ドル円はレンジ取引続く

ドル円はレンジ取引続く

人民元高優勢、昨年8月頭以来のドル安元高圏

【東京市場】主要通貨の動き落ち着く

　ドル円は１０８円３１銭から５１銭の２０銭レンジ。中東情勢緊迫化への警戒感も、昨日NY市場からの株高の動きもあり、下がったところでは買いが出る流れとなっている。日経平均が３００円以上の上昇を見せるなど、東京市場に入っても株高の動きが目立ち、リスク警戒感が後退している。昨日東京午前に１０７円７０銭台まで値を落とした後、海外市場で１０８円台半ばまで戻し、その後はもみ合いが続く展開に。

　ユーロドルが１.１１８５－１．１１９８のレンジ取引になるなど、主要通貨は落ち着いた動き。
　中東情勢緊迫化への警戒感も、具体的な行動などが出てくるまでは反応が難しいところ。大規模テロなどで一気に円高が進む可能性が否定できないだけに、上値追いには慎重も、いったん売りも収まっている形。

　その他目立ったのは人民元高。ドル人民元は６．９７台からドル売り元高が止まらず６．９５１５まで。昨年末の安値６．９５８２を割り込み、昨年８月初めに米国が対中関税の強化を発表して一気に米中関係の緊張が高まった時に進んだ時以来のドル安元高圏に。

【ロンドン市場】イラン外相が警告

　東京午後にイラン外相が「米国のソレイマニ司令官攻撃で世界と米国はより危険に」と発言したことが
リスク警戒感を誘ったが、序盤で影響は収まり、ドル円はもみ合いがつづ値ア。
ユーロドルやポンドドルでは少しドル売りも、ユーロドルは1.12が重く
ポンドドルは1.32台に一時乗せたものの大台を維持できず1.31台半ばに。

【NY市場】108円台半ばを回復するなどしっかり

　ドル円は108円台半ばを回復する動き。
イラン情勢への警戒感は継続。
イランは米国に対して13のシナリオを検討などの報道も見られたが
影響は限定的なものにとどまっている。

　米ISM非製造業が前回同様製造業とは違ってしっかりとなり
米景気への悲観論が抑えられていることもドル買いに寄与。

【本日の見通し】警戒感は継続も、下値もしっかり

　レンジの中での取引が続きそう。
イラン問題へのへの警戒感から高値でのドル買いには慎重。
もっとも、下値も限定的。

　米国とイランの軍事的な衝突があったとしても
長期化・泥沼化の可能性は低いとの見通しが
リスク警戒感を限定的なものにとどめている。

　ドル円は108円台前半から半ばにかけての水準をコアに
108円台でのレンジ取引が続きそう。

　ユーロやポンドは若干頭が重い。
このところの買い戻しが一服し、いったん調整の動きも。

【本日の戦略】方向感待ち

　次の方向性を探りたいところ。
ドル円は押し目待ちの流れか。
流れはまだ上方向も中東情勢をにらむと上値は買いにくい。
クロス円は様子見。
対ドルでの欧州通貨は戻り売りの意識。
ユーロドルの1.12台での重さが印象的。もっとも1.1250を超えると流れが変わる可能性も。
ストップもしっかりと。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《1/7　火曜日》
　　　ドル円　　ユーロドル　　ユーロ円
始値　　108.37　　1.1197　　121.33
高値　　108.63　　1.1198　　121.45
安値　　108.26　　1.1134　　120.79
終値　　108.44　　1.1153　　120.92
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《1/7　火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経　　23575.72 +370.86
DOW　　 28583.68 -119.70
S&P 　　 3237.18 -9.10
Nasdaq 　9068.58 -2.88
FTSE 　　7573.85 -1.49
DAX 　　13226.83 +99.84
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《1/7　火曜日の商品市場》
NY原油先物2月限（WTI）（終値）
1バレル＝62.70（-0.57　-0.90%）
NY金先物2 月限（COMEX）（終値）
1オンス＝1574.30（+5.50　+0.35%）
–+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《1/7　火曜日に発表された主な経済指標》

【スイス】
消費者物価指数（12月）16:30
結果　0.0%
予想　-0.1%　前回　-0.1%（前月比)
結果　0.2%
予想　0.0%　前回　-0.1%（前年比)

【ユーロ圏】
消費者物価指数（HICP）（概算値速報）（12月）19:00
結果　1.3%
予想　1.3%　前回　1.0%（前年比)
結果　1.3%
予想　1.3%　前回　1.3%（コア・前年比）
結果　0.3%
予想　0.3%　前回　-0.3%（前月比）

小売売上高（11月）19:00
結果　1.0%
予想　0.7%　前回　-0.3%（-0.6%から修正）（前月比)
結果　2.2%
予想　1.5%　前回　1.7%（1.4%から修正）（前年比)

【カナダ】
国際商品貿易（11月）22:30
結果　-10.9億カナダドル
予想　-12.0億カナダドル　前回　-16.1億カナダドル（-10.8億カナダドルから修正）

Ivey購買担当者景況感指数（12月）00:00
結果　51.9
予想　N/A　前回　60.0

【米国】
貿易収支（11月）22:30
結果　-431億ドル
予想　-436億ドル　前回　-469億ドル（-472億ドルから修正)

ISM非製造業景気指数（12月）00:00
結果　55.0
予想　54.5　前回　53.9

製造業新規受注（11月）00:00
結果　-0.7%
予想　-0.8%　前回　0.2%（0.3%から修正）（前月比)

耐久財受注（確報値）（11月）00:00
結果　-2.1%
予想　-2.0%　前回　-2.0%（前月比)
結果　-0.1%
予想　N/A　前回　0.0%（コア・前月比)

+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《1/7　火曜日のに発表された主なイベント・ニュースなど》

【米国】
＊ＮＹ連銀は９８９億ドル近くの資金を供給

＊米３年債入札結果
最高落札利回り　1.567％（WI:1.564％）
応札倍率　　　　2.45倍（前回2.56倍）

【英国】
＊カーニー英中銀総裁
英中銀は金利をゼロ付近まで引き下げること可能。
英中銀はマクロ・プルデンシャルの手段も可能。

【中国】
＊中国農業農村省韓次官
米国産の拡大に合わせて年間の穀物輸入枠を広げることはない。
輸入枠は世界全体の数字であり、一国からの輸入拡大のために調整するものではない。

【中東】
＊エスパー米国防長官
イラク国民と議員が米国の駐留継続を望むと確信している。
米国はイラクからの撤退を決定していない。

＊グテーレス国連事務総長
地政学的な緊張が今世紀最大レベルに達している。
新年は混乱の中で始まった。
我々は危険な時代に生きているとした。
さらなる敵対的な行動をやめ、最大限に自制し、対話の再開を。

＊ネタニヤフ・イスラエル首相
米国によるイラン司令官殺害は、米国が単独で行ったものでイスラエルは関与していない。
両国の衝突にイスラエルが巻き込まれてはならない。

＊ザリフ・イラン外相　
米国のソレイマニ司令官攻撃で世界と米国はより危険に。
中東地域の各国には包括的な対話が必要。
地域で「不可侵条約」を締結すること提案。
地域の戦争は何世代も続く可能性がある。

＊イラン保守系メディアのファルス通信
イランは米国に対する１３の報復「シナリオ」を検討している。
最も弱い報復シナリオでも、歴史的な悪夢引き起こすことになろう。

＊ＡＰ通信　
米国が中東海域航行の船舶に警告、イラン行動の可能性。

–+—+—+—+—+—+—+–+—+-
《本日予定されている主な経済指標》

【ユーロ圏】
ドイツ製造業受注（11月）16:00
予想　0.2%　前回　-0.4%（前月比）
予想　-4.7%　前回　-5.5%（前年比）

ユーロ圏業況判断指数（12月）19:00
予想　-0.18　前回　-0.23

ユーロ圏消費者信頼感・確報値（12月）19:00
予想　N/A　前回　-8.1

【米国】
MBA住宅ローン申請指数（3日までの週）21:00
予想　N/A　前回　-5.3%（前週比）

ADP雇用者数（12月）22:15
予想　16.0万人　前回　6.7万人

-☆-★-☆-★-☆-★-☆-