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トランプ発言でドル買い

見通し 

トランプ発言でドル買い

それまではドル売り円買いの流れ強まり106円70銭台まで

豪雇用統計、雇用者数減が予想を超え、豪ドル売り

【東京市場】ドル安の流れ

 ドル円は朝方107円台をしっかりと割り込むと、その後は106円台後半での推移が続いた。
昨日の海外市場で106円74銭まで値を落とした後、パウエル議長がマイナス金利の導入に慎重な姿勢を見せたこともあり、107円台を回復。
その後は107円ちょうど前後での推移が続いて東京朝を迎えた。
戻りが鈍かったこともあり、東京朝に107円を再び割り込むと、106円81銭まで下落。
もっとも、海外市場の安値手前で下値を止められると、その後は106円90銭前後での推移が続いた。
 午後に入っても106円90銭前後の推移が続いた後、ロンドン勢の本格参加を前に少し頭の重い展開に。

 雇用統計が発表された豪ドルは振幅後に売りが出る流れ。雇用者数は予想を超える減少幅に。
労働参加率の低下も大きく、雇用情勢の悪化が懸念される状況に。
一方で失業率は予想よりもかなり低く(前回よりは高い)、発表直後は反応が微妙となった。いったんは上昇の動きに0.6450台から0.6463を付けたものの、その後対円での売りにも押されて0.6420近辺為。少し戻すも、0.64台前半でもみ合った。
対円では69円ちょうど前後から69円10銭を付けた後68円60銭台まで下落。
その後68円80銭台まで回復もロンドン勢の参加とともに安値圏トライとなっている。

 その他目立ったのがポンド円の売り。
前日海外市場で何度か下値を支えた130円65/70銭の水準を割り込んでストップを巻き込んで130円40銭台まで、
その後は130円65/70銭が上値抵抗水準となり、ロンドン勢が来るにあたって130円10銭台まで値を落としている。

【ロンドン市場】トランプ大統領発言がドル買い誘う

 トランプ大統領が「強いドルを持つには絶好の時期だ」と発言したことを受けて、ドル買いの動きが広がった。
 東京市場朝方にしっかりと107円を割り込んだ後、106円台後半でのもみ合いとなったドル円は、
ロンドン勢が本格参加するとやや円高の動き強まり、朝方に一時106円77銭前後まで下落。
もっとも、昨日NY市場朝の安値を付けきれず、その後は106円80銭台を中心としたもみ合いが続いていたところに、
トランプ大統領の発言が伝わり、ドル買いが強まる格好となって107円台を回復した。
 欧州通貨売りの動きもあって朝方1.08を割り込むも、すぐに値を戻し、
1.0810前後を中心としたもみ合いが続いていたユーロドルも、
トランプ大統領発言を受けてドル高が強まり、1.08をしっかり割り込んで、1.0775近辺まで値を落とす場面が見られた。
 ポンドドルは東京午前のポンド売り局面では維持した1.22の大台を朝方の欧州通貨売りドル買いの流れの中で割り込み、
ストップを巻き込んで1.2180近くまで。その後、調整が入って1.2230近くまで値を戻すも、
トランプ大統領発言を受けたドル買いに再び1.22割れ。
しかし、ベイリー英中銀総裁がマイナス金利の活用は現状で考えていないと発言して1.2220超えと荒っぽい振幅を経て、
1.2190割れへと値を落とす展開となっている。

【NY市場】ドル買いの流れ

 ドル買いの流れからドル円は一時107円37銭まで。
ロンドン市場で報じられたトランプ大統領発言がこの時間帯もドル買いを誘う展開に。
さらに米株の買い戻しがドル買いを誘っている。
一方で米中の対立も深刻。トランプ大統領は中国に対する攻撃を強めている。
退職年金基金の中国への投資資金引き上げの話などもあり、
市場の警戒感が強まっている。
リスク警戒の動きが円買いにつながる面もあるが、それ以上にドル買いの動き。
ユーロドルも一時1.0775近辺まで値を落とした。
 ユーロに関しては独憲法裁判所とEU司法裁判所の対立が警戒感を誘っている面も。

【本日の見通し】ドル高基調も上値追いには慎重

 107円台をしっかり回復してきたことで、ドル買いの流れに。
トランプ発言などを受けても107円台前半までと上値追いには慎重姿勢。
米中の対立が続いており、断交を口にするところまで進んできた流れに
リスク警戒の円買いの動きも。

 もっとも、一方で米中対立まで進むと手元資金の流動化の意識もあり
ドル買い需要が高まる流れも。
ユーロがドイツとEUとの対立もあって買いにくいだけに、ドル買いの勢いが勝るか。
ドル円は基本的にレンジ取引も上値を意識。
ユーロドル、ポンドドルなどでのドル買いが強まると、一段高も。

【本日の戦略】押し目買い

 押し目買いの流れ
107円台半ばトライを意識。
106円70銭割れでストップという印象。
デイトレはもう少し小さい回転107ん台前半中心。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《5/14 木曜日》
始値  107.03  1.0818  115.79
高値  107.37  1.0824  115.93
安値  106.78  1.0775  115.33
終値  107.25  1.0805  115.88
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/14 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  19914.78 -352.27
DOW   23625.34 +377.37
S&P    2852.50 +32.50
Nasdaq  8943.72 +80.56
FTSE   5741.54 -162.51
DAX   10337.02 -205.64
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/14 木曜日の商品市場》
NY原油先物6月限(WTI)(終値)
1バレル=27.56(+2.27 +8.98%)
NY金先物6 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1740.90(+24.50 +1.43%)
-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《5/14 木曜日に発表された主な経済指標》

【英国】
RICS住宅価格指数(4月)8:01
結果 -21%
予想 -25% 前回 11%

【日本】
マネーストックM2(4月)8:50
結果 3.7%
予想 3.4% 前回 3.3%

【豪州】
雇用統計(4月)10:30
結果 -59.43万人
予想 -57.50万人 前回 0.07万人(0.59万人から修正)(雇用者数)
結果 6.2%
予想 8.2% 前回 5.2%(失業率)

【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数(確報)(4月)15:00
結果 0.4%
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
結果 0.9%
予想 0.8% 前回 0.8%(前年比)

ドイツ調和消費者物価指数・確報値(4月)15:00
結果 0.4%
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
結果 0.8%
予想 0.8% 前回 0.8%(前年比)

【米国】
新規失業保険申請件数(9日までの週)21:30
結果 298.1万件
予想 250.0万件 前回 317.6万件(316.9万件から修正)(前週比)

輸入物価指数(4月)21:30
結果 -2.6%
予想 -3.2% 前回 -2.4%(-2.3%から修正)(前月比)
結果 -6.8%
予想 -7.4% 前回 -4.1%(前年比)

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《5/14 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*黒田日銀総裁
新型コロナウイルスの影響を注視し、必要なら躊躇なく追加緩和を行う。
物価モメンタムはいったん損なわれた状況に。
物価目標の実現はかなりの時間がかかる
世界経済は急速に落ち込み、我が国の景気は厳しさ増している
感染影響が和らげば、物価も徐々に上昇率高める
時間はかかるが、物価目標実現目指していること変わりない
金融経済安定確保が物価目標実現に極めて重要。

【米国】
*ムニューシン米財務長官
経済をゆっくりと再開していく
ファウチ米国立アレルギー感染症研究所所長と長い時間を費やすつもりはない。
我々は安全に経済を再開させる必要がある。
再開する州の決定について、政治的な決定にならないように望む。
必要なことをすべて実行していることを知る必要があり、
今週もしくは翌週といったように急ぐつもりはない
下院民主党の法案は超党派の精神ではない
3兆ドルの大部分がまだ実現されていない。
今は厳しい四半期だが、今後より良い四半期となる
次の年には素晴らしい経済に戻る
FRBのパウエル議長とは今日話をした。

*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
雇用統計は真の労働市場の被害を過小評価。
議会は米労働者支援により多くのことを行う必要。
給付金は解雇された労働者の手に渡すべき。
V字回復はシナリオにはない。
衛生上の信頼が回復するまで回復は鈍い。

【ユーロ圏】
*ショルツ独財務相
税収のかなりの落ち込みは驚きではない。
ドイツは困難な状況を乗り越えることができる。
6月初旬に追加刺激策を発表
9月には税収の見積りを見直す必要。
危機の間は緊縮財政はないと確信。

【その他】
*メキシコ中銀が0.5%の利下げ
メキシコ中銀が政策金利を0.5%引き下げ5.5%とした。
予想通り。

【豪州】
*モリソン首相
新型コロナウイルスからの安全環境で経済を再開する
多くの厳しい情報を受けて、豪州は自身を引き締めなければいけない

*フライデンバーグ財務相
雇用維持プログラムによって600万の雇用者が助かる

【NZ】
*NZ財務省 
2020年予算における財政・経済の予測を発表
財政の純負債は今年30.2%に達し、2023年のピーク時には53.6%まで上昇。
2019-2020年予算の赤字は283億NZドル、2020-21年予算は296億NZドルに上昇。
2023-24年には49億NZドルの赤字に収まる
2019-20年GDPは+4.6%見込み
2020-21年GDPは+0.6%へ
2021-22年GDPは+9.3%に。
NZ政府予算に伴う債券プログラム
2020-21年政府債プログラム 600億NZドル
2021-22年政府債プログラム 400億NZドル
2022-23年政府債プログラム 350億NZドル
2023-24年政府債プログラム 300億NZドル
不確実性の高まりを受けて資金残高と流動性リスクを意識した現金残高が大きくなると予想される。
政府債発行の柔軟性、当座貸し越しなどにより対応

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《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
国内企業物価(4月)8:50
予想 -0.8% 前回 -0.9%(前月比)
予想 -1.4% 前回 -0.4%(前年比)

【中国】
鉱工業生産(4月)11:00
予想 1.5% 前回 -1.2%(前年比)
予想 -5.4% 前回 -8.4%(年初来・前年比)

小売売上高(4月)11:00
予想 -6.0% 前回 -15.8%(前年比)
予想 -15.6% 前回 -19.0%(年初来・前年比)

【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(4月)15:00
予想 -0.6% 前回 -0.8%(前月比)
予想 -1.8% 前回 -0.8%(前年比)

ドイツGDP・速報値(第1四半期)17:00
予想 -2.3% 前回 0.0%(前期比)
予想 -2.0% 前回 0.4%(前年比)

ユーロ圏GDP・改定値(第1四半期)18:00
予想 -3.8% 前回 -3.8%(前期比)
予想 -3.3% 前回 -3.3%(前年比)

ユーロ圏貿易収支(3月)18:00
予想 170億ユーロ 前回 258億ユーロ(季調済)
予想 N/A 前回 230億ユーロ(季調前)

【香港】
実質GDP・確報値(第1四半期)17:30
予想 -5.3% 前回 -5.3%(前期比)
予想 -8.9% 前回 -8.9%(前年比)

【米国】
小売売上高(4月)21:30
予想 -11.9% 前回 -8.4%(-8.7%から修正)(前月比)
予想 -8.4% 前回 -4.2%(-4.5%から修正)(自動車除くコア・前月比)

NY連銀製造業景気指数(5月)21:30
予想 -60.0 前回 -78.2

鉱工業生産(4月)22:15
予想 -12.0% 前回 -5.4%(前月比)

設備稼働率(4月)22:15
予想 63.9% 前回 72.7%(前月比)

ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(5月)23:00
予想 68.0 前回 71.8

企業在庫(3月)23:00
予想 -0.2% 前回 -0.4%(前月比)

対米証券投資(3月)16日5:00
予想 N/A 前回 494億ドル

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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