株高の流れなど好感しドル円は一時107円台後半まで
株高の流れなど好感しドル円は一時107円台後半まで
ユーロは1.10割れを付ける動き、ドル買いの動き広がる
トルコ中銀緊急利下げ
【東京市場】株式市場の振幅目立つ
ドル円は朝方、米株の大幅安や日経平均の弱いスタートなどを嫌気してドル売り円買いが優勢となり、105円台後半でスタート。しかし、株安の動きが落ち着き、一時500円超の下げとなっていた日経平均が、安値から1000円以上買われて逆に500円超の上げとなる中でドル買い円売りの動きに。ダウ平均先物時間外取引が上方向でのサーキットブレーカー発動となるなど、米株高の動きも支えとなり、ドル円は一時107円19銭まで大きく上昇した。しかし、日経平均が今度は下げに転じ、200円超の下げと、高値から700円以上下げると、ドル円も106円台前半まで調整と、株式市場の動きをにらみながらの展開に。
中国株の買い戻しもあり、日経平均が後場に再びプラスに転じてしっかりの動きになると、ドル円も下値しっかりの展開となるが、106円半ばを挟んでの振幅と、方向性は生じず。
【ロンドン市場】ドル高強まる、欧州通貨売りに
対欧州通貨主導でドル買いの動き
ユーロドル、ポンドドルの売りが目立つ展開となっている。
ドル円も上値をトライする動きに。
欧州株は一時軟調で東京市場で上方向にサーキットブレイカーがかかった米株先物も
マイナスに転じる場面が見られたが、その後買い戻しが入る展開。
新型コロナウイルスの感染拡大が欧州で広がっていることへの警戒感。
フランスやイタリアなどでの外出禁止などの対応の実体経済への影響が意識されている。
【NY市場】ドル円一時107円台後半
ドル円は107円台後半まで大きく上昇。
米株は不安定な動き。ダウ平均は400ドル超の上昇で始まった後
高値から600ドル程度下げて2万ドル割れ、しかしそこから1200ドル超の上昇で
1000ドル超の上昇で引けている。
ドル円は107円台後半。
【本日の見通し】神経質な展開続く
日替わりどころか時間帯ごとで大きく動く株式市場動向をにらみながらの展開。
昨日の日経平均は1100円を超えるレンジの中で数百円単位で大きく振幅。
昨晩のダウ平均株価も、400ドル超の上昇で始まり600ドル程度の下げで2万ドル割れまで値を落としたあと、前日比1000円超の上昇で引けるなど
ジェットコースターのような動きが続いている。
ドル円はこうした中で神経質な動き。
今週は下げの中で105円台を維持したことで、下値しっかり感が出てきており
米債利回りの上昇もあって期待は上方向も
ある程度大きな値幅での振幅が入る可能性が高い。
期待は108円台回復も、一本調子にはなりにくそう。
【本日の戦略】押し目買い
米株はともかく、米債は落ち着きを取り戻している。
流動性供給の動きが続き、金融システムへの期待感が広がっている。
ドル円は押し目買いの流れ。
108円台回復への期待感も広がっているが、
株式市場が依然不安定。昨日ダウ平均株価は1000ドル以上上げたが
その前にマイナス圏をトライしてからの上昇と
日替わりどころか時間帯ごとの流れが大きく変化する展開で
ドル円もある程度は上下に振幅がありそう。
突っ込んだ買いではなく、押し目を待っての買いを狙いたいところ。
流れの急変に注意し、ストップを確実に。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《3/17 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.82 1.1183 118.47
高値 107.86 1.1189 119.69
安値 105.81 1.0955 117.30
終値 107.70 1.0997 118.44
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《3/17 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 17011.53 +9.49
DOW 21237.38 +1048.86
S&P 2529.19 +143.06
Nasdaq 7334.78 +430.19
FTSE 5294.90 +143.82
DAX 8939.10 +196.85
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《3/17 火曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=26.95(-1.75 -6.10%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1525.80(+39.30 +2.64%)
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《3/17 火曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
鉱工業生産(確報値)(1月)13:30
結果 1.0%
予想 前回 0.8%(前月比)
結果 -2.3%
予想 前回 -2.5%(前年比)
【香港】
失業率(2月)17:30
結果 3.7%
予想 3.6% 前回 3.4%
【英国】
失業率(2月)18:30
結果 3.5%
予想 N/A 前回 3.4%
ILO失業率(1月)18:30
結果 3.9%
予想 3.8% 前回 3.8%(3カ月)
【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(3月)19:00
結果 -49.5
予想 -30.0 前回 8.7
【トルコ】
中銀政策金利(3月)20:00
結果 9.75%
予想 N/A 前回 10.75%(トルコ中銀政策金利)
【米国】
小売売上高(2月)21:30
結果 -0.5%
予想 0.2% 前回 0.6%(0.3%から修正)(前月比)
結果 -0.4%
予想 0.1% 前回 0.6%(0.3%から修正)(コア・前月比)
鉱工業生産指数(2月)22:15
結果 0.6%
予想 0.4% 前回 -0.5%(-0.3%から修正)(鉱工業生産指数)
結果 77.0%
予想 77.1% 前回 76.6%(76.8%から修正)(設備稼働率)
企業在庫(1月)23:00
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 0.0%(0.1%から修正)(前月比)
【NZ】
経常収支(第4四半期)18日6:45
予想 -28.33億NZドル 前回 -63.51億NZドル
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《3/17 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*麻生財務相
早ければ今夜にもG7財務相会談を実施する
情報交換を緊密にやっておいた方がいい
為替について特に申し上げることはない
ダウ平均が3000ドル近く上下していることは安定しているとは言い難い
市場の動きをしっかり見ておく必要がある
緊張感を持って適切に対応する
*麻生財務相
ムニューシン米財務長官と電話会談実施。
緊急対応策の意見交換。
市場に与える影響を注意深く注視。
適切な手段を用いる用意があることを再確認。
G7財務相会合の早期開催必要と発言。
日米で連携できている意味は大きい。
次の経済対策を考えなければならないと米側に発言。
【米国】
*格付け会社S&P
ボーイングの長期格付けを従来の「A-」から「BBB」に2段階引き下げ。
今後2年間のキャッシュフローが予想よりもはるかに弱くなると判断。
見通しは格下げ方向で検討する「クレジット・ウォッチ・ネガティブ」に据え置き
*トランプ大統領
大型で大胆な包括的措置を財務長官が上院と検討中。
旅行業界や産業のサプライヤーと面談へ。
国民1人当たり1000ドル以上の直接支援を検討
*トランプ大統領
・パンデミックは宣言のずっと前から感じ取っていた。
・中国はウイルスの感染源に関する誤った情報を出した。
・彼らの間違いゆえに「中国ウイルス」と呼ぶ。
・ボーイングとGEの支援を真剣に検討。
・給与税減税を検討しているが、時間がかかる。
*ムニューシン米財務長官とホワイトハウスは最大1.2兆ドルの
刺激策を協議
*ムニューシン米財務長官
国民への支援金の2週間内の支給が可能。
納税申告、最長90日の延長が可能に。
トランプ大統領が最大3000億ドルの納税猶予を承認。
*ムニューシン米財務長官
ムニューシン米財務長官が総額5000億ドルの国民支援を議員らに提案した。
*メスター・クリーブランド連銀総裁
流動性ひっ迫が続けば更なる行動を支持。
CP(コマーシャル・ペーパー)やTAFも選択肢。
潤沢な流動性があることが重要。
政策余地を残すためにゼロ金利への利下げは好ましくない。
*FRB
CP(コマーシャル・ペーパー)買い入れ復活を正式発表。
【ユーロ圏】
*スペイン証券取引委員会
17日から1か月間、スペイン株の空売り規制を導入。
期限については延長の可能性がある
*イタリア証券取引委員会
20銘柄を対象に24時間の空売り規制を導入するとともに、今後の塚対策手続きを開始
*独ZEW
経済には赤い警告灯がともっている。
金融市場の専門家は第1四半期の実質GDPの減少を見込んでいる。
第2四半期には一段と落ち込む可能性が極めて高いと見込んでいる。
現状・期待指数がともに強くマイナスとなるのは、2008年秋の金融危機以来。
【豪州】
*豪中銀
公開市場操作で88億豪ドル(54億米ドル)規模の資金供給を実施。
従来計画していた20.6億豪ドルを大幅に上回る供給。
流動性逼迫による借り入れコスト上昇リスクに対応したもの。
【NZ】
*ロバートソン財務相
新型コロナウイルス対策として121億NZドルの対策を実施。
対NZGDP比で4%に上る対応とした。
リセッションは現時点ではほとんど確実
財政赤字はGDP比で25%を超えることになる。
51億NZドルを給与対策に
【中国】
*ロイター通信
中国全人代は4月下旬か5月上旬の開催を検討しているもよう
開催時期まだ決定しておらず、出席者の数を減らすなどの可能性も
【香港】
*ラム香港特別区行政長官
4月20日にすべての学校の再開は不可能
【その他】
*フィリピン株式・債券・外為取引を17日から停止、木曜日から再開
【トルコ】
*トルコ中銀
緊急会合で新型ウイルスのパンデミックに対応。
銀行のすべての流動性の需要に対処する。
91日レポにより流動性を供給。
金およびユーロに対する新たなスワップを提供。
外貨ライアビリティー準備を500bp引き下げ。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
通関ベース貿易収支(2月)8:50
予想 9295億円 前回 -13132億円(-13126億円から修正)
予想 5355億円 前回 -2241億円(季調済)
【南アフリカ】
消費者物価指数(2月)17:00
予想 0.8% 前回 0.3%(前月比)
予想 4.5% 前回 4.5%(前年比)
実質小売売上高(1月)20:00
予想 0.0% 前回 -0.4%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数・確報値(2月)19:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
予想 1.2% 前回 1.2%(前年比)
予想 1.2% 前回 1.2%(コア・前年比)
ユーロ圏貿易収支(1月)19:00
予想 N/A 前回 231億ユーロ(季調前)
予想 192億ユーロ 前回 222億ユーロ(季調済)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(13日までの週)20:00
予想 N/A 前回 55.4%(前週比)
住宅建設許可件数(2月)21:30
予想 150.0万件 前回 155.0万件(155.1万件から修正)
住宅着工件数(2月)21:30
予想 150.0万件 前回 156.7万件
【カナダ】
消費者物価指数(2月)21:30
予想 0.4% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.1% 前回 2.4%(前年比)
【ブラジル】
ブラジル中銀政策金利 19日6:00
予想 4.00% 現行 4.25%
【NZ】
GDP(第4四半期)19日6:45
予想 0.5% 前回 0.7%(前期比)
予想 1.7% 前回 2.3%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員