ドル円狭いレンジでもみ合い続く、新型コロナ第二波警戒も動き限定的
ドル円狭いレンジでもみ合い続く、新型コロナ第二波警戒も動き限定的。
ドル円除くとドル安の流れ、特にユーロドルの戻しがしっかり
ECBの債券購入プログラムを違憲判断した独憲法裁判所で判事が交代へ
流れが変わるとの期待感も
【東京市場】狭いレンジでのもみ合い続く
ドル円は106円台後半の狭いレンジでもみ合いとなった。新型コロナウイルスの感染の第二波への警戒感が強まる展開。週末にカリフォルニア州などでこれまでで最も多い一日当たりの新規感染者数を記録するなどの状況を受けて、リスク警戒の動きが広がった。
もっとも106円台での売りには慎重で、動きにくい展開。オセアニア市場でいったん円高に振れたものの、その後は106円90銭を中心に狭いレンジでのもみ合いに終始した。
ユーロドルは1.12台を回復。ドル円を除くドル高の動きに調整が入った。株の買い戻しなどがリスク警戒の動きを若干後退させた格好で、朝方の1.1160台から1.12台回復まで。
【ロンドン市場】一時107円台付けるも続かず
一時107.01を付ける動きが見られたがすぐに戻して狭いレンジでのもみ合いが続いた。
ユーロ円も120円台を付けるなど円安の動きも、続かず。
様子見ムードが広がる展開が続いている。
【NY市場】膠着
NY市場でも膠着ムード。ドル円は106円90銭前後でのもみ合い。
新型コロナウイルスの感染拡大第二波警戒が重石も、
突っ込んで売りに回る勢いもない。
ドル売りの流れでユーロドルが1.12台後半を付ける動きとなった。
ユーロに関してはドイツ憲法裁判所の判事変更予定が
ECBの債券購入プログラムに対する同裁判所判断に好影響との思惑もユーロ買いに。
【本日の見通し】次の流れ探る
ドル円は狭いレンジでのもみ合いが続いている。
107円台が重くなっており、リスクは下方向も突っ込んだ売りを避ける流れに。
一時の円買いドル円を除くドル買いユーロなどその他通貨売りの流れに調整が入る格好。
米株もプラス圏推移となっており、一時のリスク警戒が後退している。
もっとも新型コロナ第二波警戒は継続。
カリフォルニア、テキサス、フロリダなどでの新規感染の動きが強まっており、
カリフォルニア郡は郡ベースでの感染者数で、現在トップのクック郡(イリノイ州、シカゴ市など含む)を
超えていくような勢いとなっている。
【本日の戦略】戻り売り
動きは鈍いが、頭の重さが印象的に。
ドル円は基本的に売りを意識。短期的には107円台をしっかり回復する展開になるとストップか。
106円台半ばを目指す流れとみているが、様子見ムードが強いだけに材料次第で一気に雰囲気が変わる可能性も。
デイトレはなるべく柔軟に。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《6/22 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.88 1.1192 119.50
高値 107.01 1.1270 120.44
安値 106.75 1.1169 119.31
終値 106.91 1.1261 120.38
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《6/22 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 22437.27 -41.52
DOW 26024.96 +153.50
S&P 3117.86 +20.12
Nasdaq 10056.47 +110.35
FTSE 6244.62 -47.98
DAX 12262.97 -67.79
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《6/22 月曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)*最終売買日
1バレル=40.46(+0.71 +1.79%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1766.40(+13.40 +0.76%)
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《6/22 月曜日に発表された主な経済指標》
【香港】
消費者物価指数(5月)17:30
結果 1.5%
予想 1.6% 前回 1.9%(前年比)
国際収支(第1四半期)17:30
結果 -90.3億香港ドル
予想 N/A 前回 417.0億香港ドル(427.9億香港ドルから修正)(国際収支-経常収支)
結果 258.1億香港ドル
予想 N/A 前回 -102.8億香港ドル(国際収支-総額)
【ユーロ圏】
消費者信頼感指数(速報値)(6月)23:00
結果 -14.7
予想 -15.0 前回 -18.8
【米国】
中古住宅販売件数(5月)23:00
結果 391万件
予想 409万件 前回 433万件
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《6/22 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【英国】
*ベイリー英中銀総裁
利上げ前にバランスシート縮小を検討する方が望ましい
高水準のバランスシートは状態の危機で政策発動の余地を制限する恐れがある
(ブルームバーグ・オピニオンへの寄稿で)
【ユーロ圏】
*デギンドスECB副総裁
全ヨーロッパでの対パンデミック財政出動が必要
ドイツは危機に即座に対処できる金融余地を有している
ドイツの景気刺激プログラムは非常の積極的なものだ
銀行は収益問題を抱えており、パンデミックでこの状況は一段と悪化するだろう
*独連銀
ドイツ経済は第四半期に10%近く縮小する見込み
ドイツ政府の刺激策で経済回復を強化すべき
刺激策が消費や企業センチメントの改善に寄与すべき
しかし、刺激策の効果は第2四半期には顕著には現れないだろう
建築ブームはパンデミックに抗うものの大部分となっている
インフレは7月から年末にかけてはかなりのマイナスとなりそうだ
インフレは2020年にはプラスに転じ、下半期にはベース効果が加速につながるだろう
*バイトマン独連銀総裁
新型コロナ危機からの回復はひどく遅いものとなろう
PEPPは柔軟であるべきだが歯止めは必要、キャピタルキーが有用な指標に
ECBが永続的に資金調達コストを低く抑えるとの仮定は間違いだ
【米国】
*ローゼングレン・ボストン連銀総裁
安全を伴わない経済再開は回復を脅かす。
我々は利上げからは遠い位置にある。
短期も長期も低金利である必要。
メインストリート貸出は重要な保険。
金融安定化には多くの取り組みが必要。
【カナダ】
*マクレム・カナダ中銀総裁
7月の金融政策報告で計画の中心シナリオを公表予定。
マイナス金利は銀行や貸手の行動を歪める可能性。
量的緩和(QE)は長期間の低金利据え置きを示唆。
主な課題はインフレの持続的低下を回避すること。
経済再開に伴い第3四半期に成長が再開すると予測。
金融市場は現在、環境が大幅に改善している。
経済再開後は漸進的回復を見込む。
2%のインフレ目標達成のために政策を追加調整する。
景気は失敗含みの相当期間不安定な回復を見込む。
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《本日予定されている主な経済指標》
【シンガポール】
消費者物価指数(5月)14;00
予想 0.4% 前回-0.9%(前月比)
予想 -0.9% 前回 -0.7%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI・速報値(6月)16:30
予想 42.5 前回 36.6
ドイツ非製造業PMI・速報値(6月)16:30
予想40.0 前回 32.6
ユーロ圏製造業PMI・速報値(6月)17:00
予想43.0 前回 39.4
ユーロ圏非製造業PMI・速報値(6月)17:00
予想40.0 前回 30.5
【英国】
製造業PMI・速報値(6月)17;30
予想45.5 前回 40.7
非製造業PMI・速報値(6月)17:30
予想40.0 前回 29.0
【南アフリカ】
雇用統計(第1四半期)18:30
予想29.6% 前回 29.1%
【アメリカ】
新築住宅販売件数(5月)23:00
予想63.0万件 前回 62.3万件
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員