【中銀チェック】トルコ中銀 2会合連続利上げへ
先月の理事会で予想外に2.0%の利上げに踏み切ったトルコ中銀。とはいえ、依然として同国の消費者物価指数(CPI)前年比を下回る水準で、実質金利がマイナスとなっていることから、今回の理事会での連続利上げが期待されている。
前回の会合では、実質金利が大きなマイナスとなっていることから、通常であれば利上げ見通しが広がるところであったが、エルドアン大統領の低金利志向が強く意識されて金利据え置き見通しが大勢であった。同国のインフレ抑制のため政策金利を託維持したチェティンカヤ総裁(当時)が昨年7月に解任され、ウイサル現総裁が副総裁から昇格して以降、今年5月まで各会合で利下げを続け、その後3カ月連続で据え置いた後の利上げ実施となった。
前回の利上げを受けていったんはトルコリラ買いの動きが見られたが、隣国アルメニアと友好国アゼルバイジャンとの間で激しい軍事衝突が起こり、トルコへの波及が懸念される中で、リラの上昇分を打ち消し、史上最安値を更新する動きとなっている。
アルメニアとアゼルバイジャンは、ロシアの仲裁でいったんは休戦で合意も、両国の攻撃は止まらず泥沼化。ただ、ロシアが欧州安保協力機構によるミンスクグループの共同議長国であるフランスと共に、調停に向けた動きを強めているほか、23日には米国のポンペオ国務長官がアルメニアとアゼルバイジャンの両外相と会談を行うと発表されており、停戦に向けた動きが徐々に進んでいる。
今回のトルコ中銀理事会で連続利上げが行われると、トルコリラ反発のきっかけとなりうる地合いに。
最新9月のCPI前年比11.75%を超える12.00%までの利上げが現状では期待されている。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。