このまま「落ち着きを取り戻せるか」…!? - ドル円
◆ パニックで“101円台”へ…
※ご注意:予想期間は3月11日と表示されていますが、本日(3月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
「売りが売りを呼ぶ」といったパニック状態に陥った昨日は、「リスク回避姿勢」に包まれました。
「リスク回避姿勢」「原油安」の影響を受けやすいオセアニア通貨、新興国通貨を中心に下げが加速し、ドル円は“101.20円水準”へと売り込まれました。
ただし欧米株式は急落、NYダウは“史上最大の下げ幅(2013ドル安)”を記録したものの、先んじて下げていたこともあり、その後は“深堀り”されることはありませんでした。
“自立反発”の動きもあって、本稿執筆時には“103円台”へと回復する動きを見せています。
◆ ただ「一旦の下値メド」には到達…
“昨日安値(101.174円)”は“2016年のトランプ大統領誕生時安値(101.191円)”と合致しますので、「一旦の下値メド到達」が意識された可能性は高いと考えます。
これが前記“自立反発”にもつながったと見られますが、ただ「新型コロナウイルス」はまだ収束の兆しが見えず、「原油安」も加わったばかりです。
このまま“底打ち→反発”と見るのは、いささか早計といわざるを得ません。
ポイントとなり得るのは『マーケットが落ち着きを取り戻せるか?』ですが、そのカードとなり得る「各国の景気対策/金融政策」が本日に打ち出されるかは未知数(微妙?)です。
落ち着きを取り戻せば“104円台/105円台”へと一気に戻してもおかしくない急落ではありましたが、まずは“直近の戻り高値(5日:107.740円)からの38.2%戻し(103.682円)”を明確に回復できるかを見極めたいところです。
◆ ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:103.682(3/5~3/9の38.2%戻し)
上値4:103.426(-2σ)
上値3:103.279(3/9高値後の61.8%戻し)
上値2:103.000(大台)
上値1:102.877(3/9高値後の50%戻し)
前営業日終値:102.414
下値1:102.125(3/9安値後の61.8%押し)
下値2:102.000(大台、3/9NYタイム中盤の押し目)
下値3:101.761(3/9安値後の76.4%押し)
下値4:101.174(3/9安値、16/11/9安値)
下値5:101.000(大台)
執筆者 : 武市佳史|株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト。日本におけるFXの草創期より業務に従事。現在は週刊為替コラム「武市のなぜなにFX」の執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿中。