
結果 1.1%
予想 1.0% 前回 1.4%(1.3%から修正)(GDPデフレータ・前年比)

鉱工業生産(確報値)(9月)13:30
結果 3.9%
予想  前回 4.0%(前月比)
結果 -9.0%
予想  前回 -9.0%(前年比)
結果 6.4%
予想  前回 2.9%(設備稼働率・前月比)

【英国】
ライトムーブ住宅価格(11月)09:01
結果 -0.5%
予想  前回 1.1%(前月比)
結果 6.3%
予想  前回 5.5%(前年比)

【中国】
鉱工業生産指数(10月)11:00
結果 6.9%
予想 6.7% 前回 6.9%(前年比)
結果 1.8%
予想 1.8% 前回 1.2%(年初来・前年比)

小売売上高(10月)11:00
結果 4.3%
予想 5.0% 前回 3.3%(前年比)
結果 -5.9%
予想 -5.9% 前回 -7.2%(年初来・前年比)

【米国】
ニューヨーク連銀製造業景気指数(11月)22:30
結果 6.3
予想 13.8 前回 10.5(ニューヨーク連銀製造業景気指数)
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《11/16 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*政井日銀委員 
ETF買入れ、物価目標実現のための政策枠組みの1つ。
ETF買入れ、緩和のツールボックスの中に当面あり続ける。
ETF買入れ、さらなる柔軟性向上の観点含め議論を。
伝統的金融政策の波及経路を通じた効果、弱まっている。
物価は予想インフレ含めて全体的に低下している。
緩和長期化の副作用で考える事、ETFだけではない。
追加付利制度、緩和長期化の副作用に配慮した訳ではない。
追加付利制度、ひとまず市場は好意的に受け止めと認識。
コロナの影響が想定以上に長期化なら、企業財務に影響強まる。
自然利子率、すう勢的に低下傾向にある。
7-9月期GDP、まだまだ回復過程の水準と受け止め。
金融政策、予断を許すような状況ではない。

【豪州】
*ロウ豪中銀総裁
豪州、数年はインフレ抑制より雇用創出が大きな課題に。
企業にとってはリスクテイクが求められる、ダイナミックな経済状況で。
世界の金利動向が豪中銀に対するの利下げ圧力となっている。
金利上昇を追求するためのポートフォリオ調整を検討している。

チーム・オーストラリアは良い仕事をしている。
家計が貯蓄から支出する信頼感生まれること望む。
インフレが問題となることは全くあり得ない。
世界の中銀がマイナス金利に向かえば再検討する。
マイナス金利のコストは依然として利益を上回る
人口増加の加速の利益はコストを上回る。
(質疑応答で)

【ユーロ圏】
*バルニエEU首席交渉官
EUの交渉団は引き続き英国との協議を行っている。

*デギンドスECB副総裁
欧州の銀行セクターにおける構造的弱点への対応が急務。
持続的に低い収益性に対応するための余剰能力削減とコスト効率向上を。
損失の吸収、貸出を支え続けるため、銀行が資本バッファーを積極活用すべき。
パンデミック危機は経済活動を大きく圧迫。
経済は明らかに下振れ方向のリスクに傾斜。
経済の不確実性は合意なき英EU離脱リスクなどにより増大。

*独連銀月報
ドイツ経済は第4四半期にゼロ成長か縮小となる可能性。
新型コロナウイルス感染拡大が経済に与える影響は第2四半期ほどは厳しくない。

【英国】
*ジョンソン英首相
英国の独立した国家としての主権を傷つけるいかなる提案も受け入れない、EUとの交渉で。
EUとの通商合意がなくても、我々はうまくやっていくことに自信、EUとの交渉の再開で。
(BBC)

【米国】
*バイデン氏
州と自治体への財源供与が緊急に必要。
議会は協力して経済対策を承認すべき。
バイ・アメリカンとインフラ近代化を改めて訴え。
産業界指導者との会合で結束は驚くべきものだった。
産業界と労組の合意に勇気づけられる。
私はワクチン接種をためらわない。
共和党は雇用と生命を守ることに勇気を持つべき。

*クラリダFRB副議長
インフレが安定的に2%に落ち着くまで利上げはないと再言及。
FRBは債券購入の有効性を評価し続ける。
ウイルス感染は前例のない経済的な打撃を与えた。
回復までにはしばらく時間がかかる。
長期の物価安定はなお2%。
FRBは2018年にインフレを2%に上昇させることができることを示した。

*イエレン前FRB議長
金融政策には限界がある。
金利の下限は制限されている。
財政政策が必要不可欠。
インフレ、雇用最大化というFRBの2大責務に矛盾なし。
FRBは特定の層の失業率を目標とすべきではない。

*パウエル議長が明日イベントに出席

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《本日予定されている主な経済指標》

【香港】
失業率(10月)17:30
予想 6.6% 前回 6.4%

【カナダ】
住宅着工件数(10月)22:15
予想 22.10万件 前回 20.9万件

【米国】
輸入物価指数(10月)22:30
予想 0.0% 前回 0.3%(前月比)
予想 -0.7% 前回 -1.1%(前年比)

小売売上高(10月)22:30
予想 0.5% 前回 1.9%(前月比)
予想 0.6% 前回 1.5%(自動車除くコア・前月比)

設備稼働率(10月)23:15
予想 72.4% 前回 71.5%(前月比)

鉱工業生産指数(10月)23:15
予想 1.0% 前回 -0.6%(前月比)

企業在庫(9月)18日0:00
予想 0.5% 前回 0.3%(前月比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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