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ドル売り強まる、ユーロドルなど主導

見通し 

ドル売り強まる、ユーロドルなど主導

日替わりでの動き、米国のマイナス金利への意識なども

【東京市場】豪中の貿易摩擦問題などが重石に

 中国が豪州の4つの食肉加工場からの輸入を12日から禁止し、豪中の貿易摩擦問題の過熱化が懸念された。豪ドルは0.6480台から0.6430台まで下落。その後東京の昼過ぎまで0.6450が重くなる展開を見せた。同問題を報じた豪公共放送ABCではモリソン首相が新型コロナウイルスの感染元について独自調査が必要と発言したことなどが中国側の反発を呼んだとの観測を見せていた。豪ドル円も69円70銭台から69円10銭台まで下落。NZドル円が65円30銭台から65円ちょうど近くまで値を落とすなど、豪ドルにつれ安となる場面が見られた。もっとも午後に入ると買い戻しの動きが見られ、豪ドル、NZドルともにしっかり。
 ドル円は前日の海外市場で107円70銭台まで上昇し、107円60銭台で朝の取引を迎えた。108円手前の売りが意識されて、ここからのドル買い円売りに慎重な姿勢が見られたことに加え、豪中の貿易摩擦問題への懸念などもあって、午前中に107円30銭台まで値を落とした。
 その後は107円40銭前後でのもみ合いに。下値しっかり感が強く、突っ込んだ売りを避ける動きも、上値も重い。

【ロンドン市場】ドル売り広がる

 ドル売りが広がる展開に。
欧州勢が本格参加してくると、欧州株や米株先がしっかりの展開。NY原油の上昇もあり、リスク選好の動き。
当初はクロス円の買いにドル円はしっかりも、
その後ユーロドルやポンドドルでのドル安基調に押される形でドル円も値を落とし、
107円60銭台から107円30銭台に。

 東京午前に売りが出た豪ドルは、午後に下げ分を解消、この時間帯に上値を試す格好に。

【NY市場】ドル売り優勢

 ドル売りの流れが続き、ドル円は107円10銭割れまで値を落とした。
WHO報道官の新型ウイルス感染治療薬の一部が罹患の長さを抑制している可能性との指摘や
中国が米国産レアアースなどへの報復関税免除の姿勢を示していることなどが
リスク警戒後退でのユーロ買いドル売りなどを誘った格好に。

【本日の見通し】パウエルFRB議長講演にらむ

 パウエルFRB議長の講演が注目されている。
このところ短期金融市場ではFRBのマイナス金利導入を織り込む動きを見せつつある。
一方で多くのFRB関係者からは消極的な発言が相次いでいる。
パウエル議長も慎重姿勢を示すとの見通しが強いが、
ここからのインパクトのある緩和という意味でマイナス金利導入は否定しきれず
可能性を示すだけでも好感される可能性も。

 ユーロは対ドルで買い戻しが優勢も、上値追いには慎重。
ドイツの観戦再拡大への動きなどが警戒されている。
もっとも最新のデータでは再拡大の動きはやや抑えられており、収束への期待感も。

【本日の戦略】戻り売り

 日替わりの展開だけにやりにくさがある
パウエル議長講演ではマイナス金利導入への示唆は難しいとみている。
結果次第で一時的にドル買いも。
ただ、上値の重さも意識されており、106-108円のコアレンジの中での取引と考えると
戻りは売りに回る手も。
108円超えはいったんストップという印象。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/12 火曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  107.66  1.0807  116.36
高値  107.70  1.0885  116.85
安値  107.12  1.0785  115.96
終値  107.14  1.0848  116.22
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/12 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  20366.48 -24.18
DOW   23764.78 -457.21
S&P    2870.12 -60.20
Nasdaq  9002.55 -189.79
FTSE   5994.77 +55.04
DAX   10819.50 -5.49
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/12 火曜日の商品市場》
NY原油先物6月限(WTI)(終値)
1バレル=25.78(+1.64 +6.79%)
NY金先物6 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1706.80(+8.80 +0.52%)
-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《5/12 火曜日に発表された主な経済指標》

【中国】
消費者物価指数(4月)10:30
結果 3.3%
予想 3.7% 前回 4.3%(前年比)

生産者物価指数(4月)10:30
結果 -3.1%
予想 -2.5% 前回 -1.5%(前年比)

【日本】
景気動向指数(速報値)(3月)14:00
結果 83.8
予想 84.4 前回 91.7(景気先行指数)
結果 90.5
予想 90.7 前回 95.5(景気一致指数)

【インド】
鉱工業生産指数(3月)21:00
結果 -16.7%
予想 -8.0% 前回 4.6%(4.5%から修正)(前年比)

【米国】
消費者物価指数(4月)21:30
結果 -0.8%
予想 -0.8% 前回 -0.4%(前月比)
結果 -0.4%
予想 -0.2% 前回 -0.1%(コア・前月比)
結果 0.3%
予想 0.4% 前回 1.5%(前年比)
結果 1.4%
予想 1.7% 前回 2.1%(コア・前年比)

+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/12 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*黒田日銀総裁
政府と連携しながら出来ることは何でもやる。
新型コロナウイルス感染拡大が長引けば、不動産価格の下押し要因となる可能性がある。
新型コロナウイルス動向は不確実性が大きく、不動産含めた経済、金融システムへの影響を予断なく点検する。
新たな資金供給手段、6月の会合待たずに決定実行が視野
必要あれば躊躇なく追加緩和措置を講じる。強力な金融緩和は経済、金融の下支えに貢献している。
国内経済は厳しさを増している。経済は当面厳しい状況が続く。
景気の先行きは不透明感強く下振れリスク大きい。世界経済は急速に落ち込んでいる。

*黒田日銀総裁
経済・物価見通しのレンジ化、先行きの不確実性大きいため
先行き不確実性低下すれば、見通しを1つにして中央値も公表
(衆院財務金融委員会で答弁)

【米国】
*トランプ大統領
彼ら(中国)が署名した契約を守っているかどうかを見てみよう。
中国は長い間米国を利用してきた。

*ブラード・セントルイス連銀総裁
米国にとってマイナス金利は良い選択とはいえない
マイナス金利には好悪両面がある
金利はしばらくの間、安定推移へ
必要であれば、QEの拡大が最良の選択肢

*カプラン・ダラス連銀総裁
より一層の財政刺激が成長のために必要とされる
マイナス金利には反対

*米10年債入札結果
最高落札利回り 0.700%(WI:0.712%)
応札倍率    2.69倍(前回2.43倍)

*トランプ大統領
カルフォルニア州はテスラとマスクCEOに生産再開を許可すべき。
米国はマイナス金利という贈り物を受け取るべき。

*ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
ウイルス感染は消費支出の大半を崩壊に向かわせた。
第2四半期は残酷な苦痛となる。
ウイルスが制御下に置かれるまで、米経済はアンダーパフォームが見込まれる。
FRBの目標は全セクターが流動性にアクセスできるようにすること。
時期尚早の経済再開と感染第2波は回復を逆転させる。
銀行は巨額の配当を実施べきではない。

*バーキン・リッチモンド連銀総裁
経済は底かもしれない。
米国のディスインフレはデフレの予兆ではない。
今年下半期に回復を見込む。
FRBは経済支援するための多くの余力を持っている。
FRBは雇用の責務に注力。

*ファウチ米アレルギー・感染症研究所所長
ウイルス感染による米死者数は報告より多い公算。
ウイルス感染は秋・冬に悪化する可能性。
効果的なワクチンの開発を慎重ながら楽観している。

【ユーロ圏】
*クルツ・オーストリア首相
イタリアはEUなしでは債務を処理できない
イタリアとの連帯を目指す
EU共同債は正しい答えではない。
国境の再開はオーストリア経済の回復にとって最も重要なもの。

*カジミール・スロバキア中銀総裁
欧州裁判所がECBの行動に関する唯一の権威だ
欧州各国の政府はECBの努力に見合う財政措置必要
PEPPの規模拡大に反対せず、決定はデータに基づくべき
資産購入拡大に緊急性はみられない、ロックダウン緩和が経済に与える影響精査すべき

*ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
ECBはインフレの責務を果たすことを阻害されていない。
ECBはドイツの判決に対する解決策を見出すと確信。
どのように対応するかは結論は出ていない。

【中国】
*環球時報
内部関係者らの間で米国に対する怒りが広がっている。
米中貿易合意を破棄する可能性を検討することを中国当局者に提案している。

*中国、豪州の4つの食肉工場からの輸入を禁止

*中国外務省
米中は貿易合意履行を
一部の豪州産牛肉の輸入停止、消費者保護が目的
豪州の牛肉生産業者、検疫ルールに違反した

【韓国】
*ナイトクラブ関連の新型コロナウイルス感染、101人に増加。

【英国】
*ブロードベント英中銀副総裁
英MPCは必要なこと行う用意がある
必要であれば追加緩和は可能
すべての措置を念頭に置いている
英中銀の低すぎる金利のリスクはデメリット多い
金融ファイナンスについては懸念し過ぎず
金融政策はインフレ目標を達成することに焦点当てる
QEは不均衡や資産価格の増大を招いていない
銀行に対する信用の維持が好ましい
(CNBCのインタビュー)
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》

【韓国】
失業率(4月)8:00
予想 4.1% 前回 3.8%

【日本】
国際収支(3月)8:50
予想 1850億円 前回 13666億円(貿易収支)
予想 20430億円 前回 31688億円(経常収支)
予想 12541億円 前回 23781億円(経常収支・季調済)

【豪州】
Westpac消費者信頼感指数(5月)9:30
予想 N/A 前回 -17.7%(前月比)

【NZ】
NZ中銀政策金利 11:00
予想 0.25% 現行 0.25%

【英国】
GDP・速報値(第1四半期)15:00
予想 -2.5% 前回 0.0%(前期比)
予想 -2.1% 前回 1.1%(前年比) 

鉱工業生産(3月)15:00
予想 -5.5% 前回 0.1%(前月比)
予想 -9.1% 前回 -2.8%(前年比)

製造業生産高(3月)15:00
予想 -6.0% 前回 0.5%(前月比)
予想 -10.5% 前回 -3.9%(前年比)

商品貿易収支(3月)15:00
予想 -100.00億ポンド 前回 -114.87億ポンド

【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産(3月)18:00
予想 -12.0% 前回 -0.1%(前月比)
予想 -11.9% 前回 -1.9%(前年比)

【ブラジル】
小売売上高(3月)21:00
予想 -2.9% 前回 4.7%(前年比)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(8日までの週)20:00
予想 N/A 前回 0.1%(前週比)

生産者物価指数(4月)21:30
予想 -0.5% 前回 -0.2%(前月比)
予想 -0.3% 前回 0.7%(前年比)
予想 0.0% 前回 0.2%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 0.9% 前回 1.4%(食品エネルギー除くコア・前年比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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