円急落の正体は不明瞭=外為どっとコム総研 神田卓也
円急落の正体は不明瞭
【基調】
波乱含み
【注目イベント】
・2/20 米2月フィラデルフィア連銀製造業指数、米新規失業保険申請件数
・米長期金利、主要国株価
【本文】
昨日の海外市場でドル/円は111円台半ばまで急伸した。
明確な材料があった訳ではないが円売りが活発化しており、本日も111.10円台へと微調整した後に高値圏へと切り返している。
新型コロナウイルスを巡り、日本での感染が拡大傾向にある事や、横浜クルーズ船の対応が海外政府から批判されている事などから、円を安全資産とするこれまでの市場の評価が変わり始めたとの見方もある。
仮にその見方が正しければ、もう一段の円安が進んでもおかしくないだろう。
2015年以降の高安の半値水準にあたる112.30-40円台が次のターゲットになりそうだ。
一方、一昨日まで強い上値抵抗と見られていた110.30円前後を突破した事で断続的にストップロスを巻き込んだというテクニカル要因主導の上昇であれば、早晩修正が入り110円台前半まで押し戻される公算が大きい。
円急落の正体に不明瞭な部分があるだけに、本日の欧米市場の動きに注目したい。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。