バリ島で国内の観光客受け入れを再開、コロナ感染は収束せず
インドネシアのバリ島では7月31日から、国内の観光客受け入れを再開した。イスラム教の「イード・アル・アドハ(犠牲祭)」の祝日に合わせたもので、9月中旬以降、海外からの観光客の受け入れも予定している。同島の外貨収入を期待する中央政府も、海外からの航空便の制限緩和を検討する方針とされている。
バリ島は観光が主要産業であるが、インドネシアで初のコロナウイルス感染者が確認された3月から、飲食業、ホテル業は営業停止に追い込まれていた。島内各地にあるビーチや観光スポットも閉鎖となっていたが、経営困難から多くの飲食店、土産物屋などが倒産に追い込まれ、このままでは観光地としてバリの復活は不可能になるとの危機感が高まっていた。
しかし、インドネシアにおける新型コロナウイルスの感染者数は10万人を超え、東南アジアのなかでも多い状況。ジョコ大統領は7月27日のコロナ対策の関係閣僚会議で「ワクチンが利用可能になるまで健康の確保が最優先」と強調したが、各州政府は経済を優先して行動制限を緩和しており、収束のメドは立っていない。
日本貿易振興機構(JETRO)によれば、2020年1月から3月までの経済成長はマイナス7.7%に落ち込んでいる。4月からの海外入国者制限実施に伴い、外国人観光客が激減しているため、4月から6月にかけても厳しい数値が見込まれる。
インドネシアルピア円は6月上旬につけた0.79円台の高値から下落トレンドを続けており、目先は節目の0.70円近辺で下げ止まるかが注目点となる。しかし、経済見通しは明るいとは言えず、4月上旬につけた直近安値0.65円前後まで一段安の可能性もあるだろう。
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執筆者 : MINKABU PRESS
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