ドル高の動きも、限定的 今週のジャクソンホールなどにらむ
ドル高の動きも、限定的
ドル円一時106円台回復。ユーロドルなどでのドル買いが背景に
【東京市場】全般にドル安も値幅限定的
ドル円は105円50銭台まで値を落とす展開となった。
前日午後からじりじりとドル安が広がる頭の重い展開が続いている。安値は105円55銭までにとどまっており、値幅は限定的。
ユーロドルが一時1.1883を付けており、ドルは全般に軟調。
FOMC議事録で、YCC(イールドカーブコントロール)に対して批判的な見方が広がったことや、
次回9月のFOMCでのフォワードガイダンスの変更に向けた示唆が見られなかったことで一時ドルの買い戻しが優勢となっていた。
しかし106円台での買いが続かず、中期的には流れはまだ下との思惑が強いことなどもあって、再びドル売りが広がる展開に。
ただ、週末を前に105円割れを試すような動きにも消極的で、じりじりとした動きにとどまっている。
【ロンドン市場】欧州通貨安ドル高
ユーロやポンドが対ドルで売られた。
注目されたユーロ圏及び独仏のPMIがサービス業を中心に弱く警戒感を誘った。
サービス業は製造業以上に新型コロナウイルスの感染動向の影響を受けやすい。
一時の経済再開期待がやや後退している面も。
ポンドはユーロにつれ安。英小売や英PMIがしっかりしており
ユーロポンドで当初はポンド買いも、
英国とEUとの通商交渉で進展なく、現時点では合意の可能性低いとの
バルニエEU主席交渉官のコメントがポンド売りに。
【NY市場】ドル円一時106円台回復
ドルの買い戻し基調がロンドン市場から続き、ドル円もしっかり。
一時106円台を付ける動きが見られた。
欧州のPMIとは対照的に米PMIは好結果。
ドル買いの動きを誘った。
ユーロドルが1.17台半ばまで一時値を落とすなどドルは全面高に。
引けにかけては調整が入っている。
【本日の見通し】もみ合い
先週末海外市場で106円台回復も続かず。
当面は不安定な展開が続く見込み。
今週はジャクソンホール会合が控えており、大きな流れが生じる可能性も。
オンライン開催でいつものほどの盛り上がりがあるかは微妙も、
基調講演となるパウエル議長の講演にはかなりの注目が集まっている。
27日の演説までは105円台後半から106円台前半のレンジを中心とした推移。
ユーロドルは先週末海外市場で1.18台後半から1.1750台まで大きく売られた後を受けての週明けの市場。
週末前に1.18近くまで回復も大台を超えきれないなど上値に重さ。
もっともあくまで調整が主体の展開で、期待は上方向。
【本日の戦略】押し目買い
少し下値しっかり感。
ジャクソンホールまでは方向性が出にくく、レンジ取引も、
買いから入る方がやややりやすそう。
ただ、中長期的にはドル安方向の意識が継続。
少し長めの取引ならば売り場探しお。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《8/21 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.80 1.1860 125.48
高値 106.07 1.1883 125.56
安値 105.44 1.1754 124.44
終値 105.80 1.1797 124.81
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《8/21 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 22920.30 +39.68
DOW 27930.33 +190.60
S&P 3397.16 +11.65
Nasdaq 11311.80 +46.85
FTSE 6001.89 -11.45
DAX 12764.80 -65.20
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《8/21 金曜日の商品市場》
NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=42.34(-0.48 -1.12%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1947.00(+0.50 +0.03%)
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《8/21 金曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
GfK消費者信頼感調査(速報値)(8月)08:01
結果 -27.0
予想 -25.0 前回 (GfK消費者信頼感調査)
公共部門ネット負債(7月)15:00
結果 259.0億ポンド
予想 283.0億ポンド 前回 288.0億ポンド(348.0億ポンドから修正)(公共部門ネット負債)
小売売上高(7月)15:00
結果 3.6%
予想 2.0% 前回 13.4%(前月比)(含む自動車燃料)
結果 1.4%
予想 0.1% 前回 -1.6%(前年比)(含む自動車燃料)
結果 2.0%
予想 0.2% 前回 13.5%(13.9%から修正)(前月比)(除く自動車燃料)
結果 3.1%
予想 1.5% 前回 1.7%(前年比)(除く自動車燃料)
CIPS製造業PMI・速報値(8月)17:30
結果 55.3
予想 54.0 前回 53.3
CIP非S製造業PMI・速報値(8月)17:30
結果 55.3
予想 54.0 前回 53.3
【日本】
消費者物価指数(7月)08:30
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.1%(前年比)
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 0.0%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI・速報値(8月)16:30
結果 53.0
予想 52.3 前回 51.0
ドイツ非製造業PMI・速報値(8月)16:30
結果 50.8
予想 55.2 前回 55.6
ユーロ圏製造業PMI・速報値(8月)17:00
結果 51.7
予想 52.7 前回 51.8
ユーロ圏非製造業PMI・速報値(8月)17:00
結果 50.1
予想 54.5 前回 54.7
ユーロ圏消費者信頼感・速報値(8月)23:00
結果 -14.7
予想 -15.0 前回 -15.0
【カナダ】
小売売上高(6月)21:30
結果 23.7%
予想 24.5% 前回 21.2%(18.7%から修正)(前月比)
結果 15.7%
予想 14.9% 前回 10.6%(コア・前月比)
【米国】
米製造業PMI(8月)22:45
結果 53.6
予想 52.0 前回 50.9
非製造業PMI(8月)22:45
結果 54.8
予想 51.0 前回 50.0
中古住宅販売件数(7月)23:00
結果 586万件
予想 541万件 前回 470万件(472万件から修正)
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《8/21 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*バイデン氏
民主党の大統領候補指名を受諾
米国市民は暗闇の季節を克服できる
当選した時はすべての米国民の代表となる
キャンペーンで米国人の魂を獲得する
新型コロナウイルスの制御が最初のステップとなる。
気候変動を米国がリードする機会である
ハリス副大統領候補は巨大金融機関や銃ロビー活動に対抗するものとなる
人種差別という社会のシミを一掃する
*米製薬大手ファイザー
新型コロナウイルスのワクチンは10月の審査申請に向けて順調に進んでいる。
2020年末までに全世界で1億回、2021年末までに13億回分の供給を見込んでいる。
【NZ】
*アーダーン首相
オークランドのロックダウン延長するか否か月曜日に決める。
【ユーロ圏】
*バルニエEU首席交渉官
英国との交渉の進展状況に失望している。
英国は単一市場への権利失うことを選んだ。
英国との合意、現段階では可能性低い。
【英国】
*英交渉責任者フロスト氏
今週のEU離脱交渉、ほとんど進展なかった。
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《本日予定されている主な経済指標》
【NZ】
小売売上高(第2四半期)7:45
予想 -18.3% 前回 -0.7%(前期比)
【シンガポール】
消費者物価指数(7月)14:00
予想 -0.5% 前回 0.0%(前月比)
予想 -0.6% 前回 -0.5%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員