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【レビュー】雇用統計は弱かったのか~9月米雇用統計

見通し 

 2日に発表された9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が8月の+148.9万人(速報時点では+137.1万人)、事前予想値の+87.5万人を大きく下回る+66.1万人にとどまった。
 民間雇用は事前予想の+87.5万人に対して+87.7万人とほぼ予想通りであり、今回予想を大きく下回る要因となったのは政府部門。
 8月は+46.7万人と全体を押し上げた同部門は、-21.6万人と一気の減少を見せた。なお、前回の強い数字は連邦政府部門の+25.0万人が押し上げていた。今回は-3.4万人とやや冴えない数字も、全体を押し下げるほどではなく、今回の弱い数字の主要因は地方政府の教育部門の-23.11万人にある。本来9月は新学期シーズンで学校関連での新規雇用が多く出るが、今年は新型コロナウイルスの影響でそれほどでもなかったため、季節調整値が強く影響しすぎた格好である(季節調整をかけない数字では+65.1万人と、前回の+40.11万人を超えるペースでしっかり増えている。ただ例年ほどではなかったというだけ)。ちなみに政府部門全体でも季節調整前は+80.9万人としっかり伸びている。
 新型コロナウイルスによる雇用環境の変化が出たという形である。

 なお、失業率は8月の8.4%、事前予想値の8.2%を下回る7.9%へ低下した。7月から8月の10.2%から8.4%への大幅低下ほどではないにせよ、予想を大きく下回る好結果となった。
 ただ、こちらに関しては労働参加率が8月の61.7%から61.4%に予想外(事前予想は61.9%)に低下しており、この影響が大きい。(雇用市場の状況が悪化すると、求職活動そのものをあきらめてしまう層が増え、労働参加率が下がる。求職活動しないと失業率の計算母体から省かれてしまうので、失業率自体は改善する)。
 ただ、U6失業率も14.2%から12.8%に低下しており、こちらはかなり好印象。
 平均時給の低さもあり、全体に総じてさえない印象があったが、非農業部門雇用者数での特殊事情、U6失業率の大幅低下などを考えると、米雇用市場の回復傾向は維持されているという印象を受ける結果となった。

MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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