レンジ放れには“かなりのエネルギー”が必要か…!? - ドル円
◆ 「さらなる巻き戻し」は不発
※ご注意:予想期間は1月31日と表示されていますが、本日(1月30日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
「新型コロナウイルス」に関する新たな懸念が湧き出すことはなく、昨日は“比較的静か”な動きでした。
FOMCは“想定通り(据え置き)”であり、その後に『新型コロナウイルスを警戒』とのパウエルFRB議長発言から“ドル売り”が進行しても、大きな動きにつながりませんでした。
ドル円は“やや値を落とした(陰線)”ものの、“109円ライン付近”での膠着に終始しています。
◆ それでも“一服”は変わらない…
やはり「新型コロナウイルス懸念」は“一服”しており、「過度の悲観論」は“後退”しています。
そしてこうなると再テーマ化するには“蒸し返し”ではなく、“新たな悪材料”が必要になってくるのが常です。
つまり「警戒は必要」ではあるものの、現時点では「過度に警戒する必要なし」ということになります。
◆ オーダー状況は“上下ガチガチ”
“50日移動平均線(109.212円)”より上には「ドル売りオーダー」が展開していますが、一方で“日足・一目均衡表先行スパン下限(本日は108.806円)”より下には「それを上回るドル買いオーダー」が断続的に並んでいるとも聞き及びます。
まだ「イメージは下方向」ばかりが囃され、“上値の重さ”ばかりが目立ちますが、やはり「大きくは崩れない」「次第にツケが回るのは売り方」を基本にして、ことの成り行きを見極めたいところです。
“新たな悪材料”が跳び出さないことを確認しながら…。
◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:109.509(1/17~1/27の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、月足・一目均衡表基準線、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:109.397(20日移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:109.325(1/17~1/27までの38.2%戻し)
上値2:109.259(1/29高値、50日移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:109.197(日足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:109.038(大台、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線)
下値1:108.922(ピボット1stサポート、50週移動平均線)
下値2:108.806(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット2ndサポート)
下値3:108.730(1/27-28安値、100日移動平均線、-1σ、20週移動平均線、1/8~1/17の61.8%押し水準)
下値4:108.638(ピボットローブレイクアウト)
下値5:108.463(200日移動平均線)
執筆者 : 武市佳史|株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト。日本におけるFXの草創期より業務に従事。現在は週刊為替コラム「武市のなぜなにFX」の執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿中。