【これからの見通し】リスク回避方向に傾きやすい状況、新型コロナめぐる警戒感で
【これからの見通し】リスク回避方向に傾きやすい状況、新型コロナめぐる警戒感で
今週は株式市場が軟調に推移する局面が多くなっている。米大統領選前の支援策合意の可能性が遠のいたことや、英国とEUとの貿易交渉関連の報道が流れなくなっており、膠着感が強まっていることなど、これまで市場が期待していたようには事が進まなくなっている。
米大統領選を11月3日に控えているが、郵便投票の扱いをめぐってトランプ陣営とバイデン陣営が双方とも勝利宣言を行うかもしれない、との観測もでてきている。郵便投票の結果が判明するまでには数日のタイムラグが必要とされており、すんなりと結果がでてこない可能性が高そうだ。法廷闘争などに持ち込まれるようだと、不透明感が今後も続くかもしれない。
市場の不安が増幅されるなかで、米国や欧州での新型コロナ感染拡大が加速している。第2波、さらには第3波などと報じられている。ドイツやフランスでは部分的なロックダウン措置が検討されているようだ。全国的な規模となる場合にも、学校までは閉鎖しないなどややマイルドな措置が考えられている模様。ただ、感染拡大の度合い次第では、一時的な措置にはとどまらないリスクもあろう。初めての秋から冬の時期を迎えることとなり、寒さによる体力低下や乾燥した空気で感染拡大しやすいことなど、まだ未知数のことが多い。
そのような状況でこのあとの海外市場でも新型コロナ関連の報道に市場が神経質に反応することが想定されよう。足元では円高の動きが優勢になっており、ドル円とクロス円が下落している。
この後の海外市場で発表される経済指標は、南アフリカ消費者物価指数(9月)、米MBA住宅ローン申請指数(23日までの週)、米卸売在庫・速報値(9月)、カナダ中銀政策金利 など。カナダ中銀は現行の政策金利水準に据え置く見通し。発表後には、マックレム加中銀総裁、ウィルキンス上級副総裁が記者会見を開く。
その他のイベント予定は、デコス・スペイン中銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁が講演やイベントに参加する。米週間石油在庫統計の発表、米5年債入札(550億ドル)に実施が予定されている。フェイスブック、グーグル、ツイッターCEOなどが上院公聴会で証言する。米主要企業決算は、ボーイング、アムジェン、eベイ、VISA、フォード、マスターカード、ギリアド・サイエンシズ、GEなど目白押し。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。