ドル円振幅、NY原油の下げ、北朝鮮報道など重石も続かず
ドル円振幅、NY原油の下げ、北朝鮮報道など重石も続かず
NY原油は6月限が大幅安、5月限は10ドル近辺で引ける
メキシコ中銀緊急利下げ
【東京市場】リスク警戒の動き、午後に強まる
昨日のNY原油先物市場での史上初めてのマイナス圏への動きや、本日米CNNが報じた金正恩朝鮮労働党委員長が手術後に危険な状態との報道などを受けて、リスク警戒の動きが広がり、ドル円は107円台後半から半ば割れまでドル売り円買いの動きに。
株安の動きも広がり、日経平均の下げが、後場に入って一時400円を超えるなど、株式市場でもリスク警戒の流れに。金正恩朝鮮労働党の報道に関しては中国や韓国側からは否定的な報道も出ており、真偽は不明ながら、事実とすると東アジア情勢がかなり混乱するとみられるだけに、警戒感が広がった。
原油先物市場の混乱もあり、カナダ売りの動きも。ドルカナダは昨日NY市場朝の1.4030前後から東京朝に1.4150台まで上昇し、その後1.4110台まで調整も、その後1.4170台までさらにドル高カナダ安が進んだ。
【ロンドン市場】原油安再燃
午前中はリスク警戒の動きが継続し、ドル円は107円30銭前後まで下落。
北朝鮮問題などが懸念材料となり円買いが主導しており、
クロス円も頭の重い展開に。
NY原油先物が6月限も大きく値を落とし21ドル前後から11ドル台を付ける動きに。
リスク警戒の動きを誘い、ドル円の重石に。
ポンドは北海原油への悪影響も意識され値を落とす展開。
【NY市場】ドル円買い戻し後もみ合い
ドル円は東京午後からの下げ分を解消し107円台後半もみ合い。
もっとも108円を試す勢いが見られず、
NY原油の下げなどを受けて米株式市場の売りが広がった。
今週の5月限のマイナスなどの動きは納会前の特殊事情という認識で
他市場に与える影響が限定的も
納会まで一月ある6月限の急激な下げに警戒感が広がった形。
メキシコ中銀は0.50%の緊急利下げを実施、政策金利を6.00%とした
ペソは利下げ後比較的堅調。
【本日の見通し】もみ合いから次の展開探る
昨日リスク警戒が広がった場面で107円台前半まで値を落とすも、
その後戻すなど下値での買い意欲が継続している。
もっとも108円を試しに行く勢いが見られず、上値も重い。
昨日CNNが報じた北朝鮮がらみの報道も、真偽未定で反応しにくいがやや警戒感に。
ドル円は107円台でのもみ合いを中心に次の流れを探る展開。
NY原油の水準がこのあたりもしくはもう少し下である程度続くようだと
米株などへの影響がもう少しありそうでリスク警戒感継続。
リスクはやや下方向か。ただ、目先下値はしっかり。
【本日の戦略】戻り売り
レンジ取引を意識。
108円超えでストップの意識で107円台後半での売りか。
レンジ中心だけに無理をせず
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《4/21 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 107.62 1.0862 116.91
高値 107.89 1.0880 117.16
安値 107.28 1.0817 116.22
終値 107.80 1.0858 117.04
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《4/21 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 19280.78 -388.34
DOW 23018.88 -631.56
S&P 2736.56 -86.60
Nasdaq 8263.23 -297.50
FTSE 5641.03 -171.80
DAX 10249.85 -426.05
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《4/21 火曜日の商品市場》
NY原油先物5月限(WTI)(終値)最終売買日
1バレル=10.01(+47.64 +126.60%)
NY金先物6 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1687.80(-23.40 -1.37%)
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《4/21 火曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
雇用統計(3月)15:00
結果 3.5%
予想 前回 3.4%(3.5%から修正)(失業率)
結果 1.22万件
予想 前回 0.59万件(1.73万件から修正)(失業保険申請件数)
ILO失業率(2月)15:00
結果 4.0%
予想 3.9% 前回 3.9%(ILO失業率)
【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(4月)18:00
結果 28.2
予想 -42.0 前回 -49.5(ZEW景況感指数)
【カナダ】
小売売上高(2月)21:30
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
予想 0.3% 前回 -0.1%(除く自動車・前月比)
【米国】
中古住宅販売件数(3月)23:00
結果 527万件
予想 525万件 前回 576万件(577万件から修正)
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《4/21 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*トランプ大統領
原油購入の最適な時期
マイナスの石油価格は金融的な問題であって、原油の状況を反映したものではない
7500万バレルをリザーブに入れ、国家石油備蓄を満タンにする
クオモNY州知事、デ・ブラシオNY市市長、マーフィーNJ州知事と話す
一部の州ではテスト実施のための行動が必要
明日、上院は救済ローンを議決すると期待
経済の再開の中で医療の戦いを続けることが重要
【ユーロ圏】
*コンテ・イタリア首相
イタリアは5月4日から徐々に経済活動を再開する。
*ECB
明日、電話会議で理事会を開催。
*クノット・オランダ中銀総裁
出口戦略についての推測はあまりに時期尚早。
ECBは必要に応じて緊急の債券購入を増強する。
ECBは危機が進行している間はオープンマインドである必要。
【豪州】
*豪中銀
豪州の金融システムは引き続き弾力性を有している。
調整された流動性を長期に維持
財政・金融政策の協力により経済をサポート
第2四半期のGDPは明確に低下、いくらかは第3四半期に残る
*ヴァージン航空
任意管理手続きに入り、事実上経営破綻した。
新型コロナウイルスを受けての航空大手の経営破綻は同社が世界初。
【NZ】
*オアNZ中銀総裁
マイナス金利を除外していないが、現在の状況でベストのツールではない
新型コロナウイルスの感染被害に対して、量的緩和はより効果的で効率的なツールである。
330億NZドルのQEプログラムについて、今後調整されるもので、終わりとは決して言わない
5月のレビューで追加緩和について考える
政府の必要なだけ財政赤字が認められる
*NZ中銀
LVR(ローン資産価値比率)の制限解除を提案
経済的低迷に対応した措置
変更は銀行の融資継続を助ける
7日間の相談期間を設け、その後迅速に決定
12か月後には再度検討し、制限を回復させる可能性がある。
【米国】
*米上院
4840億ドルの新型コロナ追加対策法案を可決。
【その他】
*WSJ
OPEC加盟国が5月から予定していた減産について、前倒しして実施することを検討。
昨日史上初めてNY原油先物市場がマイナス価格を付けたことなどが要因。
*メキシコ中銀が0.5%の緊急利下げ
*メキシコ中銀
上半期のGDPは前年比で5%超の縮小見込む。
追加のオペと流動性供給策を導入。
市場は若干良好だが、大きなリスクは継続。
インフレリスクへの不透明感は著しく増加。
金融システムの支援に7500億ペソを投入。
オペの間は流動性を拡大。
*CNN
北朝鮮の金正恩氏が手術後に非常に危険な状態にある
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《本日予定されている主な経済指標》
【英国】
消費者物価指数(3月)15:00
予想 0.0% 前回 0.4%(前月比)
予想 1.5% 前回 1.7%(前年比)
予想 1.6% 前回 1.7%(コア・前年比)
生産者物価指数(3月)15:00
予想 -4.0% 前回 -1.2%(仕入・前月比)
予想 -3.0% 前回 -0.5%(仕入・前年比)
予想 -0.3% 前回 -0.3%(出荷・前月比)
予想 0.1% 前回 0.4%(出荷・前年比)
予想 0.5% 前回 0.4%(出荷コア・前年比)
小売物価指数(3月)15:00
予想 -0.2% 前回 0.5%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.5%(前年比)
【南アフリカ】
消費者物価指数(3月)17:00
予想 0.5% 前回 1.0%(前月比)
予想 4.2% 前回 4.6%(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(17日までの週)20:00
予想 N/A 前回 7.3%(前週比)
【トルコ】
トルコ中銀政策金利 20:00
予想 9.25% 現行 9.75%
【カナダ】
消費者物価指数(3月)21:30
予想 -0.4% 前回 0.4%(前月比)
予想 1.2% 前回 2.2%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者信頼感・速報値(4月)23:00
予想 -20.0 前回 -11.6
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員