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安倍首相辞任を受けての円高広がる

見通し 

安倍首相辞任を受けての円高広がる

それまでは上昇、ドル円は107円手前から105円台前半に

ドル安の動きも強まり、ユーロドルは1.1920まで

【東京市場】安倍首相辞任観測報道で流れが一気に変わる

 ドル円は午前中から昼にかけてドル高円安が進行。一時106.95円と14日以来の高値を付ける動きを見せた。
しかし、午後に入って安倍首相の辞任観測報道が流れ雰囲気が一変。106円台円半へ大きく値を落とした。

 クロス円でも一気に円高となり、湯^ロエンは昨年4月19日以来となる126.77円を付けた後、
126円台前半に値を落とす格好となった。

【ロンドン市場】円高ドル高に

 安倍首相は辞任を正式表明
リスク警戒の円高が広がる展開となりドル円は105円台前半まで大きく値を落とした。
ユーロ円は125円台前半まで、ポンド円は140円近辺まで値を落とす展開で
円は全面高に。

 ドル円以外でもドル安の動きが見られ、ユーロドルが1.19台に乗せるなどの動きに。
一時1.1920前後で木曜日のパウエル議長講演後の高値を上回った。

【NY市場】頭の重い展開続く

 ドル円は105円台前半中心の頭の重い展開となった。東京昼過ぎに安倍首相の辞任観測報道が出て始まったドル売り円買いの流れは、その後の正式な辞任発表などを経て、東京朝までドル売り円買いにつながった。ドル円はNY朝方に105円20銭を付ける動きを見せた。東京昼過ぎに126円77銭を付けたユーロ円がNY午前に125円20銭を付けるなど、クロス円でも円高が進行。

 また、米債利回りの低下が見られ、こちらはドル売りに作用した。木曜日のパウエル議長講演後、低金利政策長期維持見通しによる金利低下よりも、株高期待や、期待インフレ率上昇期待などに米債利回りは上昇していたが、ロンドン市場からNY市場午前にかけて一転して低下傾向に。米株高の動きが落ち着いたことなどが米債の買い戻し(利回りの低下)につながった。ロンドン朝に0.7868%を付けていた米10年債利回りは、NY昼前後に0.7113%まで低下。午後に入って米株高の動きが強まったことで利回りは少し戻したが、引けにかけて再び下げるなど、やや低下傾向が見られ、ドル売りにつながっている。

 ユーロドルはユーロ円でのユーロ売りと、ドル安の動きに挟まれる中でややしっかり。ロンドン午前に続いてNY朝に1.1920近くまで上昇し、その後いったん値を落としたが、引けにかけて1.19台を回復している。

 対ドルで上昇がより目立ったのがポンドで、ポンドドルは東京朝の1.3180台から1.3350台までの大きな上昇に。1.3320前後から1.3260台までの調整がNY朝方に見られたが、その後再び買いが入る展開。ベイリー英中銀総裁がQE維持などの緩和姿勢継続の意向を示したが反応は鈍かった。

【本日の見通し】調整の動きどこまで

 先週末は安倍首相の辞任表明というサプライズを受けてのドル売り円買いが広がった。
週末に菅官房長官が出馬意思を示したことで大きな混乱が避け得られるとの思惑から
少し買い戻しの動きも期待される。
ただ、週末の雇用統計などを控え、突っ込んだ買いは難しいか。
ドル円は105円台での動きが中心となりそう。
明日のISM製造業、金曜日の雇用統計など、今週は重要指標が目白押しなだけに、
レンジを超えての動きは指標結果を見てからとなる可能性も。

【本日の戦略】押し目買い

 突っ込んだ位階は避けたいところ。
基本は金曜日の円買いの調整。ただ、ドル安基調に関しては日本の政治問題とは関係なく進んだ面があるだけに
無理をする局面には見えない。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《8/28 金曜日》
      ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  106.57  1.1822  125.98
高値  106.95  1.1920  126.77
安値  105.20  1.1811  125.20
終値  105.37  1.1903  125.39

—+—+—+—+—+—+—+–+–
《8/28 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  22882.65 -326.21
DOW   28653.87 +161.60
S&P    3508.01 +23.46
Nasdaq  11695.63 +70.29
FTSE   5963.57 -36.42
DAX   13033.20 -63.16

—+—+—+—+—+—+—+–+–
《8/28 金曜日の商品市場》

NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=42.97(-0.07 -0.16%)
ブレント先物NOV月限(ICE)(終値)
1バレル=45.81(+0.21 +0.46%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1974.90(+42.30 +2.19%)

-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《8/28 金曜日に発表された主な経済指標》

【ユーロ圏】
GfK消費者信頼感調査(9月)15:00
結果 -1.8
予想 1.0 前回 -0.2(-0.3から修正)(Gfk消費者信頼感)

フランスGDP・確報値(第2四半期)15:45
結果 -13.8%
予想 -13.8% 前回 -13.8%(前期比)
結果 -18.9%
予想 -19.0% 前回 -19.0%(前年比)

ユーロ圏消費者信頼感・確報値(8月)18:00
結果 -14.7
予想 N/A 前回 -14.7

【スイス】
KOF先行指数(8月)16:00
結果 110.2
予想 90.0 前回 86.0(85.7から修正)
 
【ブラジル】
失業率(7月)21:00
予想 13.6% 前回 13.3%

【カナダ】
実質GDP(2020年第2四半期)21:30
結果 -38.7%
予想 -39.6% 前回 -8.2%(実質GDP(前期比))

実質GDP(6月)21:30
結果 6.5%
予想 5.8% 前回 4.5%(実質GDP(前月比))
結果 -7.8%
予想 -9.0% 前回 -13.8%(前年比)

【米国】
個人所得・支出(7月)21:30
結果 0.4%
予想 -0.2% 前回 -1.0%(-1.1%から修正)(個人所得)
結果 1.9%
予想 1.6% 前回 6.2%(5.6%から修正)(個人支出)

PCEデフレータ(7月)21:30
結果 1.0%
予想 1.0% 前回 0.9%(0.8%から修正)(PCEデフレータ・前年比)
結果 0.3%
予想 0.5% 前回 0.3%(0.2%から修正)(PCEコアデフレータ・前月比)
結果 1.3%
予想 1.2% 前回 1.1%(0.9%から修正)(PCEコアデフレータ・前年比)

卸売在庫(速報値)(7月)21:30
結果 -0.1%
予想 -0.9% 前回 -1.3%(-1.4%から修正)(前月比)

シカゴ購買部協会景気指数(8月)22:45
結果 51.2
予想 52.6 前回 51.9

ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(8月)23:00
結果 74.1
予想 72.8 前回 72.8(ミシガン大学消費者信頼感指数)
現況指数
結果 82.92
予想 82.4 前回 82.5
先行指数
結果 68.5
予想 66.0 前回 66.5
1年期待インフレ
結果 3.1%
予想  N/A 前回 3.0%
5-10年期待インフレ
結果 2.7%
予想 N/A 前回 2.7%
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《8/28 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【米国】
*トランプ米大統領
共和党候補指名を正式に受諾した。
2期目には歴史上最高の経済を再び築く
完全雇用と記録的繁栄の回復を約束する
中国への依存を完全に終わらせると約束する
中国に対して米国史上、最も厳しく協力で大胆な行動をとった
新型コロナウイルス感染拡大の責任を中国に取らせる
控えめに言って、リンカーン以来の大統領で、私が最も黒人社会に尽くした大統領だ

*ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
しばらくの間は危機以前の失業水準には戻らないだろう。
小売、旅行業界の雇用は同じようには戻らない。
労働市場の回復の動きは横ばい。

【日本】
*安倍首相
辞意を正式表明。
6月の定期健診で再発の兆候と指摘、潰瘍性大腸炎。
先月中ごろから体調に異変。
潰瘍性大腸炎の再発が8月上旬に確認された。
投薬の効果確認も、予断許さない。
病気と治療を抱え、体力万全でない。
大切な政治判断誤ることあってはならない。
国民の負託に自信をもって応えられない。
新体制移行するならこのタイミングしかないと判断した。
国民に心よりおわびを申し上げる。
拉致問題を解決できず、痛恨の極み。
志半ばで断腸の思い  憲法改正、日ロ平和条約交渉。
後任総理任命まで最後まで責任果たす。

*関係者 
黒田日銀総裁は23年4月までの任期を全うするだろう。
日銀は現在の金融緩和政策を継続、安倍首相退陣でも。

【英国】
*ベイリー英中銀総裁
政策手段にマイナス金利の可能性は含まれる。
パンデミック危機にはQEが有効。
フォワードガイダンスは緩和的な状況が続くこと示すこと目的。
QEの解除については現時点で議論されていない。
-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》

【韓国】
鉱工業生産(7月)8:00
予想 2.5% 前回 7.2%(前月比)

【日本】
鉱工業生産・速報値(7月)8:50
予想 5.0% 前回 1.9%(前月比)
予想 -17.7% 前回 -18.2%(前年比)

【中国】
製造業PMI(8月)10:00
予想 51.1 前回 51.1

【スイス】
小売売上高(7月)15:30
予想 N/A 前回 1.1%(前年比)

【トルコ】
GDP(第2四半期) 16:00
予想 -10.1% 前回 4.5%(前年比)

【インド】
GDP(第2四半期)21:00
予想 -19.2% 前回 3.1%(前年比)

【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・速報値 (8月)21:00
予想 0.0% 前回 -0.5%(前月比)
予想 0.1% 前回 -0.1%(前年比)

ドイツ調和消費者物価指数・速報値 (8月)21:00
予想 0.0% 前回 -0.5%(前月比)
予想 0.1% 前回 0.0%(前年比)

【南アフリカ】
貿易収支(7月)21:00
予想 125億ランド 前回 466億ランド

【カナダ】
鉱工業製品価格(7月)21:30
予想 N/A 前回 0.4%(前月比)

原材料価格指数(7月)21:30
予想 N/A 前回 7.5%(前月比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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