ユーロ高目立つ展開、リスク選好の動きも
ユーロ高目立つ展開、リスク選好の動きも
米追加経済対策に関する協議は21日以降も継続が決定。
【東京市場】朝にやや円安
ドル円は朝の取引で直近上値を抑えていた105円50銭を超えて105円60銭台まで上昇。
その後は少し調整が入ってのもみ合いとなった。
朝は本日再協議が行われる予定となっているペロシ下院議長とムニューシン財務長官の追加経済対策に対する協議への期待感が
ドル円を押し上げた。関係者筋から対立の解消に近づいているとのコメントが出たことなどが期待感につながった。
もっとも株が値を落としたこともあり、高値圏からの買いには慎重。今日の協議の行方を見極める展開に。
クロス円も基本的に同様の動き。ユーロ円は124円10銭前後から124円34銭まで上昇し、その後もみ合いに。
【ロンドン市場】リスク選好の動き
リスク選好の動きが広がった。ドル円は一時105円75銭前後まで上昇も続かず。
ユーロが対ドル、対円で上昇。ユーロドルが1.18台に乗せてきた。
EU発行のソーシャルボンドに注文が集まり、
ユーロ圏経済の回復支援の安定化期待が広がったことなどが背景に。
ポンドは朝方やや売りも、その後ユーロの買いに合わせて買いが入り、下げ分を解消。
【NY市場】ドル円105円40銭台、ユーロ高続く
ユーロドルは一時1.1840前後まで上昇。その後も高値圏もみ合いと
ロンドン市場での上昇基調がさらに強まる展開に。
リスク選好のドル売りに押されてドル円は105円75銭を付けた高値圏から105円40銭台に押されてもみ合い。
米追加経済対策に関する協議は21日以降も継続が決定。
合意に向けた動きが進んでおり、期待感も。
【本日の見通し】様子見ムード続く
注目材料であった米追加経済対策に関する民主党ペロシ下院議長とムニューシン財務長官との協議は
21日以降も継続が決定。今週内の合意に向けた動きとなっている。
20日をデッドラインとしていたが、合意の期待のある延長ということで
少しリスク選好の動きも、やや慎重という流れで
動きにくい展開となりそう。
ドル円は105円半ば前後での推移が続くか。
英EUの通商協議も継続中となっており、政治的な動きをにらみながらの展開が続く。
明日の米大統領候補者討論会(日本時間では明後日)もあり、
史上は様子見ムードが強い展開が続きそう。
【本日の戦略】レンジ取引
米追加経済対策協議の結果待ち
基本はドル買い円売り方向の意識も無理をせず。
クロス円の上昇の方が期待できそうだが、ある程度買われた後だけに
出来れば押し目を待ちたいところ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《10/20 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.43 1.1769 124.10
高値 105.75 1.1841 125.00
安値 105.35 1.1760 124.03
終値 105.50 1.1822 124.72
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《10/20 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23567.04 -104.09
DOW 28308.79 +113.37
S&P 3443.12 +16.20
Nasdaq 11516.49 +37.61
FTSE 5889.22 +4.57
DAX 12736.95 -117.71
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《10/20 火曜日の商品市場》
NY原油先物11月限(WTI)(終値)
1バレル=41.46(+0.63 +1.54%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1915.40(+3.70 +0.19%)
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《10/20 火曜日に発表された主な経済指標》
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(9月)15:00
結果 0.4%
予想 -0.1% 前回 0.0%(前月比)
結果 -1.0%
予想 -1.4% 前回 -1.2%(前年比)
ユーロ圏経常収支(8月)17:00
結果 199.0億ユーロ
予想 N/A 前回 170.0億ユーロ(166.0億ユーロから修正)(季調済)
【香港】
雇用統計(9月)17:30
結果 6.4%
予想 6.2% 前回 6.1%(失業率)
【米国】
住宅着工件数(9月)21:30
結果 141.5万件
予想 146.5万件 前回 138.8万件(141.6万件から修正)(住宅着工件数)
結果 1.9%
予想 3.5% 前回 -6.7%(-5.1%から修正)(住宅着工件数(前月比))
結果 155.3万件
予想 152.0万件 前回 147.6万件(147.0万件から修正)(住宅建築許可件数)
結果 5.2%
予想 3.0% 前回 -0.5%(-0.9%から修正)(住宅建築許可件数(前月比))
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《10/20 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【豪州】
*豪中銀議事録(10月6日開催分)
豪州の今年の経済と健康は国際的な状況と比べて悪くない
世界経済は緩やかな回復を示していたが、やや緩みも
ビクトリア州を除く地域の労働状況は引き続き改善
国全体としての労働市場の悪化は予想ほどではなかった
金融安定化のリスクは信用の質の低下に関連する
金融資産価格は低金利長期化の予想により不確実性にも関わらず3月から反発
豪政府証券の長期利回りはほとんどの先進国より高いが、ここ数週間金利差が縮小
豪ドルは過去数年のピークをわずかに下回る。
為替レートはファンダメンタル要因とおおむね一致
レートが低いほど、豪州経済の回復に刺激
*ケント豪中銀総裁補
2008年の時よりも、バランスシートに関する緩和は大きくなっている。
豪銀行間取引金利(BBSW)がゼロ以下となることは予想外ではない。
短期国債金利は圧縮の余地
豪中銀は政策の枠組みに関する正式なレビューをまだ行っていない。
【英国】
*ザハウィ英政務次官(ビジネス・産業担当)
EUが交渉で英国を主権国家として扱わないのであれば、話し合いの余地はない。
我々は合意を得ようと努力している。
*ブリハ英中銀委員
政策スタンスへのリスクは下方向に傾いている。
政策スタンスへのリスクは一層の刺激策を示唆。
マイナス金利はおそらく非生産的ではないだろう。
*バルニエEU首席交渉官
英国との協議に対するわれわれの扉は開かれたまま。
*英政府
バルニエEU首席交渉官とフロスト英交渉官の協議は建設的。
EUとの協議のスタンスに変化はない。
バルニエ交渉官とフロスト交渉官は連絡を取り合う。
【米国】
*ペロシ米下院議長
みんなが合意を望んでいる。
合意に楽観的で経済には必要。
民主党はなお税額控除で戦っている。
州や地方政府の支援でなお隔たり。
債務引き当てでなお隔たり。
11月3日までの法制化に向け迅速な行動必要。
本日が条件を設定する期限。
*エバンス・シカゴ連銀総裁
景気回復はまちまち。
失業率は年内に5.5%程度までの低下見込む。
来年の景気には幾分楽観的。
春のモメンタムに注目している。
時期尚早の利上げには注意深くなる必要。
追加経済対策が支援となろう。
必要なら、いま以上の追加資産購入が可能。
2.5%?2.75%のインフレなら悩まされない。
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《本日予定されている主な経済指標》
【英国】
消費者物価指数(9月)15:00
予想 0.5% 前回 -0.4%(前月比)
予想 0.6% 前回 0.2%(前年比)
予想 1.3% 前回 0.9%(コア・前年比)
生産者物価指数(9月)15:00
予想 0.0% 前回 0.0%(出荷・前月比)
予想 -0.9% 前回 -0.9%(出荷・前年比)
予想 -0.3% 前回 -0.4%(仕入・前月比)
予想 -5.4% 前回 -5.8%(仕入・前年比)
予想 0.0% 前回 0.1%(出荷コア・前月比)
予想 0.1% 前回 0.0%(出荷コア・前年比)
小売物価指数(9月)15:00
予想 0.3% 前回 -0.3%(前月比)
予想 1.1% 前回 0.5%(前年比)
予想 1.4% 前回 0.8%(除くモーゲージ利払い・前年比)
公共部門ネット負債(9月)15:00
予想 324億ポンド 前回 352億ポンド
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(16日までの週)20:00
予想 N/A 前回 -0.7%(前週比)
【カナダ】
小売売上高(8月)21:30
予想 1.1% 前回 0.6%(前月比)
予想 0.9% 前回 -0.4%(自動車除く・前月比)
消費者物価指数(9月)21:30
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
予想 0.5% 前回 0.1%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員