ドル安円高一服も戻り鈍い
ドル安円高一服も戻り鈍い
ユーロドルは一時1.09台、独財政出動などに期待感
【東京市場】買い戻しも戻り鈍い
昨日の海外市場で一時110円を割り込むなど売りが目立ったドル円。
110円台を回復して迎えた東京朝から若干のドル買い円売りに。
韓国での感染者閣外が嫌気され、ダウ平均がマイナスに転じたことを更けて、いったんはドル売りが強まる場面も、その後は再び買い戻し。
中国政府が中小企業対策での減税などの対応や、死者数増加ペースの鈍化などを好感して上海総合がプラスに転じたこともあり、ドル円は110円台半ばを超えるところまで買いが出る展開に。
午後に入って日経平均の下げ幅が縮まるなどの動きも、その後高値からはドル売り円買いに。
株安の流れが継続したことなどが重石となり110円30銭台を中心としたもみ合いに。
【ロンドン市場】ドル円110円台前半
月曜日、火曜日にみられた欧州勢の本格参加時間からのドル安円高が警戒される中
序盤に欧州株安などを材料に110.13近辺までと
下値トライの動きが見られたが、110円の大台を維持すると、その後は少し戻しもみ合いに。
序盤は米債利回りの低下も見られ一時1.31%近辺まで下げたが、
その後1.35%台に戻している。
【NY市場】ドル円は一時110円70銭近辺
いったん下げ止まりの動き。
序盤に米株が上昇でリスク警戒感一服も
結局値を落としダウ平均も直近二日よりはかなり小さいとはいえ三桁の下げ幅と
警戒感継続の動き。
ドル円は110円70銭を付けた後、110円台前半で引けている。
ユーロはしっかり。独財政出動期待が支えに。
ドイツのショルツ財務相が債務に苦しむ州政府の歳出余地を広げるため、
憲法に基づく借入制限の一時的な解除を検討との報道が好感された。
【本日の見通し】リスク警戒の動きが継続
ドル円は下げが一服も、110円台後半では売りが優勢と
戻りでは売りが出る流れとなっている。
火曜日のNY市場で110円割れを付けたものの、突っ込んだ動きにはさすがに警戒感も。
新型コロナウイルス感染拡大が世界的に広がる中で一時の日本売りの動きは限定的。
円買いの動きが強まる展開となっている。
米FRBの年内利下げ期待が広がりつつあり、ドルの頭を押さえている面も。
基本は110円台でのレンジ取引か
【本日の戦略】戻り売り
戻り売りの流れが継続。
110円割れから戻したことで下げが一服も、
リスク警戒の流れは継続。
110円台後半から111円にかけては売りの意識か。
111円20銭超えではストップ。
もっとも不安定な展開に無理をする必要はなく、
様子見に徹する手も。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/26 水曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 110.20 1.0882 119.92
高値 110.70 1.0909 120.59
安値 110.13 1.0855 119.75
終値 110.43 1.0881 120.13
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《2/26 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 22426.19 -179.22
DOW 26957.59 -123.77
S&P 3116.39 -11.82
Nasdaq 8980.77 +15.16
FTSE 7042.47 +24.59
DAX 12774.88 -15.61
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《2/26 水曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=48.73(-1.17 -2.34%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1643.10(-6.90 -0.42%)
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《2/26 水曜日に発表された主な経済指標》
【香港】
実質GDP(2019年第4四半期)12:00
結果 -0.3%
予想 -0.4% 前回 -0.4%(前期比)
結果 -2.9%
予想 -2.9% 前回 -2.9%(前年比)
【シンガポール】
鉱工業生産指数(1月)14:00
結果 18.2%
予想 -0.7% 前回 6.3%(4.1%から修正)(前月比)
結果 3.4%
予想 -6.5% 前回 -3.7%(-0.7%から修正)(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(02/15 – 02/21)21:00
結果 1.5%
予想 N/A 前回 -6.4%(前週比)
新築住宅販売件数(1月)0:00
結果 76.4万件
予想 71.8万件 前回 70.8万件(69.4万件から修正)
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)0:30
原油 +45.2万(4億4334万)
ガソリン -269.1万(2億5639万)
留出油 -211.5万(1億3847万)
(クッシング地区)
原油 +90.6万(3915万)
*()は在庫総量
【NZ】
貿易収支(1月)06:45
結果 -3.40億NZドル
予想 -5.33億NZドル 前回 3.84億NZドル(5.47億NZドルから修正)
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《2/26 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【中国】
*中国国務院
中国政府は中小企業及び民間セクターに限った減税と低利での融資などによる対策を発表。
中国人民銀行から市中銀行に対して中小企業や民間農業セクターに対する融資促進のために、
金利を0.25%(25BP)下げた再貸付・再割引資金5000億元(約7.85兆円))を供給する。
湖北省の中小企業の付加価値税を3-5月の期間免除、同省以外の中小企業も3%から1%に引き下げ。
【香港】
*香港政府
2020年 GDP予想 -1.5%~0.5%
2020年 インフレ見通し 1.7%
2020年 基調インフレ見通し 2.5%
【新型コロナウイルス関連】
*調査会社ムーディーズ・アナリティクス
新型コロナウイルスがパンデミックになった場合、グローバル規模でリセッションが起きる可能性。
パンデミックに陥る可能性を従来の20%から40%に引き上げた。
*中国国家衛生健康委員会
25日に中国国内での感染による死者は52人増え、計2715人。
感染者は新たに406人増え、中国国内での感染者は計7万8064人。
*韓国
25日に感染者を新たに169人確認、感染者は計1146人。死者は計12人。
*日本政府
スポーツ・文化イベント開催の2週間自粛を要請する方針。
*北海道教育委員会
明日からの道内公立小中学校の休校を要請。
*イラン保健当局
新型コロナウイルスの感染で19人目の死亡を確認
過去24時間で感染者が44名増加
【ユーロ圏】
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
現時点では、新型コロナウイルスが長期的な問題となるとはみていない。
先週はECB内でインフレ目標の議論が活発だった。
初期の声明ではインフレ目標は2%に設定されそうだ。
*マクルーフ・アイルランド中銀総裁
ECBはインフレ期待の不安定化(de-anchoring)を避けなければならない。
インフレ目標レンジがECB政策により信頼性与えるだろう。
「近く」や「下回る」などの表現は不透明感をもたらしてきた。
現行のCPIデータがECBの目標とし最も有効なものなのか検討を要する。
*ラガルドECB総裁
ドイツが地方の歳出拡大のために憲法上の債務上限の一時停止のニュースは歓迎。
ECBは戦略見直しの最中に人々に問う。
ーロにおける信頼の水準は非常に重要。
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
韓国中銀政策金利 時刻未定
予想 1.25% 現行 1.25%
【南アフリカ】
生産者物価指数(1月)18:30
予想 0.1% 前回 0.2%(前月比)
予想 4.4% 前回 3.4%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏業況判断指数(2月)19:00
予想 -0.25 前回 -0.23
ユーロ圏消費者信頼感・確報値(2月)19:00
予想 N/A 前回 -6.6
【米国】
実質GDP・改定値(第4四半期)22:30
予想 2.1% 前回 2.1%(前期比年率)
個人消費・改定値(第4四半期)22:30
予想 1.7% 前回 1.8%(前期比年率)
GDPデフレータ・改定値(第4四半期)22:30
予想 1.4% 前回 1.4%(前期比年率)
GDPコアデフレータ・改定値(第4四半期)22:30
予想 1.3% 前回 1.3%(前期比年率)
新規失業保険申請件数(22日までの週)22:30
予想 21.2万件 前回 21.0万件
耐久財受注・速報値(1月)22:30
予想 -1.5% 前回 2.4%(前年比)
予想 0.2% 前回 -0.1%(輸送除くコア・前月比)
中古住宅販売成約指数(1月)28日0:00
予想 3.0% 前回 -4.9%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員