米雇用統計がドル/円のトレンドを左右=外為どっとコム総研 神田卓也
米雇用統計がドル/円のトレンドを左右
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.1%の小幅高。ドル高・円安の流れが継続する中、110円ちょうど前後まで上昇したが、110円台前半に並ぶ売りオーダーを前に伸び悩んだ。そうした中、本日は米1月雇用統計が最大の焦点となる。注目の非農業部門雇用者数の市場予想は16.5万人増だが、5日の米1月ADP全国雇用者数が29.1万人増となり4年8カ月ぶりの高い伸びを記録した事から、実際の期待値は市場予想よりも高いと考えられる。それだけに期待はずれの雇用統計となれば、ドル/円は手仕舞い売りが強まりそうだ。今週の上げ幅を半分方削る形で109円台前半に押し戻される可能性もある。その反面、高い期待値のハードルをクリアできるようなら1月高値(年初来高値)の110.29円前後を上抜けて上昇が加速してもおかしくない。ドル/円の110円台前半は、目先のトレンドを巡る攻防の分岐点になるとの見方が少なくないだけに、本日の米1月雇用統計は重要な意味を持ちそうだ。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。